IT業界を目指すなら就活前に資格を取っておいた方がいいの?
IT関係の資格を学生時代に取るならどの資格がいいの?と悩みますよね。
そこで、今回は実際にIT業界でシステムエンジニア及びセールスエンジニアの経験者が、「就職活動で有利になるIT業界の3つの資格」をご紹介いたします。
目次
IT業界では資格は重要なの?
IT業界では資格が重要かどうかは会社やエンジニア、就職希望者の状況次第のケースバイケースと言えます。
「IT業界で仕事を貰うなら資格なんかより実績や制作物だよ」という人も多数いますし、「就活の際に基本情報技術者の資格を取得していたおかげでいい企業に入れた!」という経験談も多くあります。
この意見の違いはそれぞれの状況や、志望する企業の採用方針によるためどちらも正しいのです。
企業からすると、フリーエンジニアや転職希望者なら資格よりも過去に関わったプロジェクトや役職の方が信頼できますし、新卒者なら資格や学生時代に自分で作ったプログラムでITへの適性を見たいと考えます。
また、大企業は仕事が細分化され、社内独自のルールも多いことから資格所有者を欲しがるケースが多く、ベンチャー企業は即戦力を求めるため資格よりも実績を重視するケースが多いという傾向の違いもあります。
まとめていうと、「IT業界で資格があることは評価される。ただし、資格しかない人よりも実際にモノづくりの経験(1人で家で作成したプログラムも含む)をアピールできる人を好む企業も多い。」となります。
IT業界で就職する際に有利な3つの資格
確かに資格の重要性はそれぞれのエンジニアや就職希望者の状況や企業の方針によって左右されます。ですが、これからIT業界に就職を考えている学生の場合は、取得しておけば確実にアピールポイントになると言える資格があります。
それに、資格取得の勉強はその後の実績作りのための土台になる知識も多くあるため、まず資格の勉強からスタートするという考えは決して将来一流の業界人になるための遠回りではありません。
そこで今回は就職後にどういった部署で働きたいかも考慮に入れて、主に学生の方に向けたオススメのIT資格を3つご紹介いたします。
1.ITパスポート
ITパスポートは「情報処理技術者試験」の中で最も簡単な資格です。取得に必要な勉強時間は、ITにまったく知識のない人で50~60時間。ある程度知識のある人なら20~30時間が目安です。
一日1時間資格勉強にあてられるなら、20日~60日。無理のない計画でも3か月あれば取得できると考えると、かなりハードルは低いことがわかりますね。ただしITパスポートは難易度の低い資格のため、残念ながら本格的なITエンジニアの間では高く評価されません。
ではなぜこの資格がオススメなのかというと、以下の3つの長所があるからです。
- さらに上位の資格を目指すための下準備になる
- 全般的なIT知識を問う資格なので、エンジニア以外の営業や事務志望の人には強いアピールになる
- 新卒就活生にとっては「IT音痴ではない」証明になるため、企業も入社後の成長に安心して期待できる
「これからITの勉強を始めたい」という方にはオススメの資格です。
2.基本情報処理技術者
主にプログラマー・システムエンジニアなどの開発職を対象にした資格で、ITパスポートに比べてデータ構造やアルゴリズム、ソフトウェア設計やプログラム言語など、システム開発に関する知識が問われることが特徴です。
開発職などのエンジニアを目指すなら早いうちにぜひとっておきたい定番の資格の1つで、入社後に会社から取得を義務づけられたり、取得すると報奨金が支払われたりと企業にも重要視されています。そのため、就活時に取得済みなら企業に対して大きなアピールポイントになるでしょう。
取得に必要な勉強時間は、ITパスポート取得済みの人やプログラム開発の経験がある人なら100時間程度。初心者なら150~200時間とされています。取得までの勉強時間が長いので、初心者は「まずITパスポートを取得してから挑戦!」という風に、ステップアップを重ねるかたちにすることでモチベーションを保つのもいい手です。
エンジニアとしての就職を考えている人には企業からの評価も高く、入社後に役立つ知識も多いためオススメの資格です。
3.MOS
MOSは、Word・Excel・PowerPointといったMicrosoft Office製品の操作スキルを証明できる国際資格です。一口にWordの操作と言っても、フォントや段落、書式の設定。表の作成、操作など仕事で必要とされるスキルはただPCで文章を打てるということとは大きく違ってきます。
最近ではスマホやタブレットで全てすませてしまう学生が多いため、入社後のPCスキルの教育にかかるコストに頭を悩ませている企業も多く、MOS資格を高く評価するケースが増えてきています。
MOS試験はバージョンや受験科目が細かく分かれているので簡単な学習時間の目安を出すのは難しいですが、Wordと Excel の2つのスペシャリスト資格を初心者が取得するには、おおむね80~120時間程度必要とされています。
資格勉強時間はやや多いですが、IT企業に事務や営業職での就職を考えている人には高いアピールポイントになる資格です。
3つのIT資格は、どれから目指すのがオススメ?
IT業界への就職を目指すなら、まずは「ITパスポート」から目指すのがオススメです。
その後余裕があるなら、エンジニア志望の人は「基本情報処理技術者」。事務・営業志望の人は「MOS」を取得すれば、就活時のアピールポイントになる上、入社後もいち早く即戦力になるための助けになるでしょう。
専門性の高い資格は実務で必要になってからでOK
IT資格は今回紹介した以外にも多くのものがあります。
代表的な国家資格だけでも、暗号化技術やサイバー攻撃への対策に関する資格である「情報処理安全確保支援士」、システム開発者を対象にした基本情報技術者の上位資格とも言われる「応用情報技術者」など、それぞれの専門によって細かく資格が分かれています。
その他にも大手IT企業が認定する民間資格も多数あり、やみくもに多くの資格取得を目指しても勉強時間が足りなくなってしまいます。そのため、これらの専門性の高い資格は実務上必要になってから勉強するのが一般的です。
企業側もそのあたりの事情は十分承知しているので、適正がある・希望する社員をそれぞれの部署に配置した後に、実務をこなしながら資格を取得できるように支援する制度が整っています。
まとめ
- IT業界で資格が重視されるかはケースバイケース。ただし学生は資格が評価されやすく、資格勉強からITの勉強をスタートするやり方はオススメ。
- まずは「ITパスポート」から目指そう。ハードルが低く、他の資格の下準備にもなる。事務や営業なら立派なアピールポイントにも。
- ITエンジニア志望なら、ITパスポートの次は「基本情報処理技術者」がオススメ。この資格はかなり評価される。
- 事務、営業志望者は「MOS」がオススメ。いまの学生はスマホ世代だからこそ、企業はしっかりしたPCスキルのある人材が欲しい。
- 専門性が高く高難易度の資格は、入社後に必要になってからで十分。企業側も支援体制を用意している。