ゲームが好きで、自分もゲーム開発に携わってみたいと考えている方もいるでしょう。
ゲームの開発者になるためには、専門的な知識やスキルを身につける必要がありますが、それらのスキルは大学などでも学ぶことが可能です。
今回は、ゲーム開発について徹底解説。必要なスキルや開発の流れ、スキルの学習方法などを詳しく説明します。
目次
ゲーム開発とは?
ゲーム開発とは、ゲームを一から制作することです。
ゲームの企画・設計・制作・テストなど、ゲームを完成させるまでにはさまざまな過程を経なければなりませんが、これらは全て開発に当たります。
なお、ゲーム開発に携わる職種も多様で、ゲームの開発を現場でとりまとめる「ディレクター」、ゲームの企画・設計などを担当する「プランナー」、ゲームのプログラムを行う「プログラマー」などが存在し、ポジションによってメインとなる業務も異なります。
ゲーム開発に向いている人
それでは、ゲームの開発者として適性があるのはどのようなタイプの人なのでしょうか。ゲーム開発に向いている人を紹介します。
ゲームが好きでよくプレイする人
ゲームの開発者として重要な適性の1つは、ゲームが好きだということです。
ゲームをよくプレイするなら、ユーザーの観点を持ちながらゲーム開発に携われるでしょう。
どうしたらもっとおもしろくなるか、どうしたらユーザーの興味を引くゲームを作れるか、自分がゲームで遊ぶことが好きだからこそ気付くものがあります。
専門的な知識を自ら身につけられる人
ゲーム開発をする上では、専門的な知識やスキルが必要不可欠です。
しかし、誰かが「この開発にはこの知識が必要だから身につけておいてください」などと指示を出してくれるわけではありません。
いちいちエンジニアの知識やスキルの習得に時間をかけていては、開発は一向に進まないからです。
専門的な知識は自主的に身につける必要があり、その労力をいとわない人であればゲーム開発に向いているでしょう。
きちんと体調管理ができる人
ゲーム開発は激務と言える状況になることが多々あります。スケジュールが過密になり、業務も立て込み、勤務時間が不規則になることもあり得ます。
このように、多忙になることが多い職場なので、体調を崩さないよう健康管理がしっかりできる人でなければ務まりません。
コミュニケーションスキルがある人
ゲーム開発は1人だけではできません。
企画担当やプログラマー、デザイナーなどさまざまな人が連携しながら作り上げるものです。出来上がったゲームをより多くのユーザーに届けるため、営業や広報などの部署も関わってきます。
このような職場環境から、コミュニケーションスキルは必須です。皆とやり取りし、協力し合いながら何かを作り上げることが得意な人は、ゲーム開発者の特性があるかもしれません。
ゲーム開発に必要なスキル・知識
ゲーム開発は専門性の高い仕事であるため、仕事に欠かせない技術も専門性が高くなります。
ここでは、ゲーム開発に必要な主なスキル・知識を紹介します。
プログラミングスキル
ゲーム開発の際、必ず使用するスキルがプログラミングです。
プログラミングとは、ゲームを実際に動作させるためにプログラムを組む作業のこと。これができなければ、ゲーム開発の業務は進められません。
プログラミングには、言語と呼ばれるコンピューター専用の人工言語を使いますが、この言語に関する知識も必要です。
言語の種類は多数存在し、それぞれが特徴を持っていて、どの言語がゲームにマッチするかどうかはケースによって異なります。
ゲーム開発をスムーズに進めるためには、プログラミングや言語に関した専門的なスキルを習得する必要があります。
ハードウェアやネットワークに関する知識
ゲームはソフトウェアだけあれば楽しめるわけではありません。
実際にプレイする場合はゲーム機やパソコン、モバイル機器などのハードウェアが必要です。
また、オンラインゲームはネットワーク環境も必須です。ゲーム開発を行う上では、ユーザーが実際にプレイする機器や環境を想定しなければならないため、ハードウェアやネットワークなどに関する知識も不可欠と言えます。
数字・物理に関する知識
ゲームの中でキャラクターなどを動作させるためには、数学や物理の知識が必要になります。
