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トリノ五輪・日本代表選手に学ぶ「大学生のためのキャリアデザイン」講義

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2022.07.08

トリノ五輪・日本代表選手に学ぶ「大学生のためのキャリアデザイン」講義

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スノーボード(ハーフパイプ)日本代表としてトリノオリンピックで活躍し、現在はコーチ、スポーツ工学の研究者としてスポーツ業界を支える伏見知何子さん。

2022年6月30日(木)、そんな伏見さんを久留米工業大学にお招きし、大学生が将来設計をする際に知っておきたい「キャリアデザイン」の考え方について講義をいただきました。

講義は二部構成で行われ、前半では「夢を叶えるためのメンタルトレーニング」をテーマに、夢の見つけ方、大きな夢への近付き方、逆境の受け止め方、夢を掴むまでのメンタルトレーニング法など、自身がアスリートとしての夢を叶えるために実践した具体的な手段を例に解説をいただきました。

後半では「セカンドキャリア」をテーマに、多くのアスリートが苦悩する現役引退後の人生に触れながら、目標を見失わないためのセカンドキャリアの作り方について解説いただきました。

今回の講義は、スポーツ業界やアスリートとして活躍を目指す学生はもちろん、これから社会に出る学生が将来設計をするうえで押さえておきたいポイントがぎっしり詰まった必見の講義となりました。

<TOPIC>

・自分には夢や目標がないと思っている人へ

・「自己実現力」の育て方

・学生が社会に出るまでに考えておいてほしいこと

・講義を終えて 担当教員と伏見さんにインタビュー



自分には夢や目標がないと思っている人へ

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自らの将来設計をするうえでまず大切なことは、夢や目標を主体的に探すことだと伏見さんは考えています。そして、その夢や目標を見つけるヒントは自らのキャリアの中にあるのだそうです。

まず「キャリア」と聞くと、就職や仕事、出世など、大人になってからの生き方をイメージされる方も多いかもしれませんね。しかし伏見さんは、「キャリアとは、生まれてきてから経験する全てのこと」だといいます。つまり、私たちのキャリアは生まれた瞬間から始まっているということです。

では、私たちは自らのキャリアの中から、どのように夢や目標を見つけることができるのでしょうか?


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伏見さんは学生たちに、「あなたのこれまでのキャリア―学校生活や部活、バイト、趣味...なんでも構いません―の中で、好きで続けてきたことや、ワクワクしてきたこと、やり残したことは何ですか?」と問いかけました。

夢や目標とは、誰かに教えてもらうものではなく、自分のこれまでのキャリアの中で感じてきた「好き」や「ワクワク」の中にあるのだといいます。伏見さんにとって、それは21歳の頃に出会ったスノーボードでした。



「自己実現力」の育て方

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アスリートを目指す前は「学校の先生になりたい」という思いで、大学では教員免許の取得に励んでいた伏見さん。しかし大学在学中、21歳というアスリートとしては決して早くはないタイミングでスノーボードに出会い、オリンピック日本代表にまで上り詰めました。

オリンピック出場の夢を叶えるために、どのようなことを実践したのでしょうか。

講義の中では、
・夢を決めたら、腹を括る!(叶える決意をする)
・目標に期限をつける
・大きな夢のイメージを作り、周りの人に公言する
・大きな夢へ近づくために、毎日達成する小さい目標を立てる
・日記をつけ、自分の問題点や改善点を可視化する

など、自身の経験に基づいた将来設計の作り方について解説をいただきました。

もちろん、夢を追う途中で乗り越えなければならない壁や予想外の困難、逆境にぶつかることもあるでしょう。伏見さんも決して例外ではなく、奨学金をはじめとする金銭面の問題や親の理解、大会での失敗や後悔、引退後の進路など、さまざまな壁や困難があったといいます。

講義では、そんな逆境を乗り越えるために伏見さんがどのようなメンタルトレーニングを行ったのか?周りにどんな協力をお願いしたのか?また、プレッシャーとの向き合い方などにも触れられました。


