「どの大学がいいかな?どの学部がいいかな?卒業したらどんな仕事に就こうかな?」
進路を決めるときは誰でも悩むものです。それを決定する要因のひとつとして「やりがい」が挙げられます。「やりがい」がなければ、人はそれを続けることができないからです。
今回は、工学の醍醐味、工学で学べることとはどのようなことなのか?そして、工学を学んだ先にある社会貢献など、「工学ならではのやりがい」をご紹介させていただきます。
工学と理学の違い
工学と理学の最大の違いは、その目的にあります。理学は自然現象の仕組みを解明し、科学的な法則を見つけだすことが目的です。一方、工学は理学などで解明された法則を応用し、人間の役に立つものを作り上げることを最大の目的としています。
「どうしてろうそくの火を密閉した容器に入れたら消えるのかわかったぞ!」というのが理学、「じゃあそれを応用して水では消せない火を消せる消火器を作ろう!」というのが工学、といったイメージです。
目に見える目標
工学には学習や研究の目標がはっきりしているという特徴もあります。
現象をひたすらに観測し一定の法則がないかを発見しようとする基礎系の学問と違い、工学はまず「こういった機能をもつ製品を作りたい!」というところから始まります。
「〇〇が作りたい」という明確なゴールを設定してから研究を開始します。ですから、もし研究・開発途中につまずいてしまった時でも他の方法で同じような成果を出せないかを模索するなどの方法をとることができます。そのため工学の研究・開発では、いつまでたっても前に進まないという煮詰まった状態になることは比較的少なく、モチベーションを保ちやすいという利点もあります。
モノを作ることに特化
工学はなによりもモノを作り出すことに特化した学問です。自分が携わったプロジェクトや研究の成果がそのまま世の中に新製品として出回ることになります。そのため、社会に貢献してるという実感を持ちやすくなっています。さらに、次はどのような新製品を目指すべきかというフィードバックも、市場からすぐに製品の評価として受けることができます。研究・開発のスタートから反省、次のスタートまでのサイクルが明確で素早いので、目標の設定に困ることは少ないです。
技術として身につく
大学の授業でも工学は実践的な学習内容が中心となっているのが一般的です。例えば、機械系の学科なら実際の機械の仕組みや、力のかかり方、その計算方法、さらには関連する法律に関しても学びます。
これらの知識は実際に機械メーカーでの研究・開発の現場で必要とされる知識と完全にリンクしているので、大学での学びがそのまま自身のエンジニアとしての実力に直結していきます。
さらに、社会人になってからもエンジニアとして学習を続けることになるので、特殊技能に優れたスペシャリストとしての技術が身につきます。
工学の分野とやりがい
やりがいや特殊技能に結び付きやすい工学ですが、ものづくりに特化した学問だけに基本的に作りたいものによって分野が細分化されています。まずは自分が将来作りたいもの、興味のある製品を作る過程でどういったやりがいがあるのかを調べるのがオススメです。
機械工学
人々の生活を豊かにするための新しい機械について研究する学問です。設計・製作に加え、機械をどのように運用すれば実際に社会で役立てるかを研究することもあります。ですから、自動車やロボット、工場で稼働する生産用機械まで幅広い機械を対象にします。
イメージがわかない人は、NHKがよく放送しているロボットコンテストを思い浮かべるとわかりやすいのではないでしょうか?チームのみんなで、様々な技術や部品や仕組みを利用して、目的のロボットを作成していきます。設計だけではなく、製作もしますし、試行錯誤を繰り返してロボットの調整をしたりもします。またそのためのプログラムを組んだりもします。
機械を作成する場合「〇〇できる機械を作成する!」という明確な目的が必ずあります。ですから、成果が分かりやすく、達成感が得やすいと言えます。
※こちらのコンテンツも参考にご覧ください
建築工学
安全で快適で文化的な建物をつくることを目的とした学問です。建築といえば家やビルを思い浮かべますよね?しかし、建築工学の対象はそれだけではありません。橋や商業施設全体、さらには都市全体まで考える学問です。
何もなかったところに自分がデザインしたビルが建ち、そこで人が生活していく様子を思い浮かべてください。もしくは、自分が構想した街で沢山の人が日々暮らしていく姿を想像してください。とてもワクワクしませんか?このような点に、建築工学の醍醐味があります。
情報工学
今あなたが読んでいるこの記事も、情報工学の技術によって成り立っています。
スマートフォンやパソコンのアプリ・ソフト・通信技術だけではなく、今朝乗った自動車や電車、身近に使っている家電製品など、あらゆるものが情報工学の対象です。これらは全てコンピューターによるシステムネットワークによって制御されています。
例えば、発電所の制御や電車の運行状況の制御、交通情報や保険の契約、電子マネーでの取引情報などの管理まであらゆるものの情報がコンピューターによるシステムで管理されています。IT企業のようなわかりやすいものだけではなく、世の中のあらゆるサービスを支える仕事に就けるのが最大のやりがいです。
進化のスピードが非常に速く、新しい分野を積極的に勉強すればすぐに評価されモチベーションが上がりやすいのが特徴です。また、プログラマーやシステムエンジニアの道に進めば、独立してフリーで生きていく選択肢も生まれる為、働き方が選びやすいというのも大きなメリットです。
まとめ
工学は具体的にモノを作り出すことに特化した学問だということがイメージできたのではないでしょうか。
勉強のための勉強よりも、実際に世の中の役に立つものを生み出したい!そこにやりがいを感じられる!という人にオススメの学問です。また、具体的にモノづくりに携わる分野だけに、就職環境に関しても恵まれています。
興味がある方は、是非、大学のHPをチェックして、どんなことが学べるのか調べてみてくださいね。
※久留米工業大学の学科はこちら