ツールで知識を補正することは可能ですが、高度なプログラミングを組むとなると、開発者自身の知識が十分でなければ追いつけなくなります。
自分で知識としてしっかり身につけておくと、開発がスムーズに進められるでしょう。
ゲーム開発の流れ
それでは、ゲームがどのように作られるのかを見ていきましょう。
具体的には、次のような流れで開発が進められます。
企画・設計
まずは開発するゲームの企画・設計を行います。
どのようなゲームがあればおもしろいかを考え、どこがどうおもしろいのかをわかりやすく説明できるよう準備し、開発チーム内でプレゼンテーションなどを行います。
企画が通ったら、具体的な設計に移ります。ゲームの流れや動きやタイミングなど、自分の頭の中にあるイメージを明確に資料に書き出していきます。
開発のベースとなるものなので、できる限りわかりやすく細かく記すことが大切です。
試作
設計が固まったら、その設計をもとに実際にゲームを作成してみます。これは試作のステップです。
試しに作ってみる段階なので、細かいところはまだあまり気にしなくても良いでしょう。大まかな形や流れ、企画者が意図しているおもしろさがしっかり表れているかなどを確認します。
なお、試作は開発にあたるメンバーの中でも中心となる数人など、少人数で行われるのが基本です。ゲームの形になった試作をチェックしながら、設計をさらにブラッシュアップしていきます。
本制作
試作を経て設計をより綿密に磨き上げたら、いよいよ本制作にかかります。
本制作ではアルファ版とベータ版を経て、マスター版までの制作を行います。
最初に作るアルファ版は、ゲームのメイン部分がほぼ完成した状態のものです。必要に応じ、アルファ版で一度テストを行います。
ベータ版はアルファ版にさらにコンテンツを追加した完成形に近いもの、マスター版は完全に完成したゲームのことです。
制作の途中で不具合などがあれば、その都度修正しながら完成させます。
テスト
ゲームが完成したら、最終チェックとしてテストを行います。
正常に動作するか、バグなどはないか、リリースしてから不具合が見つからないよう細かくチェックしていきます。
なお、通常はテスト担当のエンジニアが作業しますが、企業によってはイベントなどで一般ユーザーにテストプレイしてもらうケースも見られます。
ゲーム開発によく使用されるプログラミング言語
ゲームの開発に欠かせないプログラミング言語。実際にどのような言語が必要なのでしょうか。
この段落では、ゲーム開発によく使用されるプログラミング言語を紹介します。
C++
ゲームにおいて使われるプログラミング言語の中でも最もポピュラーと言えるのがC++。さまざまな家庭用ゲーム機でもC++が多く使用されています。
基本的な部分の構築に向いており、汎用性が高いこと、オールマイティな動作が可能なことなどが大きな特徴です。また、動作が速いこと、ほかのC言語と互換性があることもポイントです。
ただし、コードの文法が難しいところはややネックと言えます。コードが複雑になったり、エラーが出た際に問題のある部分を見つけにくかったりする場合があるので注意しましょう。
C#
マイクロソフトが開発したプログラミング言語です。
C++の後継であり、文法はベースであるJavaに似ています。
家庭用ゲーム機やアプリゲーム、PCゲーム、コンシューマーゲームなど幅広いゲームで使用されています。
ゲーム業界においては、最も使われていると言っても過言ではないほどあらゆるところに出てくる言語なので、覚えておいた方が良いでしょう。
非常に機能が高い言語で、開発がスムーズに進められます。
JavaScript
インターネットが普及し始めた1990年代から使用されているプログラミング言語です。
ゲームに限らず、動作が発生するサイトではほぼ必ず使われており、最も身近な言語と言えるでしょう。ブラウザと非常に相性が良いため、ブラウザゲームなどで使用されます。
なお、ブラウザによって動作が変わる可能性があるため、JavaScriptを使用してゲームを作成する場合は、各ブラウザごとの動作テストが必須です。
Swift
iOS用のアプリ制作に使用するプログラミング言語です。
ゲーム開発においては、これまで紹介した言語の方が使用頻度が高い傾向にありますが、国内向けのiOSアプリゲームなどを開発する場合はSwiftを使うケースがあるので、覚えておくと良いでしょう。
