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【研究成果】「強磁性ホイスラー合金Ni2MnGaの圧力誘起構造相転移の発見と構造解析」が科学雑誌 Physical Review Bに掲載されました

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2024.01.18

【研究成果】「強磁性ホイスラー合金Ni2MnGaの圧力誘起構造相転移の発見と構造解析」が科学雑誌 Physical Review Bに掲載されました

 本学共通教育科の江藤徹二郎教授が参画するチームで研究された「強磁性ホイスラー合金(※1)Ni2MnGaの圧力誘起構造相転移の発見と構造解析」の研究成果が、米国の物理学の専門誌として最も権威のある科学雑誌 Physical Review B 202413日に掲載されました。

ホイスラー合金とは、様々な物質の組み合わせにより組成された金属で、1000種類を超える組成が報告されています。

 今回研究した強磁性体Ni2MnGaは、磁性形状記憶合金、超磁歪材料、磁気冷凍材料などの新機能材料として注目されているホイスラー合金です。研究では、大型シンクロトロン放射施設(略称:SPring-8)からの高輝度X線と、超高圧力を発生できるダイヤモンドアンビルセル(略称:DAC)を利用して、Ni2MnGaの圧力誘起構造相転移を観測することに成功しました。さらにX線構造解析の結果から、高圧力下でのマルテンサイト相が単斜晶に歪んだ10周期の変調構造であること、高圧相の弾性率が第一原理計算からの予測値より約55 %大きいことを明らかにしました。これらの発見は、同ホイスラー合金系のマルテンサイト変態や磁気体積効果の機構解明、および高機能デバイスへの開発につながることが期待されます。

科学雑誌 Physical Review Bhttps://link.aps.org/doi/10.1103/PhysRevB.109.014101

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※1 ホイスラー合金はX2YZの分子式(X, YMnFeCoNiCuなどの遷移金属元素、ZAlGaInSnなどの典型元素)を持つ典型的な規則合金で、1898年にドイツの精錬所で初めて非磁性の3元素からなる強磁性体として発見されました。その約100年後の1996年には、Ni2MnGaホイスラー合金で超磁歪現象が観測され、それ以来、同合金は高速で大きな変位が期待できるアクチュエータ(※2)材料の有力な候補となり、Ni-Mn-Ga系によるアクチュエータが市販されるに至っています。磁気アクチュエータ以外にも、ホイスラー合金は磁場誘起形状記憶材料、熱電変換素子、磁気抵抗メモリーのような磁気センサー、磁気熱量材料、スピントロニクス材料などの機能材料の有力な候補として注目され、現在も多くの研究成果が報告されています。

※2 エネルギーを何らかの動作に変換する装置のことです。

電気、空気圧、油圧、磁力、熱などのさまざまなエネルギーを取り込み、動いたり、制御したりします。

発信:共通教育科

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