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2004.03.23

第26回学位記・修了証書授与式

去る3月19日本学体育館で、第26回学位記・修了証書授与式(卒業式)を執り行いました。
?松学長から工学部卒業生392名に学位記を、大学院工学研究科修士課程修了者15名および別科自動車工業専修修了者47名に修了証書、また、学業優秀者、学友会行事功労者、スポーツ活動優秀者に対して学長賞が授与されました。
今回はじめて「久留米工業大学附属高等学校ブラスバンド部」の演奏もあり華やかなものとなりました。

卒業生諸君、人間味豊かな産業人として翔け!



【学長告辞】

 本日ここに、ご来賓各位並びに保護者の皆様のご臨席のもと、久留米工業大学第26回学位記・修了証書授与式を執り行い、392名の学部卒業者、15名の大学院修士課程修了者、並びに47名の別科修了者をそれぞれの道に送り出すことが出来ますことは、本学教職員一同の心から喜びとするところであります。
 また、ご多忙の中をご来臨戴き、卒業者修了者達の門出をご祝福、ご激励賜りましたご来賓の皆様方に厚く御礼を申し上げますとともに、ご臨席の保護者の皆様に衷心よりお慶びを申し上げます。

 さて、卒業生、修了生の皆さんには、まずは本学を代表して心から『おめでとう』と申し上げます。皆さん方の多くは、明日から、これまで、それぞれが社会生活の中で育んで来られた人間力と、学校教育で身につけて来られた人間力と、学校教育で身につけて来られた専門的知識を活かして、実社会において一人一人の人生を歩んでゆくことになりますが、その門出に当たって、ひとこと贐の言葉を贈りたいと存じます。
 言うまでもなく、おおかたの皆さんにとって、卒業ということは小学校以来幾度も経験して来られた事柄ではあっても、今日のこの式は、学生という身分に決別して、社会に出てゆくという意味において、特別の思いがしておられることと思いますし、私ども送り出す側にとっても、同じ思いを持っております。
 そのようなことから、私は毎年この年を迎えるたびに、教員と言うよりも一人の社会人として、また人生の先輩として、その時々に皆さんにこうあって欲しい、こう生きて欲しいと思ったさまざまな事柄についての私の願いと思いをお話して参りました。
 そして、今日はその総まとめとして、今までの話を含めて、私がいま、いちばん皆さんに話しておきたいと思う三つの事柄について話させて戴くことにしたいと思います。

 まず、その第一ですが、本来、技術あるいは技術開発というものの究極の目的は、人類社会の発展に貢献することであって、もしそれが富を生むことがあったとしても、それは副次的な効果の中の一つであるという基本理念を技術者は持っていなければならないということです。このことを象徴する実例として、世界のホンダの創業者である本田宗一郎氏は、CVCCエンジンの開発に世界に先駆けて成功したとき、この技術で世界の技術競争に勝てるという思いが、まっ先に頭に浮かんだそうです。でも、そのあとで開発に携わった若い技術者達が、自分達はこのエンジンを世界の人々のために作ったのだという言葉を聞いて、自分がいつの間にか会社人間になっていたことを悟り、若い人達に会社をまかせようと考えて社長の座を降りられたという話を例に引いて、技術者の持つべき哲学と行動規範について、平成13年度にお話しを致しました。
 つぎにその二ですが、平成14年には、学校での成績は、教えられたことを理解し吸収するという受け身の認識能力の指標であって、皆さんを待っている世界で求められる、未知の事柄について自分で考えて道を切り拓いてゆく能動的認識能力とはまったく違う世界である。だから、学校の成績が良かったからというは通用せず、逆に悪かったからといって、いい仕事が出来ないということはなく、全員がいま同じスタートラインにあるのだということを、ノーベル賞受賞者である小柴昌俊教授の話を引用して申しました。
 最後の三番目は、今年新たに加えておきたいこととして、世の中は常に変わってゆく、従って、それに対する対応の努力を怠ると、個人であれ、企業であれ、国であれ、衰退への道を進むということです。米国のある調査会社がまとめたデータによると、『衰退してゆく企業』に共通する社風の第1位は「ごう慢」、第2位は「自己満足」、そして第3位「社内調整が多く決断出来ない」、第4位「改革の摩擦を恐れる」となっているそうです。
「企業にとって最も重要なのは変身力だ」というキャノンの御手洗冨士夫社長の言葉を、今後皆さんが属する組織のあり方の中で、忘れてはならない言葉として心に留めておいて下さい。

 最後に、巣立ってゆかれる皆さんが、いま世界で起きているテロをはじめとするいさかいの根源に、各国間の宗教や社会観の違い、さらには貧富の格差と過去の不幸な歴史があることをよく認識し、短絡的に判断することなく、人類の共生に向けて一歩づつ着実に前進する柔軟さを持って、世界平和の構築に貢献して下さることを心から願って、贐の言葉とさせて戴きます。

久留米工業大学学長 髙松 康生平成16年3月19日

久留米工業大学学長
髙松 康生

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