なお、作業環境はMacのみなので注意が必要です。
ゲーム開発におすすめのゲームエンジン
ゲーム開発を一から進めていくのは手間も時間もかかります。
そこで便利なのがゲームエンジン。ゲーム開発に必要な機能が備わっているので、開発に慣れていない初心者でも簡単にゲームを作成できます。
ここでは、ゲーム開発におすすめのゲームエンジンを見ていきましょう。
Unity
最もメジャーなゲームエンジンの1つです。
個人のゲーム開発で最も利用されているのもこのUnity。つまり、個人単位でのゲーム開発にも適するほど、操作が簡単ということです。
実際、初心者がゲームを作成するときにもよく使われています。利用言語はC#です。
複雑な処理は全てUnityが行ってくれるので、ゲームの作り込みに集中しやすいという魅力があります。
2Dと3Dどちらのゲームも制作可能ですが、特に3Dが作りやすいと評判です。
Unreal Engine 4
3Dゲーム開発用のゲームエンジンです。利用する言語はC++。
描画の美しさが大きな魅力で、グラフィックにこだわりながらゲームを開発したい人から高い支持を得ています。
なお、ビジュアル的なマウス操作でゲームの作成作業を行える「ブループリント機能」により、プログラミング言語を使わずにゲームの開発を進めることも可能です。
ゲーム開発に必要なスキルを学習する方法
ゲーム開発に必要なスキルを紹介しましたが、どこでそれを学べば良いのかわからないという方もいるかもしれません。
この段落では、必要なスキルを学習するための主な方法を説明します。
学習サイト
学習の方法として挙げられるのは、学習サイトを見て勉強するというものです。
ネット上には、ゲーム開発に必要なスキルに言及したサイトが多数存在します。
初心者向けにかみ砕いて説明されているものから、上級者向けに応用的なテクニックを紹介しているサイトまでさまざまです。
こうしたサイトを利用してスキルを身につけることも可能でしょう。
ただし、サイトを利用した学習方法は、疑問が生じた時に尋ねられる人がいないため、つまづいてしまうと学習の進捗が遅くなる可能性もでてきます。できる限り自分にとって理解しやすいサイトを探すことがポイントです。
書籍
ゲーム開発に必要なスキルについて解説した書籍を読むのも学習方法の1つです。
プログラミングや言語など、各スキルの書籍が数多く出版されています。開けばすぐに勉強を始められるので、日常の隙間時間などを使って学習したい方にもぴったりです。
ただし、サイトと同様、疑問点を誰かに尋ねられないことはネックです。
大学や専門学校
ゲーム開発に必要なスキルを大学や専門学校で学ぶという方法もあります。
例えば、情報学部などではプログラミングについて学ぶことが可能です。また、工学部などではゲーム開発で活かせる数学・物理の知識を身につけられるでしょう。
学費など費用はかかりますが、じっくり専門的な勉強ができ、疑問点は教授や講師、同級生などに尋ねることも可能です。
ゲーム業界の将来性は?
ゲーム開発者の年収はおおよそ500~520万円ほどと言われていますが、プロデューサーやディレクターなど管理者的な立場になるとさらに年収は高くなります。
ゲーム業界は成長を続けており、市場はどんどん拡大され海外にも広がっています。近年は「eスポーツ」として、ゲームがスポーツ競技的な立ち位置にもなっており、さらに注目度は高まっていると言えるでしょう。
また、次々に新しい形のゲームが発表され、常に開発技術もレベルアップしています。
ゲーム業界はこれからも大いに将来性が期待できます。
常に自分の知識やスキルを磨き、最先端の仕事を追い求めて行きたい人には生涯意欲を持って働ける仕事かもしれません。
需要の高いゲーム開発スキルを身につけよう
ゲーム開発は、自分たちの作ったゲームを世にリリースし、多くのユーザーに楽しんでもらえる仕事です。
専門的な知識やスキルは必要ですが、学習で身につけることは可能です。大学などでゲーム開発の技術と関連の深い学部を選べば、効率的にスキルを学べます。
ぜひこの記事を参考に、需要の高いゲーム開発スキルを身につけ、将来に活かしましょう。