久留米工業大学
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2025.11.04【特集】基礎学力の底上げを支援する基幹教育センター|課題・専門科目・試験対策・就活まで無料の手厚いフォローが好評

学生たちがよく集まる100号館2階のラウンジのすぐ隣に、ガラス張りの施設があります。
ここには、いつも同じ顔ぶれの先生方がいらっしゃり、時には、学生たちがホワイトボードを囲んで勉強し合っている様子も見かけます。
一体どんな施設なのでしょうか?
責任者を務める二人の先生にお話を伺いました。

目次
▶基幹教育センター設立の目的
▶サポート内容
▶特長1:1年次のリメディアル(学び直し)教育
▶特長2:全学年対象の課題添削やレポート指導
▶特長3:専門科目や大学院入試のフォロー(SAの活躍も)
▶特長4:珍しい取組「依頼があれば授業の中にも入ります」
▶特長5:高校生を対象とした入学前教育
▶4年間基幹教育センターを利用している学生の声
▶センターの利用方法
基幹教育センター設立の目的-数学と物理の支援強化
この施設は「基幹教育センター」といいます。「ラーニングコモンズ」という愛称でも呼ばれています。
基幹教育センターは、2016年に、当時在籍されていた巨海玄道教授が旗振り役となり、「基礎科目支援体制」の拠点として設立されました。工学分野においては、基礎科目というのは数学と物理になります。
設立以前にも、物理やプログラミングについていつでも質問ができる「駆け込み寺」のような仕組みがありましたが、先生方がオフィスアワーやボランティアで対応されていました。そうした支援体制をより強化するために誕生したのが、このセンターです。
現在、基幹教育センターには4名の非常勤講師が在籍し、交代で勤務しています。
学生の皆さんは、対面のほか、学内ポータルサイトやLINEからも予約ができ、講師を指名することも可能です。
専門書籍が充実していて、講師による添削も受けられるため、自習やグループ学習で利用する学生も多く、特に試験対策中は賑わいます。
「学び直し」からスタートできる安心のサポート体制

