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【地域社会×AI活用】40名の学生たちが「AI」で地域課題を解決に導く!

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2022.08.24

【地域社会×AI活用】40名の学生たちが「AI」で地域課題を解決に導く!

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久留米工業大学の「地域課題解決型 AI教育プログラム」では、主に久留米・筑後地方の企業・自治体の方々が抱えている地域課題に着目し、AIを用いた課題解決型学習(PBL)に注力した教育を実践しています。

2022年8月10日(水) 、「AI活用演習(選抜クラス)」を受講した40名の学生たち(5学科の2年生)による地域課題解決型PBL研究成果報告会が開かれました。

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<TOPIC>

・40名の2年生が「AI活用」で地域課題を解決に導く!

・なぜ社会で「AI/IT人材」が求められているのか?

・全国の大学でAIリテラシー教育を開始―AI時代に対応した人材とは?

・未来を創るのはAIではなく、私たち自身!

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40名の2年生が「AI活用」で地域課題を解決に導く!

「地域課題解決型 AI 教育プログラム」では、全学必修のAI教育において特に優秀な成績を修めた40名の学生たちが4人1組の学科混成チームを組み、地域社会が抱える課題に AI を用いてアプローチします。

研究成果報告会の題目は以下の通りです。

・ひろかわまち再発見 〜スタンプラリーアプリの開発〜
・AIテクノロジーを利用した建設現場におけるリスクが高いジョブの監視
・対話型自動運転車椅子の学内運用 〜新たな機能の追加〜
・AIを用いたRCコンクリートのひび割れ分類及び検出システム開発
・機械学習を用いたメンタルヘルス異常検知
・骨格認識を用いた障碍児の教育支援 〜学習者に寄り添った声かけの実現〜
・いちごの仕分け作業でのAI活用
・AI×美容室 もう迷わない理想の髪型
・オープンデータを活用した八女茶の味の予測
・キュウリ育成支援アプリの開発



ひろかわまち再発見 〜スタンプラリーアプリの開発〜

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【課題】広川町教育委員会主催のスタンプラリーにおいて、新型コロナウイルスの影響により一斉実施が困難になってしまった。人手不足でもあり、スタンプ台の設置や参加状況のフィードバックも困難である

【解決策】「ひろかわまちスタンプラリーアプリ」を開発し、AIの画像判定でスタンプを付与する機能や、アプリ利用時のログデータを一括集積する機能などを実現した。アプリの導入により、アナログ作業の負担削減、データ収集の効率化などが期待できる。



AIテクノロジーを利用した建設現場におけるリスクが高いジョブの監視

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【課題】建設現場での労働災害を減少させたい。特に脚立事故件数は2011年〜2015年の5年間で162件にのぼり、その半数近くにおいて、重篤な被害が発生している。

【解決策】脚立は建設現場で最も一般的に使用されている道具であることから、慣れや気の緩みから潜在的な危険性を忘れてしまいがちである。このヒューマンエラーを事故発生の一因と捉え、作業時の装備や動作を監視する「作業監視システム」を考案。物体認識による作業員の服装チェックや、骨格認識で作業員の危険動作の推定を試みた



対話型自動運転車椅子の学内運用 〜新たな機能の追加〜

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【課題】大学での対話型自動運転車椅子の普及について検討。混雑した環境での車椅子移動は困難なため、学内食堂を利用する際、事前に混雑状況が把握できるシステムが欲しい。

【解決策】食堂内にカメラを設置し、AIによる物体検出プログラムを用いて、リアルタイムで食堂の混雑状況を確認できるシステムを提案。また、取得した混雑状況の情報を共有できるアプリを開発したことで、車椅子利用者が混雑状況を把握しやすい環境を用意した



AIを用いたRCコンクリートのひび割れ分類及び検出システム開発

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【課題】災害の多い日本では、建物の被災度区分判定の迅速化が課題。しかしコンクリート内部の劣化状況を表面的な視覚状況から判断することは困難で、長年の経験と専門知識が必要である。

【解決策】画像処理によるひび割れ検出とひびの有無による画像分類を試みた。実際に加圧によるコンクリートのひび割れ実験を行い、ひび割れ画像や加力データを収集した。今後は学習データを増加し、モデルの精度向上、明確なひび割れ検出を目指す。



機械学習を用いたメンタルヘルス異常検知

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【課題】うつ病など、自覚した時には深刻化しているメンタルヘルス異常の早期発見が課題。

【解決策】カウンセリングサイトやSNSから、メンタルヘルス異常がある人と健康な人のコメントパターンを抽出し、利用者が日常的に使う言葉の傾向からメンタルヘルス異常を検知するシステムを開発。機械学習の手法や単語の分割法を調整することで、識別精度を大きく向上させることに成功した。



骨格認識を用いた障碍児の教育支援 〜学習者に寄り添った声かけの実現〜

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【課題】これまで知的障碍者の自律的学習支援では、補助者が学習者に寄り添い声かけなどのサポートが行われていたが、コロナ禍により対面での指導が困難になってしまった。

【解決策】3DCGキャラクターのAIメンターを考案。AIの骨格認識技術を用いて学習者の表情や骨格の動きを認識し、学習者の状況に合った声かけを行うAIメンターの実装に取り組んだ。



