これからの建築業界で活躍するために取得しておきたい資格とは

建築・まちづくり・エネルギー

建築業界は、専門的な知識と現場の経験が完成の質に直結する仕事が多いだけに、建築関連の資格を持っているかどうかで就職の条件が大きく変わります。資格がなければ仕事ができない国家資格も多いので、建築関連の仕事をめざしているのなら、携わりたい仕事に生かせる資格を取得したいものです。

この記事では、建築業界で活用できる資格と、取得をおすすめする理由について紹介します。

これからの建築業界で求められる人材

建築業界は成熟産業になって久しく、成長率が伸び悩んでいると言われがちですが、一方では慢性的な人材不足が続いています。熟練した技を持つ職人の減少や、建築物の大型化・設備の高度化などに伴って、より専門的な知識を持ち即戦力となる人材が求められるようになってきています。

近年の建設・建築業界では、こうした課題を解決するためにICT(Information and Communication Technology・情報通信技術)やIoT(Internet of Things・モノのインターネット)化を進める企業が増えています。

たとえば、ドローンを活用して施工中の建築物の進捗状況を上空から確認する、AI技術による画像解析機器を活用して建築物の構造内の劣化を画像診断する、営業や販売の段階で完成後のイメージを仮想現実空間で体験できるVR技術を活用するなど、最先端の技術を導入した商品開発や事業展開が積極的に進められています。

こうした動きは、単純作業や精度を求められる作業は機械や通信技術に任せ、人はよりクリエイティブに建築物を設計する方向へと進み、停滞気味の建設・建築業界が再び活発化していく可能性が高いと言えるでしょう。新しい価値観やコミュニティの場を企画し、つくりあげて提供していく仕事が増えてくるかもしれません。

こうした仕事に携わりたいと考えているのであれば、建築関連の資格を取得しておくことで建設・建築業界への就職がしやすくなり、働き方を広げていけます。

建築業界で活躍したい学生におすすめの資格

技術革新によって新たな成長が見込める建設・建築業界で生かしやすい資格について、特に注目したい資格をピックアップします。

建築士

建築物の設計から施工監理までを行う技術者である建築士は、建築物を建築するために不可欠な資格として業界では非常に優遇される資格です。取り扱える建築物の規模によって一級、二級および木造の3種類に分かれています。

国家試験である建築士の試験は非常に難易度が高く、一級で例年10%強、二級で20%前後、木造で30%と狭き門です。それだけに取得すると建設・建築関連企業への就職に有利で、特に一級建築士は就職先が大きく広がります。

※建築士について詳しくはこちらも参考にご覧ください

施工管理技士

建築現場における建築物の施工計画や安全管理・施工図作成・工程管理などの施工全般を管理するのが施工管理技士です。建築物全般を扱う建築施工管理技士、電気工事の分野を担当する電気工事施工管理技士、空調工事や給排水設備などの設備工事全般にかかわる管工事の分野を担当する管工事施工管理技士のほか、河川や橋梁・道路などの建設施工を管理する土木施工管理技士があります。

建築施工管理技士は1級と2級がありますが、その他は1種類のみで、いずれも試験の合格率は30~40%です。実務経験が問われる問題が多いこともあり、難易度は高めです。より現場に即した建築の専門家として、建築士と同じく関連企業では優遇されます。

建設工事のキーマン?!建築施工管理技士とは?仕事内容と魅力をご紹介

建築設備士

建築物に付帯する空調換気設備や給排水設備、電気設備などの建築設備全般について、設計や工事監理を行うのが建築設備士です。

試験の合格率は30%台で推移しており、難易度としては高めです。建築士に対して、設計や施工の際に建築設備の設計や工事監理のアドバイスを行える資格者で、中規模以上の建築物の設計施工には欠かせない資格です。

このほか、電気工事士や建築機械施工技士など、分野別に細分化された資格も数多くあります。建築物は膨大な構成物で成り立っていますから、携わりたい業務が建築物全般なのか特化した一分野なのかによって、必要な資格を選ぶといいでしょう。

法改正で建築士の受験資格の緩和が決定

少子高齢化による労働人口の減少、定年や加齢による現役建築士の退職増加といった社会的な状況の影響で、近年は建築業界の建築士不足が問題になっています。建築物の設計や施工管理を担う中心的な存在の建築士が少なくなると、たとえ技術革新が進んでも建設・建築業界の成長が減速しやすくなります。

こうした状況を打開するために、建築士試験の受験要項の法改正が令和元年に閣議決定し、令和2年3月に施行されました。

  • 大学等の建築学科で指定科目を修了した場合に、卒業をもって建築士試験の受験資格を得られる
  • 二級建築士は実務経験の有無にかかわらず一級建築士試験を受験できる

などが主な改正内容です。

つまり、実務経験は受験資格要件ではなく、一級建築士の免許登録要件となり、合格後の実務経験年数を満たすと一級建築士の免許登録ができるわけです。

これまでは実務経験年数を満たしてから一級建築士試験を受験するしかなかったので、一級建築士の資格を取得できるまでには時間が必要でした。しかしこの法改正によって、大学等で勉強を終えた直後に受験できることになり、一発合格をめざせる可能性が高くなりました。最短で卒業から2年後に一級建築士となれるのです。

一級建築士資格が早く取得できるようになることで若年層の一級建築士が増えれば、建設・建築業界に活気が出てくることは間違いありません。

一級建築士は今後も需要が増え活躍が期待できる有望資格!

建設・建築業界では、専門的な知識と実務経験という高いスキルが求められます。それだけに、関連資格を取得することは関連企業への就職を有利に進められる武器のひとつとなります。

もし一級建築士や建築施工管理技士などの取得を考えているなら、希望資格の試験や就職に関する情報を早くから集めて検討しましょう。そして勉強する優先順位を分野別に決め、学習スケジュールを立ててコンスタントに学習を進めることが、試験の合格と一級建築士の取得という夢への近道です。

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