▼特長1:1年次のリメディアル(学び直し)教育
まずは学生の皆さんに自主的に来てもらうことが第一ですが、授業の一環として基幹教育センターを利用してもらうような工夫もしています。
本学では、特に「リメディアル(学び直し)教育」に力を入れています。大学の授業にスムーズに慣れていけるように、入学時に受ける基礎科目(数学・物理)のレベル分けテストの結果に応じて、1年生の前期にセンターで勉強する仕組みをつくっています。
対象になった学生たちは、講義を受けた後にセンターに来て演習問題を解くことになっていて、講師が分からないところを指導したり、添削をします。
これにより、前期のうちにこの場所に慣れてもらい、後期では自主的な利用を促しています。
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▼特長2:全学年を対象に、課題添削やレポートの書き方指導
サポート体制は、基礎科目のリメディアル教育だけに留まりません。
他の授業科目でも、学生が課題やレポートを基幹教育センターで添削してもらうことができ、それを教員に提出するといったサポート体制もあります。
こうすることで、多忙な教員の負担を軽減しながら、学生たちにはよりよい教育を提供することができています。
特長3:役割を拡げ、専門科目や大学院入試のフォローも開始
設立からおよそ10年が経ち、基幹教育センターの役割は当初の基礎科目の支援という目的を超え、幅を広げています。
その例として、学生たちからのリクエストを受けて、「各学科の専門科目」や「大学院入試」のフォローなども行うようになりました。
数学や物理を専門とする基幹教育センターの講師陣だけでは対応が難しい内容については、その分野に詳しい学生たちがSA(Student Assistant)として入って活躍しています。
↓ SAの人数を増やし、現在は8名の学生が曜日ごとに担当。センターの奥にあるカウンター席に座って、皆さんをお待ちしています。
SAは基幹教育センターの講師の指導補助をするほか、所属学科の専門科目については、直接教えたりしています。
利用する学生にとっても、学科のことを理解している同世代になら質問しやすいというメリットがあります。
また、SA自身が講師から指導方法についてアドバイスをもらうこともあり、この経験は社会に出る予行練習の場として役に立っていると聞いています。
最近は、情報ネットワーク工学科や建築・設備工学科の学生の利用が高まっているようです。
「各学科の専門科目」の一例として、数学と物理が綿密に関わる専門科目には情報数学、電気回路、プログラミングといったものがありますが、これらの学習サポートも行っていますので、勉強に難しさを感じた時は、ぜひ相談してください。
↓ SAとして他の学生を指導する情報ネットワーク工学科3年生たち
▶SA(Student Assistant)をしている学生のインタビュー記事はこちら
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特長4:他大学では見られない新しい取組!依頼があれば授業にも入ります
昨年からは、「授業の中に入り込む」という、他大学でもあまり聞かない新しい取り組みも始めました。
建築・設備工学科の松本教授が担当する「構造解析学」という授業では、難しい数学の計算に慣れるために演習問題の時間があります。
そこに基幹教育センターの講師数名が参画し、机間巡回しながら、学生たちにつまづいていないか声掛けをしています。授業の進行中は質問しづらい学生も、側に回ってきた講師陣には直接質問してくれるケースが多く見られました。
この取り組みをきっかけに、基幹教育センターの認知度も向上したと感じています。
↓ 2024年度から、一部の授業において、基幹教育センターの講師が巡回指導をする取組が始まりました。写真は、「構造解析学」などの授業で必要な「定積分」の演習問題を解く学生たち
特長5:「面倒見の良さ」を発揮して、入学前の高校生もサポート対象に!
久留米工大は「少人数だから面倒見がいい」との評価をいただくことがありますが、実は、ここまでお話してきた様々なサポートは全て無料です。
さらに、数年前からは、入学を控えた高校生に向けたサポート体制も構築しています。
アンケートの結果、「高校で数学や物理をしっかり学んでいないので勉強についていけるか不安」という声が非常に多かったので、年内に入学が確定した高校生に対し、入学前の1月末からオンラインでスクーリングを行っています。
進研アドが提供する学習教材を利用してもらいますが、レベルが合っていないと感じた場合は、直接基幹教育センターに連絡して、個別対応を受けることも可能です。
↓ 久留米工業大学のグループ校である祐誠高校の学生は、大学に来て入学前教育を受けています
(江藤先生よりメッセージ)
専用LINEに登録すればすぐに相談ができる体制を整えています。勉強に対する不安を解消するには、「できるようになった」という成功体験の積み重ねが大切だと思っています。そのためにも、本学では特定の授業はレベル分けをして対応しています。
基幹教育センターの先生は、「高校で習ったからできるよね」といったスタンスではなく、苦手意識のある学生に寄り添い、褒めてくれる先生ばかりなので、「ここに来ればなんとかなる」と思って、ぜひセンターに来てほしいです。
(境先生よりメッセージ)
かつて高校の教員をされていた講師が多いので、勉強以外の面でも色々と相談にのってくださいます。人間関係ができてくると、プライベートの相談をする学生もいます。
「分からないところが分からない」という人も多いと思いますが、私たちが一緒に考えますので、ちょっとでも不安を感じたら気軽にセンターを頼ってください。
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4年間基幹教育センターに通っている学生の声
取材時にセンターで勉強中だった建築・設備工学科4年生の矢野好晃(やの よしあき)さんにお話を伺いました!

