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教職への第一歩!地域の小中学校で学生たちが職場体験を行いました。

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2022.10.21

教職への第一歩!地域の小中学校で学生たちが職場体験を行いました。

先日、久留米工業大学の教職課程を履修する学生たちが、地域の小中学校で1週間の職場体験を行いました。
今回は、職場体験を終えた学生たちのリアルな体験談と、本学の教職課程の特徴やインターンシップ制度の詳細について金井政宏教授にお話を伺います。

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<TOPIC>
・教育実習とは違う?教育創造工学科のインターンシップ制度とは
・インターンシップを終えた学生にインタビュー!
・地域に広がるインターンシップ制度
・教職雇用は狭き門。採用状況は?
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教育実習とは違う?教育創造工学科のインターンシップ制度とは



ー 本学の教職課程の特徴を教えてください。


金井教授:
本学の教育創造工学科は、全国でも珍しく2教科4種類の教員免許状を同時に取得できることが1番の特徴です。具体的には、中学・高校それぞれの数学と理科です。
そして近年、新たな取り組みとして、久留米市・八女郡広川町地域の小中学校でのインターンシップ制度を開始しました。


ー 教育実習とインターンシップ制度との違いは何ですか?


金井教授:
まず、制度的な違いがあります。教育実習は教員免許法で義務付けられていますが、インターンはそうではありません。
学生の学びとして大きく違うポイントは、教育実習では教科指導の実習がメインですが、インターンでは先生をサポートしながら校務全般を体験します。
教育実習では、まず先輩の先生方の授業の見学から始まって、次に実際に自分が教鞭をとり、先輩方から指導をいただいて改善する...といったことを繰り返します。インターンでは先生のサポート役となり、必要に応じて先生方の仕事を分担します。


ー インターンシップ制度を始めた背景を教えてください。


金井教授:
今回のインターンは、大学2年生を主な対象としています。
早めに現場を体験することで教職へのモチベーションを高めてもらったり、就職後のギャップをなくすことが1番の狙いです。そしてもう1つ、教育現場に務める方々の過重労働が社会課題となっており、疲弊した現場の先生方を学生たちの力でサポートできないだろうかと考えました。
学生は教育現場を体験でき、先生方にとってはサポートになるといった双方にメリットがある取り組みになればと思い、この制度が始まりました。



インターンシップを終えた学生にインタビュー!



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ー インターンで印象深かったことを教えてください。


女子学生:
私は中学2年生のクラス担当でした。
印象深かったことは、生徒たちがとても活発で、行動や言葉遣いも本当に元気いっぱいだったことです。私はもうずっと友達言葉で話しかけられていましたね。正直言うと、自分が想像していたものとははるかに違っていて...インターンを終えた後、体力的にも思考的にもどっと疲れました。


ー 中学生から見るとインターン生は教育実習生や先生としてではなく「年の近いお兄さん、お姉さんが来た!」という感覚で、気持ちが上がってしまったのかもしれませんね。


男子学生:
僕がサポートしていたクラスは中学1年生で、みなさん比較的大人しく、質問してくれる生徒がたくさんいて、先生のサポートもしやすかった方だと思います。あと、OBが先生として勤めている中学校なので、身近に頼れる先輩がいるというところで、1つの安心感がありました。


ー現場を体験してみて、教員を目指す意志に変化はありましたか?


男子学生:
実際に体験してみて、やはり教職は大変だということを再認識しました。しかし、それ以上にとてもやりがいを感じましたし、教職を目指すモチベーションもあがりました。

生徒の中学生の先生への接し方と、インターン生への接し方が割と異なっていたことが印象深かったです。だからこそ、余計に早く教員になって、生徒たちとたくさんコミュニケーションをとって仲を深め、信頼関係を築いていきたいなと思いました。


女子学生:
私は逆に、教員としての未来を慎重に考えてしまうようになりました。生徒との関わり方を掴みきれずにいますし、自分が想像していた以上にこの仕事は大変そうという印象です。



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ー お二人が教職を目指すようになったきっかけは何ですか?


女子学生:
高校生の時、先生という職業をとても魅力的に感じていました。今回のインターンで教育現場を知って、今、課題を大きく感じているんですけれど...。


金井先生:
ちなみに、彼女は生まれが久留米で、自分の出身校にインターンとして行ったんですよね。


女子学生:
そうなんです。ただ、私が中学生として通っていた時とかなり雰囲気が変わっていました。大人しい子が多い中学校だったのですが、今は活発な子が多くて、思い出の母校のイメージと噛み合いませんでした。もしかしたら、その戸惑いもあったのかもしれません。


ー教職を目指す道に迷いが出ましたか?