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引退後のセカンドキャリアでは、スノーボードのコーチになる決意をした伏見さん。

先生になりたいという、大学生の時「やり残していたこと」が、将来設計の基になっています。

また、コーチとして生徒たちに感覚的に教えるのではなく、理論に基づいた指導がしたいとの思いからスポーツ工学の研究に励むようになりました。



学生が社会に出るまでに考えておいてほしいこと

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「厳しい試練に耐えられるのは、それが自分の好きなことで、目指すべき目標があったからだ」といいます。

・自分は何が好きで、何にワクワクするのか?
・自分に何ができるのか?
・どんなことにやりがいを感じるのか?
・働く上で、自分は何を大切に思っているのか?
・これからどんな人生を歩みたいのか?

自分の心に深く問いかけ、湧き上がってきた「好き」や「ワクワク」の気持ちに素直でいることが、夢や目標を持つ上での重要なポイントです。最後に、伏見さんは学生たちへ「自己実現力=自分がやりたいことを自分で見つけて、実行する力」だと伝えました。

将来設計をするにあたって、いろんな人の意見を聞いたり、流れに身を任せた方が楽だと思うこともあるでしょう。しかし他人が書いた自己啓発本や成功本を安易に飲み込まず、自分のこれまでのキャリアから、夢や目標を主体的に探すことをぜひみなさんにもしていただきたいなと思います。



講義を終えて 廣瀬先生と伏見さんにインタビュー

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なぜ、今回の企画を?

廣瀬先生:久留米工業大学にはスポーツ特待制度があり、将来アスリートを目指している学生も少なくありません。しかし、アスリートは一生できる仕事ではなく、オリンピックに出場したプロでも引退後にセカンドキャリアを積んでいくことは難しいと言われています。

アスリートの引退後の仕事や生活まで考えたことがありませんでした。

廣瀬先生:なかなか表に出ることはないですよね。

私たちはスポーツ業界やアスリートを目指す生徒たちに引退後のキャリアにも目を向けてほしいと思っています。そこで今回、伏見さんにお声がけをして、大学生向けに将来設計の講義をしていただけることになりました。

久留米工業大学では今回のように外部講師をお招きした講義を度々しているのですか?

廣瀬先生:今回の「将来設計」のテーマもそうですが、私たち教員の話よりも、外部の方の講義だからこそ説得力があり学生に響く話もあります。伏見さんのような方からお話を聞ける機会もなかなかないですから。こういった機会を積極的に学生たちに提供できたら良いなと思います。

今回の講義が学生たちの将来設計のヒントになれば幸いです。

―なかなか表に出ることはないアスリートのセカンドキャリアについて講義をいただけたことは、これからスポーツ業界やアスリートを目指す生徒たちにとって大変貴重な機会だったと思います。

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伏見さんは、なぜ今回大学生向けの講義をお受けになりましたか?

伏見さん:中・高校生とは違い、きっと大学生の多くは次第に親の庇護を離れ、バイトで自らお金を稼いだり、自分で意志決定をする場面が増え、成人としても社会的責任や自立を強く意識する年齢だと思います。将来、自分の足で立つことを強く意識しだす今だからこそ、「将来設計」をテーマにお話できればと思いました。

私自身、スノーボード選手になる夢を決意したのが大学生の時でしたから、同世代の学生たちに共感してもらえる内容になっていたらうれしいです。

―今回の講義では、現実的な将来設計が人生の道標となって、学生たちの将来や生き方をより豊かにしてくれるということを確信させてくれました。

夢を叶え続けるためのノウハウをたっぷりお聞きすることができて、大学生はもちろん、セカンドキャリアを考えている社会人にもぜひ参考にしていただきたい内容だと思います。

廣瀬先生、伏見さん、本日はたいへん貴重な講義を本当にありがとうございました!



取材ライター:小林 祐子

株式会社サンカクキカク デザイナー / ライター

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