浮羽工業高校建築科(建築設計コース)出身。リメディアル教育の初年度に入学。境先生の授業をきっかけに基幹教育センターで数学と統計学基礎を習い始め、徐々に専門科目や教職、就職活動の対策でも利用されるようになりました。設備関係の会社に就職予定です。
― 入学時の基礎学力はどのくらいでしたか?
(矢野さん)
工業高校では建築の専門科目を中心に学んでいたので、数1・数2はやっていましたが、数A・数Bはほとんど習っていない状態で入学しました。
数学に限らず、国語、英語、物理など高校で踏み込んで教わっていない教科が多かったので、最初は全くわからなくて心配でした。
入学してすぐに境先生の声掛けで基幹教育センターのことを知り、課題を教えてもらうために通うようになった時に出会ったのが、長年指導をしてくださっている諏訪辺(すわべ)先生です。
↓ 諏訪辺先生は祐誠高校でも指導されていたそうです。雑談も交えながら、とても熱心に、そして根気強く指導されていました。 
(諏訪辺先生)
本学では、数学の授業は、1年生の前期が必修、後期は選択となっています。数2Bに出てくる「微分積分」と「線形代数」の授業は難易度が高いのですが、矢野さんの学年はこの両方を受講しないとAI教育プログラムの修了証(※下記をご参照ください)をもらうことができないので、大変だと思います。難しい単元を同時に受講するのは無理があるので、矢野さんの場合は、1年生で「微分積分」を受けて、4年生後期の現在、「線形代数」を学んでいるところです。
※文部科学省「数理・データサイエンス・

― ここまでの大学生活を振り返って、勉強面での変化や成果はいかがですか?
(矢野さん)
基幹教育センターのおかげもあって1年生の前期の成績が良かったので、できるだけ維持したくて、最高評価の「秀」(90点以上)を目指して頑張ってきました。分からないことがあっても、センターに相談すれば、かなり広範囲に対応していただけます。私は、週1回くらいの頻度で来て、勉強したり、雑談したりしています。今日は、授業の宿題で出たプリントの添削を受けて、追加で2枚分の演習問題を教えてもらいました。
▼矢野さんがこれまでセンターに相談された内容
・力学や憲法など
・実験レポートの書き方
・内申書の書き方
・進路や就職に関する相談(SPIなども)
― 大学とは思えないほど個別指導の体制が充実していて驚きました。
(諏訪辺先生)
境先生がハブとなって色々な先生方と綿密に連携をとっています。
例えば、「今日は〇〇の授業でこんなプリントをしました。3つ目の問題が苦手そうなので、フォローをお願いします」といった形で具体的な情報があがってくるので、私たち基幹教育センターの講師はそれに合わせてたくさんの問題を作成し、学生たちをサポートしています。中には、このセンターがあるから入学したという学生もいます。
数学や物理以外の相談であっても、教えられる先生がいないか探しますので、まずは一度ここに足を運んでみて下さい。
↓ 高校での指導経験が豊富なベテランの先生方がプリントを作ってくださっているので、クオリティはお墨付きです!

― 基幹教育センターを利用しない手はありませんね!矢野さんは大学最後の学期となりましたが、どのような進路をお考えですか?
(矢野さん)
久留米工業大学を選んだのは、家から近くて、教職(科目は工業)が取れて、建築(特に設備)が学べるからです。高校でお世話になった先生が、一度社会に出てから教員になられた方だったので、自分もそういった道を選択肢の一つとして考えています。
自分自身、小~中学生の頃から勉強が苦手で、高校も専門科目中心で学んできたので、大学での勉強には苦労しました。同じような立場にいる学生の悩みを聞いたり、手助けしたりできるような先生になって、恩返しができたらと思っています。

― 矢野さん、諏訪辺先生、ありがとうございました!
▶SA(Student Assistant)をしている学生のインタビュー記事はこちら
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(参考)基幹教育センターの利用方法
▼利用時間
通常講義期間中は10:00~17:00です。
▼予約方法
1.(在学生)Moodleから
2.(在学生)直接基幹教育センターで
3.(在学生&入学予定者)LINEから →登録はこちら
▼基幹教育センターニュースなどはこちらのページでご覧いただけます
(参考)
▽基幹教育センターチラシ

基幹教育センター チラシ.pdf
▽本学の建築・設備工学科に興味のある方はこちらもご覧ください
建築・設備工学科 学科紹介ページ
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(発信元:基幹教育センター、事業戦略課)