女子学生:
そうですね...迷いは出ましたが、もし教師じゃなかったとしても、地域に貢献できる仕事には就きたいなと思っています。この町は歴史があって、とても魅力ある町なので。



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男子学生:
僕のきっかけは、中学生の時の数学の先生が、ユーモアがあってとてもいい先生だったんです。「どうしたらこのような授業をすることができるんだろう?」と思いました。
僕は中学校と高校、どちらの教員免許も取りたいと思ってはいますが、目指すところは昔お世話になった先生と同じく「中学校の数学の先生」です。


ーそれぞれのリアルな感想が聞けて大変興味深かったです。ありがとうございました。




地域に広がるインターンシップ制度



ー インターンシップ制度では、学生は現場でどのようなサポートをしていますか?


金井先生:
インターンシップ先の学校や担当の先生によってさまざまです。宿題の採点から運動会など行事のサポート、掃除まで。一部の学生はクラブ活動のサポートにも入っています。


ー 今回のインターンシップ制度への反応はどうですか?


金井先生:
教育現場の先生方からは、外部の人が学校に来ると生徒たちにピリッとした緊張感が生まれて刺激になるらしく、それがとても良かったと言っていただけました。先生方のサポートにつくことで、教育現場の助けになっていたのかなと思う一方、学生側からは「予想以上に大変だった」といった反響が大きかったですね。他には、特に今回小学生と先生として関わったことで、小学校の教職に興味を持った学生もいました。


ー 学生が早い段階から進路を深く考えるきっかけになっていますね。
  OBの方の反応はどうでしょうか?ご意見があれば、お聞きしたいです。


金井先生:
昨年本学を卒業し、久留米市内の中学校で教職を務める熊家 蓮先生にご意見を伺いました。
彼はもともと地元の久留米で教職に就くことを希望していて、その夢を叶えています。実際に教職に就いてみて、生徒指導の難しさを痛感しながらも、勉強を教えることにやりがいを感じていると言います。


今回の新しい取り組みであるインターン制度については、「教育実習前に現場を知ることができる機会はあった方がいいと思うので、いい制度だと思う」と前向きな反応をいただきました。


こういったOBの先生方や、学校側や現役の学生達からもいろいろな反響をいただいていますので、みなさんの意見を聞きながら、制度の内容や期間についても都度アップデートしていきたいと思っています。



教職雇用は狭き門。採用状況は?



ー 一般的に、教職は採用が少なく就職は狭き門だと言われているそうですね。
  教員免許を取得して、実際に先生になる学生はどのくらいいますか?


金井先生:
今年度、教員志望の4年生は26名で、この内10名が教員採用試験に現役合格しました。これまで本学では、講師採用(非正規)された方が何年か現場で経験を積んで、教員採用試験に合格して正規採用される卒業生が多かったのですが、今年度は現役合格が多かったです。


このインターンシップ制度は久留米市教育委員会および広川町教育委員会との提携で行っています。久留米市内の中学校は17校、小学校は44校あり、今回は20校ほどからインターン生の受け入れに手を上げていただきました。他にも八女郡広川町でもインターン生の受け入れが始まり、この取り組みが地域に歓迎され、広がりをみせてくれていることをうれしく思います。



ー 金井先生ありがとうございました。


教育実習とは違う「インターンシップ制度」の詳細と、現役の学生たちやOBの方の体験談を聞くことができて、非常に興味深かったです。

学生たちからは教職へのモチベーションが向上するとの意見もある一方で、理想と違った部分に戸惑いを感じたという声もありました。しかし、早い段階から「理想と違う部分がある」という心構えができていると、そのギャップを縮めるための行動を模索できますし、就職後のミスマッチを減らせるといった点から、学生たちにとってとてもメリットがある取り組みなのではと感じました。


また、受け入れ側の学校にとっても、先生方の負担削減になることはもちろん、「地域が応援してくれている。見守ってくれている。」という安心感や心強さに繋がるのではないかと思います。
この取り組みが、地域の学校にとっても学生たちにとっても、どんどんプラスになる形にアップデートされていくことを楽しみにしています!



取材ライター:小林 祐子

株式会社サンカクキカク デザイナー・ライター

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