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2005.04.07

新入生を迎えて(平成17年度入学式)

 去る4月7日(木)桜花春風に舞うなか平成17年度入学式を挙行した。
本年度の新入生総勢374名は、根本学長の告辞を受け、情報ネットワーク工学科の植野真美子さんが新入生総代で宣誓を行い、本学学生として意を新たに大学生活のスタートをきった。

【学長告辞】

春たけなわの今日、多数のご来賓ならびに保護者の皆様のご臨席をいただき、平成17年度久留米工業大学入学式を執り行うことができましたことは、私ども本学教職員および在学生にとりまことに大きな慶びであります。 
本学に入学したみなさん、そして大学院に進学したみなさん、おめでとうございます。また同時に、保護者の皆様に心からお祝い申し上げます。

本学の前身となる久留米工業学園短期大学が創設されたのは昭和41年、4年制の単科大学として再発足したのは昭和51年ですが、本学は創設以来、「人間味豊かな産業人の育成」を建学の精神として、「知・情・意」、すなわち知性、感性そして意志のバランスのとれた人間の育成を教育理念として、実験・実習など実践・体験を重視した教育と実学を重視した教育により、実践力のある人材を育成する大学として社会的に認められています。開学以来、本学は、常に時代に即応して教育の改善に努めてまいりましたが、さらに本年度から、学生の皆さんにとって将来の進路や目標がより見えやすく、自分の学習の方向付けがしやすくなるよう組織やカリキュラムの変更を実施し、本学の個性や特徴を一層強化しようとしています。 

私が尊敬する学者の一人に、昭和12年、第1回の文化勲章受賞者となった本多光太郎という物理学者で金属の研究者がいます。愛知県の農家の生まれで、向学心が強く、大学に進学して物理学を学び、鉄の研究と世界最高性能の磁石の開発でノーベル賞候補にもなりました。その朴訥で純粋な性格、研究への集中ぶりには数多くのエピソードが残っており、伝記の著者・石川悌二郎は「限り知られた人間の能力でも、焦点を絞って一つのことに集中すれば実に大きな仕事ができる。そこでは秀才も鈍才も、俊足も鈍足も大差ないのではないかと思われる。肝心なことは、彼がもてる能力の何割かを集中し、また、それを何年間集中できるか、という問題である」と説き、文化勲章の受章者、ノーベル賞候補となった人物でさえ秀才や俊才ではなく、ただ努力の人であると強調しています。すでに古典的となった人を例としてあげましたが、努力の大切さは時代によらず変わらないものであり、また、現代の高度科学技術社会の基礎をつくった先人の努力には謙虚に敬意を表しなければなりません。その本多光太郎がよく色紙に書いたのは「今が大切」という言葉です。 

みなさんはこれから人生にとって二度とない時間をこの大学で過ごすことになりますが、「今を大切」に、まず、自分の選んだ専門に集中して、自分の一生の基礎・基盤を作り上げてください。人生でも仕事でも、結局はそのときそのときの「今」の積み重ねの結果でしかありません。今を大切にしなければ明るい未来は開けようがありません。勉強でも、人とのつきあいでも、今を大切にすることによって、充実した人生が築かれます。 

21世紀に入ってすでに5年を経過しましたが、現在のわが国の状況をみると、先人達の努力の積み重ねのおかげで便利さと物質的な豊かさを手に入れながら、生活や社会全般において豊かさを実感しにくく、価値観が揺らぎ、あるいは失われ、個人も社会も自信や将来展望を持ちにくい状況に陥っています。このため、学ぶこと、努力することの目的意識が見失われ、まじめに勉強したり努力することを軽んじる傾向が出てきています。 このようなとき、私たちに問われているのは価値観の再構築です。経済的な豊かさに価値を求めた20世紀から、心の豊かさの価値への転換が必要です。科学技術もまたその価値や役割を問い直される時であり、あたらしい価値観の下で、新しい科学技術が生み出されてこそ、明るい21世紀が切り拓かれるに違いありません。皆さんは、自分にとって何が大切か、自分はどのようなときに喜びを感じるか、満足するか、自分を偽らず冷静に分析し、自分の価値観を構築し、自分の大切と思うもの、そのために本気で努力し、学び、働いてください。それがあなた自身の人生を豊かにする道であり、社会に貢献することになるに違いありません。 

皆さんのこれからの本学における一日一日が楽しく充実した日々であることを期待すると同時に、その充実した日々は皆さん一人ひとりの意識と姿勢にかかっていることを強調したいと思います。 終わりに、ご列席の保護者の皆様方に、私ども教職員は新入生の皆さんの教育にできる限りの力をつくす覚悟であることをお約束するとともに、教育に万全を期するためにご家庭と学校の緊密な連携、大学への積極的なご支援をお願い申し上げます。 重ねて新入生の皆さんの入学を祝うと共に、本学において新入生の皆さんが、「知」を磨き、「情」を蓄え、「意」を鍛え、本学の建学の精神である「人間性豊かな産業人」を目指すことを願って、告辞といたします。

久留米工業大学学長 根 本 實平成17年4月7日

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