いちごの仕分け作業でのAI活用

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【課題】いちごの収穫の時期は大量の仕分けとパック詰め作業に多くの人手を要するが、期間限定のため、安定して人手を確保することが困難である。

【解決策】画像処理AIによるいちごのランク判別システムを考案。仕分け作業をAIが担うことで、パック詰め作業に専念できるようになる。また、収穫したいちごを詰んだコンテナに農家別のQRコードを貼り付けることで、収穫したいちごと農家の情報の紐付けを行う。



AI×美容室 もう迷わない理想の髪型

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【課題】利用者が一度は経験する「自分に似合う髪型がわからない」という悩みを解決したい。

【解決策】利用者に似合う髪型を提案できるシステムを考案通常のAI活用演習では学ばないStyleGAN(画像生成技術)について学び、美容室のカタログにありそうなヘアスタイル画像を生成できた。



オープンデータを活用した八女茶の味の予測

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【課題】その年の気象環境によって変化する茶葉の味を事前予測し、農家及び八女茶販売者の対応に役立てたい。

【解決策】八女茶の味を味センサ装置によって測定し、旨味や酸味などを味データとして数値化。その年の産地の降水量や平均気温などの気象データと八女茶の味データを用いた機械学習を行うことにより、気象データから八女茶の味を予測するシステムを提案した。



キュウリ支援アプリの開発

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【課題】家庭菜園など、農業初心者の作物育成の失敗を減らしたい。

【解決策】キュウリ育成に役立つSNSアプリを開発。作物の写真からAIが病気の有無、病名を特定する機能を実現。また、育成者同士が交流することでやる気を維持できるSNS機能も盛り込んだ。天気や降水量のデータから育成アドバイスを行う機能についても検討した


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報告会には地元企業の方々や本学の教職員が多数参加し、学生たちの発表を聴講しました。

また、オンラインでの同時中継も行われ、学生たちの研究成果報告に対して、質問や感想、意見が寄せられるなど、学内外から大きな関心を集めました。



なぜ社会で「AI/IT人材」が求められているのか?

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令和4年度成果報告会の10テーマの取組からもわかるように、AIは、建設業、農業、教育、ビジネス、メンタルヘルス、介護など様々な分野で広く活用されています。AIは、知らず知らずのうちに私たちの生活の中に浸透してきており、現代社会では、ICTやAIの活用能力は全ての人に必要不可欠なスキルになっています。AIを使いこなし、ビジネスに活用できるAI人材の育成も急務です。

※参考:経済産業省「AI人材育成の取組」https://www.meti.go.jp/shingikai/economy/jinzai_ikusei/pdf/001_03_00.pdf



全国の大学でAIリテラシー教育を開始―AI時代に対応した人材とは?

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このような背景から、内閣府は「AI戦略2019」を策定。

2025年までに「文理を問わず全ての大学・高専生が数理・データサイエンス・AIの初級レベルの能力を習得すること」、さらに、「大学・高専生が自らの専門分野へのAIの応用基礎力を習得すること」を人材育成目標に掲げています。そこで近年、多くの大学AI時代に対応した人材育成のための教育を導入・検討し始めています。

久留米工業大学では、令和2年度から全学的AI教育プログラムを開始し、今年で3年目になりました。本学の数理・データサイエンス・AI教育プログラムは、地域連携課題解決型であることが特徴です。地域企業の抱える課題をヒアリングしAIで解決できそうな課題をPBLのテーマとして選択。企業との協働による実データを用いた実践的教育を実現しています。

本学では、全学生が1年次に「AI概論」でAIリテラシーを、2年次に「AI活用演習」でAI応用基礎力を修得します。その後、「AI活用演習(地域課題解決型PBL)」や「インターンシップ」「ものづくり実践プロジェクト」などの地域と連携した社会実装プロジェクトを通して、段階的にステップアップしながらAI・数理データサイエンスの応用技術を学び続けるカリキュラムになっています。

従って、AI活用演習選抜クラスのPBL活動を通して、本学ディプロマ・ポリシー()に基づく知識・技能、思考力・判断力・表現力、発信力を主体的・複合的に身に付けることができます。

※久留米工業大学 ディプロマ・ポリシー(卒業認定・学位授与の方針) https://www.kurume-it.ac.jp/daigaku/gaiyo_policy.html




未来を創るのはAIではなく、私たち自身!

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本学のAI教育プログラムは、文部科学省「数理・データサイエンス・AI教育プログラム認定制度(リテラシープラス)MDASH Literacy+」(有効期限:令和8年3月31日)に選定されており、AI技術による地域貢献にも力を入れています。

「AIを活用した課題解決がしてみたい」

「地域社会に貢献したい」

など、実社会でのAI活用、AI実践力の習得に興味がある方は、ぜひ本学で地域課題解決PBLに取り組んでみませんか?

AIは大な可能性を秘めた技術。

高い志を持つ仲間たちと切磋琢磨し、課題解決のプロセスを楽しみながら、AIがもたらす新しい未来を自らの手で創っていきませんか



取材ライター:小林 祐子

株式会社サンカクキカク デザイナー / ライター

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