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2006.04.17

入学生を迎えて(平成18年度入学式)

 去る4月7日(金)桜花春風に舞うなか平成18年度入学式を挙行しました。
本年度の新入生総勢313名は、根本学長の告辞を受け、建築・設備工学科の佐藤みなみさんが新入生総代で宣誓を行い、本学学生として意を新たに大学生活のスタートをきりました。


【学長告辞】

 春たけなわの今日、多数のご来賓の皆様そして関係者各位のご参列のもとに、平成18年度入学式を迎えることができましたことは、本学にとりまことに大きな慶びであります。 新入生のみなさんそして大学院に進学したみなさん、おめでとうございます。また、保護者の皆様にも心からお祝い申し上げます。

 さて、久留米工業大学は今年、創立40周年を迎えることになりました。本学の前身となる久留米工業学園短期大学が創設されたのは昭和41年、4年制の大学として発足したのは昭和51年ですが、大学創設以来、「人間味豊かな産業人」の育成を建学の精神とし、「知を磨き、情をはぐくみ、意を鍛える」、すなわち「知・情・意」のバランスのとれた人材の育成を教育理念としています。1万3千人を超えるこれまでの卒業生は、国の内外で広く活躍しており、実学を重視し、きめこまかな教育、ていねいな教育をモットーに、実践力のある人材を育成する大学として本学は社会的に認められています。皆さんには、本学における学生生活を通して、社会を支え、皆さん自身の将来を支える知識と技術、そして豊かな人間性をしっかり身につけてくれることを期待します。
 
 さて、皆さんは、世界は現在大きく変わりつつあることを実感していると思います。歴史的には、ルネッサンスや産業革命にも匹敵する大きな変化の時代ともいわれています。 今から25年前、1980年に、アービン・トフラーという人が書いた「第三の波」という本は世界的なベストセラーとなりました。太古の時代、人類は採取や漁業、狩猟や牧畜で食料を得て、各地を移動しながら生活していましたが、約1万年前から農耕が始まり、社会が大きく変化しました。トフラーは、この農業革命を第一の波と名づけ、そして18世紀から19世紀に起こった産業革命を第二の波としました。この第二の波の結果、20世紀には科学技術と工業が高度に発達し、生活水準が大幅に向上しました。一方、私たちを現在おおっている第三の波は1950年代に起こり始め、エレクトロニクスや情報技術、バイオ技術や宇宙産業の発達により、多様化や分散化、細分化、そしてグローバル化が進みつつあります。
 では次の波はどのようなものでしょうか。第一の「農業革命」の波から第二の「産業革命」の波までは数千年の時がありましたが、第二の「産業革命」の波から第三の「情報技術革命」の波までは150年から200年とその間隔が短くなり、次の波までの間隔はさらに短くなると予測されます。 世界の人口は、紀元1世紀頃には2億人程度に過ぎなかったと考えられています。しかし、20世紀の100年間だけで一挙に40億人増え、地球上の人口は現在64億人に達しています。
 このような人口爆発やそれに伴う食料危機、エネルギー危機、環境破壊、民族紛争、テロなどへの恐怖から、人類の未来に対する悲観的な見方や科学技術を否定するような風潮が世間の一部に広がっているように見えます。しかし、冷静に考えてみれば、地球上に、現在ほど豊かで自由な地域が広がった時代は歴史上存在しません。
 わが国は明治維新以来成長を続け、昭和になって太平洋戦争という大きな悲劇がありましたが、その後は世界の奇跡といわれるような成長を続け、1970年代には世界第2位のGDP大国となり、1990年代のバブル崩壊があったにせよ、GDPは現在でもアメリカに次いで世界第2位の地位を保っています。このようなわが国の成長の原因についてはいくつかの説明がありますが、勤勉な国民性に加えて教育特に技術系高等教育の充実に力を入れ、科学技術が発達したからというのが国の内外で定評となっています。 過去の単純な延長線上にはないにせよ、知性を働かせ科学技術をさらに発展させて「エネルギー革命」や「環境革命」などの第四の波、第五の波を起こせば、未来の社会はこれまでのどのような時代に比べても健全で、より人間的で、より文化的で、公平で、より民主的な社会になると私は信じています。
 第四、第五の波も文化文明の波であり、各々独立して発生したり消えたりするものではなく、波は重なり合い干渉し合います。これは社会が時代とともに多様化していくことを意味しています。多様化した社会では多様な生き方ができます。現在は変化の時代であり混沌としていますが、明るい未来は混迷の先にあります。多様化と混沌の中にこそ新しい文化や文明が生じる核があり、若い皆さんにはそれを見つけ出して育てることが期待され、また、それだけ活躍のチャンスが与えられています。
 皆さんがこれから本学で受ける教育は受け身や強制される勉強であってはなりません。高等学校と大学における学習でもっとも異なるのはその自由さであり、その代わり大学における学習でもっとも求められるのは自主性です。決して易しく楽しいことばかりではありません。しかし、苦しくてもそれを乗り越え、前に進み、深く追究すればするほど、新しいことを知る楽しさや未知の問題を解決する喜び、そして科学技術を通して社会に貢献できる充実感を知ることができます。大学における勉強でもっとも大切なことは、実はこの新しいことを知る楽しさや喜びを経験することなのです。それがさらに深く学ぶための駆動力となり、一生を通して学習する習慣を身につけることにもなります。知識は古くなりますが、学習の習慣は決して古くなることがありません。
 みなさんは、これから人生にとって二度とない青春の時間をこの大学で過ごすことになります。大学時代の友達は一生の友達になります。本学には経験豊かですばらしい教職員がたくさんいます。友達や教職員との絆を大切に、そして今を大切に、健康に恵まれ、楽しく、充実した学生生活を送ってください。

 終わりに,ご列席の保護者の皆様方に,私ども教職員は新入生の皆さんの教育にできる限りの力をつくす覚悟であることをお約束するとともに,教育に万全を期するためにご家庭と学校の緊密な連携,大学への積極的なご支援をお願い申し上げ告辞といたします。


久留米工業大学学長 根 本 實平成18年4月7日

久留米工業大学学長
根 本 實


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