久留米工業大学
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2026.10.21地震で建物はどう壊れるのか?―卒業研究で大型構造実験を実施|久留米工業大学 建築・設備工学科

2026年7月28日、久留米工業大学の構造実験室で、建築・設備工学科の松本教授ゼミに所属する同学科4年生の卒業研究の一環として大型構造実験を行いました。
久留米工業大学の「建築・設備工学科」は、建築と設備を総合的に学べる、他大学にはあまりない特色ある学科です。
建築・設備工学科▷トータルに学ぶからこそ、めざす建築が見えてくる。
今回の実験では、マンションなどに見られる「柱」と「袖壁(そでかべ・柱に取り付く壁)」が、地震によってどのような破壊が起こるのかを検証しました。
実物の破壊を通して構造を学ぶ

建築・設備工学科 4年 小林さん
3年生までは座学を中心に学びますが、4年生では学生が主体となって実験の準備・実施・分析に取り組みます。
実験に参加した小林さんは、
実際の破壊プロセスを目の当たりにしたことで、これまで授業や教科書で学んできた現象を実感し、理解を深めることができたと話しています。
将来、建物の構造設計に携わることを目指す小林さんは、今回の実験で得た知見を、今後の実務や研究活動に生かしていくそうです。
久留米工業大学では2027年度から建築・設備工学科に「都市デザインコース」を新設します。
自然災害やインフラの老朽化から人々の生命と財産を守り、安全・安心な生活基盤を地域と共に考える、新たな学びが始まります。
▷【2027年度】久留米工業大学はコースを新設・再編。「つくる」工学から「デザイン」する工学へ。
地震後も建物を使い続けるために
能登半島地震や熊本地震では、建物の倒壊は免れたものの、柱と袖壁の接合部が「せん断破壊」を起こし、室内の損傷によって建物を継続して使用することが難しくなるケースがありました。
せん断破壊とは、横から力が加わることで、部材に斜め方向のひび割れが生じ、破壊に至る現象です。
建物が倒壊しなくても、損傷によって住民が生活の場を失えば、生活基盤だけでなく経済的にも大きな負担となります。
そこで今回の研究では、柱と袖壁の接合部について、「どの程度の力で、どのように破壊が始まり、最終的にどのような損傷に至るのか」を明らかにすることを目的としています。
実際のマンションを模した試験体で実験
実験には、マンションなどの柱と袖壁を模した試験体を使用しました。
今回は、柱の両側に同じ長さの袖壁を取り付けたものです。
試験体を床面に固定し、大型の加力装置で上から約30トンの力を加えました。
これは、高層建築物の上層階の重さを想定したもので、昨年の実験の2倍に当たります。
その状態で水平方向から押し引きの力を加え、地震による揺れを再現。
加えた力や変形量、ひび割れの発生状況をセンサーで計測し、破壊に至る過程を記録しました。
ひび割れから柱の破壊へ
実験が進むと、コンクリート表面や柱と袖壁の接合部にひび割れが発生。
さらに変形が進むと、「バキバキ」という大きな破壊音とともにコンクリート片が剥落し、柱には斜め方向の大きな亀裂が複数現れました。
鉄筋も曲がり、柱は上から加わる力に耐えきれず大きく傾き、内部の鉄筋が露出。
柱が上から加わる力を支えられなくなる直前で実験を停止しました。
今回のように大きな荷重をかけ、建物の破壊過程を実際に検証できる構造実験設備は、九州の大学・研究機関でも数少ないものです。
▷大地震時の損傷状態を再現できる建築構造実験システム(建研式加力)を導入しました
学生たちは、こうした設備を使った実験を通して、建物の安全性を支える構造について実践的に学んでいます。
昨年の構造実験の様子はこちらからご覧いただけます。
▷【建築・設備工学科の構造実験レポート】九州でトップレベルの装備を持つ構造実験室で、大地震時の損傷状態を再現する実験実習を行う学生たち!
松本教授の研究発表
▷久留米工業大学の松本教授が「コンクリート工学年次大会2026」において研究発表
発信元:建築・設備工学科


