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第27回学位記・修了証書授与式

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2005.03.22

第27回学位記・修了証書授与式

去る3月18日本学体育館で、平成16年度学位記・修了証書授与式(卒業式)を執り行いました。

根本学長から工学部卒業生334名、大学院工学研究科修士課程修了者7名に学位記を、別科自動車工業専修修了者57名に修了証書、また、学業優秀者、学友会行事功労者、スポーツ活動優秀者に対して学長賞が授与されました。

今年も「久留米工業大学附属高等学校(4月より「祐誠高等学校」)ブラスバンド部」の演奏が華を添えてくれました。

卒業生諸君、人間味豊かな産業人として翔け!



【学長告辞】

 このさわやかな春の良き日、多数のご来賓ならびに保護者の皆様をお迎えして、久留米工業大学第27回学位記・修了証書授与式を執り行い、学部卒業生334名、別科57名、大学院工学研究科7名、合わせて398名の卒業生・修了生を送り出すことができますことは、本学にとってまことに大きな慶びであります。

 今日、はれて門出の日を迎えた皆さん、おめでとうございます。また同時に、皆さんの勉学や成長を今日まで見守り、その中で本学の教育にご理解とご支援をいただいた保護者の皆さまに心からお祝いと御礼を申し上げます。

 さて、本学は「知・情・意」のバランスのとれた技術者の育成、すなわち「知」を磨き、「情」をはぐくみ、「意」を鍛えることを教育理念としています。では、ここで第一に挙げられている「知」とは何でしょうか。「知」が「知識」であるとすれば、それは自分の専門に関する基礎知識であり専門知識であり、わが国や外国の文化・文明、歴史に関する知識などいろいろあります。もちろんこれらは、皆さんがこれから生きていく上で大切なものであり、皆さんの人生を豊かにします。しかし、このような「知識」の中には、いくら詰め込んでも、試験が終わると同時に忘れてしまうか、すぐには忘れなくても時と共に忘れ去ってしまうか、あるいは時代遅れになってしまう知識が多いのです。それにもかかわらず、本学で過ごした年月は、皆さんの人生にたいへん大きな影響を与えるに違いありません。大学教育とは単に知識を詰め込むだけのものでも、大学卒としての肩書きを残すだけのものでもありません。

 「知」で最も大切なのは、実は「知識」ではなく、「大学で習ったことを忘れ去ってしまった後に残る何か」なのです。その何かとは、強いて表現すれば「知性」であり、では「知性」とは何かと問われれば、「知性」とは「自分を知ること」、すなわち「自分は何を知って何を知らないかを知ること」であると私は考えています。そして「どこに行ってどのようにすれば、自分の知らないことを知ることができるかを知っていること、つまり勉強の仕方を知っていること」を「知性」と言うべきでしょう。

 皆さんが本学で学んだ一番大切なこと、皆さんが身につけた最も大切なことは、皆さんが、自分の知識が足りないことを知っていること、知に対して謙虚であること、知に対してハングリーであること、そして勉強の仕方を知っていることです。

 自分の一生から見れば、学生時代はほんのわずかの時間に過ぎません。当然、大学で学んだ知識は、将来必要になる知識のほんの一部にしかすぎません。皆さんがこれから学ぶことは、いままでに学んだことよりはるかに多いのです。すべてはこれから学ぶことにかかっています。私は、皆さんが本学で学んだことにより、知識以上に大切な「知」が皆さんの中にしっかりと宿っているとを確信しています。皆さんも自信をもっていただきたいと思います。

 卒業生、修了生の皆さんのほとんどはこれから社会に飛び立って行くことになりますが、私が皆さんに望むことは、「常にベストを尽くすこと、 do my best」です。皆さんが他の人と協力して何かをしようとするとき、どのような協力者が頼りになるでしょうか。それは常にベストを尽くしてくれる人でしょう。したがって、自分が頼りに思うような人、つまり常にベストを尽くす人を自分自身の目標にしてください。

 世の中には優れた人がたくさんいます。私たちはそのような人を見ると、才能に恵まれていてうらやましい、苦労もなしに天才だ、と思いがちですが、実は、その人は、日夜たいへんな努力、人一倍の努力をしているものなのです。ただ、「たいへんな努力、人一倍の努力」というのは私たちからの見方であって、本人はあたりまえで当然のことをしているだけで、むしろそれを楽しんでいると思われることさえあります。ですから表面的には努力や苦労などしているようには見えません。

 「努力」という言葉を改めて辞書で見ると、「骨を折ること」、「目標の実現に向けて心身を労してつとめること」とあり、いやなことでも自分に強制するというような古く堅苦しい雰囲気がありますが、そのような意識なしに努力を日常化してしまうこと、努力を楽しむことこそが常にベストを尽くすことであり、優れた人の生き方でもあります。このような人の生き方を私たちは見習いたいものです。

 みなさんは今、人生の転機にありますが、世の中も大きな転換期にあります。皆さんが入学して以来の世界の出来事を見ても、2001年9月のニューヨーク同時多発テロ、それに続くアフガニスタン侵攻、2003年3月のイラク開戦など文明の衝突、価値観の衝突ともいえる紛争や事件が次々と起こっています。想像を絶する自然災害も連続しています。地球温暖化など環境問題、エネルギー問題も深刻化しています。これらの多くの問題を解決して明るい未来を切り開くことが若い皆さんには期待されています。

 今日、飛び立っていく皆さんの道は決して平坦とはいえません。そのような中で、皆さんは、これまでに本学で身につけた「知」をいっそう磨き、「努力」を楽しんで、充実した人生を歩んでいただきたいと思います。

 また、本学で培った先生方や友達との絆、多くの人との出会いが皆さんの財産となり、また一生の思い出となれば、私ども教職員にとってこの上ない喜びであります。終わりに、皆さん一人ひとりが、各々の分野で活躍し、健康に恵まれ、幸せな人生を歩んでくれることを心から願って告辞といたします。

久留米工業大学学長 根 本 實平成17年3月18日

久留米工業大学学長
根 本 實

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