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2006.03.24

平成17年度学位記・修了証書授与式

去る3月17日本学体育館で、平成17年度学位記・修了証書授与式(卒業式)を執り行いました。
 
根本学長から工学部卒業生303名、大学院工学研究科修士課程修了者6名に学位記を、別科自動車工業専修修了者46名に修了証書、また、学業優秀者、学友会行事功労者、スポーツ活動優秀者に対して学長賞が授与されました。
今年も「祐誠高等学校ブラスバンド部」の演奏が華を添えてくれました。



【学長告辞】

 本日晴れて学部を卒業し、あるいは大学院修士課程を修了して、それぞれ学位を授与された皆さん、そして別科の課程を修了された皆さん、おめでとうございます。また同時に、卒業生の皆さんの勉学や成長を今日まで見守り、励まし、その中で本学の教育にご理解とご支援をいただいた保護者、ご家族ならびに関係者の皆さまに心からお祝いと御礼を申し上げます。 

 卒業生の皆さんは、本学で勉学に励み、卒業と言う人生の大切な節目を迎え、決意を新たにしていると思います。 私たちは現在きわめて高度な科学技術社会の中で生活しています。科学技術という服を身に着ければ、空を飛ぶことができ、どのような生き物より早く走れ、高性能の視力や聴力を持ち、そしてきわめて優れた記憶力、計算能力を身につけ、宇宙へさえ行けるようになりました。人類は数百万年、数万世代の歴史をもっていますが、このような能力を持てるようになるとは数世代前の人でさえ想像することさえできなかったに違いありません。 
 人の寿命が伸びたのも、医療や食料生産に係る科学技術の進歩のおかげに他なりません。人生で経験できることから見れば、私たちは、昔の人の数倍から数十倍密度の高い人生、言い換えれば数倍から数十倍の長い人生を実質的には送っているといえます。
 科学技術は、人類の夢を次々と実現しました。しかし、科学技術がいかに発展しても、解決できない問題は山積しており、解決できない問題が次々と新しく現れています。ここ数年間だけでも、世界では、地震や津波、ハリーケーンなどの自然災害で多くの人命が失われています。地球環境問題も解決の方向が見えません。ちょうど一年前の今日発生した福岡県西方沖地震もまったく予測できなかったことは記憶に新しいところです。自然災害に対して科学技術は依然としてほとんど無力です。 また、最近の国内の例をみると、福知山線脱線事故や、耐震強度偽装事件、国の重要情報や企業情報、個人情報のネット流出問題など、科学技術を使いこなせなかったり、科学技術が悪用されたりして予想外の出来事が多数起こっています。私たちは、科学技術という服を脱げば、数千年前の祖先とあまり変わりのない人間であることを認識しなければなりません。
 久留米工業大学は「人間味豊かな産業人の育成」を建学の精神とし、「知を磨き、情をはぐくみ、意を鍛える」こと、すなわち「知・情・意」のバランスのとれた人材の育成を教育理念としています。皆さんが本学で身に付けた大切なものは知識だけではなく、「習ったことをすべて忘れた後にも残るなにか」もあります。それは友達であり、教職員との絆であり、学習の仕方>や学習の習慣であり、感性や意欲、忍耐力、あるいは自分自身を知ったことなどです。
 「智に働けば角が立つ。情に棹させば流される。意地を通せば窮屈だ。」というのは夏目漱石の「草枕」の冒頭の有名な文章で、世渡り、つまり社会生活の送り方について述べていますが、科学技術についてみれば、科学者・技術者の「知識」と「知恵」、そして「意欲」と「不屈の意思」を結集しなければ発展しません。しかし、「知」と「意」だけで発達した科学技術では、角が立ったり、窮屈、偏屈なものになりかねません。その間を「情」すなわち「感性」や、人、物、自然に対する「愛情」でつなぐことが21世紀の科学技術には求められています。
 最近のエネルギーや環境問題、老人や弱者への対応を考慮した技術や製品の開発をみると、20世紀から21世紀にかけて、科学技術に対するパラダイムの変換が起こりつつあることを感じます。
 私たちが目指すのは、人に対する豊かな愛情があふれ、平和で持続可能な社会をグローバルな規模で構築することです。そのような社会づくりにおいて、本学の建学の精神と教育理念が目指す「知・情・意」のバランスのとれた皆さんには、ますます重要な役割が期待されています これから皆さんが飛び立っていく社会は、必ずしもフェアーでもなければ平等でも公平でもありません。しかし、誰にでも必ず平等に与えられているものがあります。それは「時間」です。1日24時間、1年365日は誰にでも平等に与えられています。平等に与えられたこの時間をどのように使うかによって、10年後、20年後の自分が現れてきます。科学技術はまさに日進月歩の世界です。どうか日々新たに、私たちの夢・科学技術を先導する意思と自信をもって、これからも努力を続けていただきたいと思います。

 最後に、今日、卒業式を迎えられたのは、皆さんの努力のたまものではありますが、今日まで、限りない愛情をもって皆さんの成長を見守ってこられた保護者・ご家族のご苦労を思うにつけても、卒業生の皆さん1人ひとりが感謝を忘れず、これからの活躍でそれに報いられるよう願ってやみません。本学在学中に培った、友達、先輩、後輩、そして教職員との絆を大切にして、健康に恵まれ充実した人生を歩まれることを祈って告辞といたします。

久留米工業大学学長 根 本 實平成18年3月17日

久留米工業大学学長
根 本 實


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