基本情報技術者試験とITパスポート試験のどっちをとれば良いの?! IT企業に就職するなら必須?

情報技術・AI

IT関連の資格として、最初に選ばれることが多いのが基本情報技術者試験とITパスポートです。どちらが自分に必要なのか?イマイチよくわかりませんよね。

今回は、基本情報技術者試験とITパスポート試験の取得難易度や資格としての評価を比較したいと思います。また、IT関連企業への就職に有利になるか?をメインに、就職後のアドバンテージやIT関連以外の企業へも有効な資格かどうかも解説していきます。

基本情報技術者試験とITパスポート試験ってどんな資格?難しい?

どちらも国家資格です。IT系では取得している人がとても多い資格です。両方取らないといけない資格なのか?というとそうでもないです。どちらも取得していないのに最前線で働いている人もいます。

では、各試験がどのような特徴があり、どういった目的でどんな職種の人が取得しているのでしょうか?それぞれ簡単に説明していきます。

基本情報技術者試験はやや難しめ、SEやプログラマー志望の方向け

基本情報技術者試験は実際にシステムをつくる能力を確認するIT技術者向けの資格です。「IT技術者への登竜門」といわれています。システムエンジニア(SE)やプログラマーといったIT技術者を目指す人は、まずこの資格取得を目指すと良いです。

令和元年度の応募者数は169,170名、合格率は25.7%と低めです。「C言語やPythonといったプログラム言語で何を打ち込めばよいか?」という問題ではなく、アルゴリズムやデータの扱いなどシステム開発の基礎となる知識を問われます。

また、午前と午後で各150分の試験時間。つまり、1日で計5時間という試験時間の長い資格です。合格に必要な学習時間は、初心者で200時間程度と言われています。

試験内容だけではなく、合格率や試験時間等からも、しっかり対策をして挑む資格と言えます。

ITパスポート試験は簡単、誰にでもオススメ

ITパスポート試験は、IT系の知識が必要な仕事につく人全般に向けた資格です。この資格を持っていたら「IT技術についての基本的なところはよく知っている」と証明できる資格と言えます。

ですから、IT技術者を目指さない人以外でも、ITを活用して仕事をする人、また、それに関連した仕事(たとえばIT企業の営業や事務など)を目指す人にも有効な資格です。

試験時間は120分。平成30年度の応募者数は107,172名、合格率は51.7%と高めです。合格に必要な学習時間は、50~100時間と言われています。試験では、コンピューターに関わるマネージメントや規格、技術など、広く浅くIT全般の知識について問われます。

合格率や試験内容から見ても、基本情報技術者試験よりもハードルが低いことが分かります。

※ITパスポートについて詳しくはこちらの記事もご覧ください

就職に資格は必要?あったほうが有利?

就職全般に言えることですが、仕事に関連する資格をとっていれば、確実に加点要素にはなります。現代は一見ITとは無縁そうな会社でも、IT知識が必須の社会です。程度の差こそあれ、多くの企業で基本情報やITパスポートは評価対象になる資格と言えるでしょう。

実際にどれくらい評価をされるかは、その企業がどのレベルのIT知識を求めているかによります。

IT技術者を希望するなら基本情報技術者試験は有利

プログラマーやシステムエンジニアを志望するなら、基本情報技術者試験を持っている人は大幅な加点対象です。ITパスポートは基本情報技術者試験に比べてほとんど評価されません。

私が勤めていた大手IT企業では、新卒で入社して2年以内に基本情報技術者試験に合格することが目標として掲げられており、試験費用や学習費用なども会社が支払っていました。それくらい、この資格は重要視されていると言えます。

ですから、学生の時点で取得している就職希望者であれば、企業にとってコスト削減にもなり、さらに上の資格に早い段階で挑戦してもらえるといった大きなメリットがあります。採用される確率は大幅に上がると言えます。

IT技術者以外の就職ではITパスポート試験まででOK

IT企業であれば、事務職や営業職であっても最低限のITスキルは必須です。技術者のつくった書類を読まなければいけないことがあったり、お客さんからそれなりに技術的に込み入った質問をされたりすることも多々あるからです。

その際に完璧に対応する必要はありませんが、お客さんとどのような話をしていて、だれに任せればよいのかまでの判断ができなければいけません。「そういったことができる素養がある」証明として、ITパスポートを所持しておくことは有効です。

また、IT企業以外でも、最近ではPCスキルの習得は絶対条件です。例えば大工さんでさえPCで図面を描き、PCで申請書を作成しています。そのため、企業は採用の際に、「この人、コンピューター音痴ではないだろうな?」ということを非常に気にしています。学生の皆さんが思っている以上に、企業側には重要なポイントだと言えます。

ですから、ITパスポートを取得していれば「少なくとも私はコンピューター音痴ではありませんよ。」という証明になりますので、就職には非常に役に立つ資格です。

ITパスポートは試験内容も比較的簡単で、必要な学習時間も短いので、余裕があればすべての学生がとっておいても損はありません。

就職後にも役に立つ資格なの?

これらの資格は就活には有効なことがわかりました。では、実際に職場で役に立つのでしょうか?元大手IT企業のSEの経験からお伝えしたいと思います。

基本情報技術者試験

まずは、基本情報技術者試験について。結論から言うと、必須ではないです。

チーム内では完全な実力主義。資格があろうがなかろうが、期限内にクオリティーの高いものをつくれるか?が評価のすべてになります。実際にエンジニアとして能力が高いのに、資格はもっていないという人はたくさんいました。

ただ、最初に社内で研修を受ける際、取得している人と取得していない人では、学習の理解に差が出るのは間違いありません。エンジニアの研修は数か月~半年と長く、研修の成績は配属先の希望が認められるかにもかかわるので、勉強して取得しておくと希望の配属先に行ける可能性は高くなります。

また、先程もお伝えしましたが、企業によっては社員が基本情報技術者試験をもっている率を気にする場合もあり、就職してから取得を必須化することもあります。働きながら取得するのは大変ですので、比較的時間に余裕のある学生のうちに取っておくのも一つの手です。

ITパスポート試験

現場で、ITパスポート試験の資格が直接有利に働くということはあまりありません。しかし、資格を取得するためにシステムについて理解を深めた経験は大いに役立ちます。

今の時代、企業に就職してPCを利用しないという職種はまずないと言えます。Word、Excel、PowerPoint、googleスプレッドシート、企業内システムの操作などはどの職種でも必要です。

また、勤務時間の報告でさえ、手書きではなく社内システムで大抵行われます。その際、システムの基本を理解していることはとても有利です。

「報告をするときはこのボタンをクリックして次にこのボタンをクリックして…」と説明書を見ながら手順だけ理解して操作いる人と、「これはこういうシステムだからまずここをクリックして、今回は報告したい種類〇〇だからこっちのシステムに入って…」とシステムから理解している人では、トラブルの際に自力で対処かどうかの差があります。効率も全く違います。

余談ですが、より実践的なスキルを身に着けておきたいという人にはMOSを取得することもオススメです。MOSは、Word,Excel,PowerPointなどOfficeソフトの高度な操作ができることを証明する資格です。

ただ、こちらはITパスポートに比べて資格取得に必要な学習時間は長くなってしまうので、自分が必要かどうかはよく考えてから取り組みましょう。

まとめ

基本情報技術者試験とITパスポートの違いと必要性についてご理解いただけましたでしょうか?

  • IT技術者になりたい
    →最初から基本情報技術者試験でOK。勉強時間は200時間程度必要になるので早目の準備を。
  • IT技術者以外の職種を希望
    →ITパスポートだけでOK。勉強時間は50~100時間程度。より実践的な資格が欲しいならMOSもオススメ。

どの業種でも就活だけではなく、就職後にも知識として役に立つ資格です。学生のうちに十分取得可能な資格なので、興味のある方は是非トライしてみてくださいね。大学によっては、資格取得をカリキュラムに取り入れていたり、サポート体制があったりするところも。大学選びの指針の1つにしてみるのも手かもしれません。

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