CompTIA IT FundamentalsとはどのようなIT資格?取得するメリットと勉強法まで解説

情報技術・AI

これから初めてIT系の資格取得を検討している人は、ITの基礎的な知識やスキルを身に付けることができることで有名な、ITパスポートや基本情報技術者試験といった資格を取得の候補にしている人が多いことでしょう。

しかし、基礎的な知識を身に付けるのであれば、CompTIA IT Fundamentalsという資格もおすすめです。こちらの資格は国際認定資格であり、上位の資格を取得することで将来的に役立てることができます。

この記事では、CompTIA IT Fundamentalsの概要から取得のメリット、勉強方法まで解説をしていきます。取得を検討している方はもちろん、どのIT系の資格取得をしようか悩んでいる方もぜひ参考にしてください。

CompTIA IT Fundamentalsとは?知っておきたい基礎知識

CompTIA IT Fundamentalsとは、国際認定資格であるCompTIA認定資格の種類のひとつです。

聞き慣れない人もいると思いますので、ここでは資格の概要や取得に向いている人について簡単に解説していきます。

資格試験の名称

CompTIA IT Fundamentalsは改訂試験の配信開始に伴い「CompTIA IT Fundamentals(ITF+)」に名称変更しています。

インターネット検索にて調べる際には、名称の表示から最新か否かを判断することもできるので覚えておきましょう。

認定団体「CompTIA」とは

認定団体である「CompTIA」とはどのような団体なのでしょうか。取得の際には「ちゃんとした資格なのか?」と不安になることもあるでしょう。

CompTIAの正式名称は 「The Computing Technology Industry Association」といい、1982年にシカゴで設立された歴史あるIT業界団体です。CompTIA日本支局も2001年に設立されており、各IT分野の資格試験の認定以外にも、多くの企業や学校などとパートナーシップを結ぶといった活動をしています。

CompTIA IT Fundamentalsの位置付けや難易度

これから資格試験を受けようとしている人にとって気になるのはその難易度。「自分でも合格する見込みがあるのか」「未経験でも大丈夫か」など考えてしまいますよね。

CompTIA認定資格には、4種別と13の資格があり、CompTIA IT Fundamentalsはそのうちの「CORE」に属する資格で、CompTIA認定資格のなかでも最も難易度が低い位置付けです。

合格率は非公開ですが、基本的なITリテラシーについての知識を習得する資格なので、エンジニアを目指す人はもちろん、企業の新人研修でも用いられていることから比較的取得しやすいといえるでしょう。

また、IT系の資格のなかには自動車免許のように有効期限が存在するものもありますが、CompTIA IT Fundamentalsには有効期限がないので一度取得すれば永続的に保有することができるので、将来の就職活動や転職活動の場でアピールすることも可能です。

資格取得に向いている人

CompTIA IT Fundamentalsの資格取得に向いている人の特徴は次の通りです。

  • ITリテラシーを基礎から学びたい人
  • 初めてIT系の資格取得を検討している人
  • 将来的に役立つ資格取得をしたい人
  • 未経験からプログラマーを目指したい人

資格名にある「Fundamentals」とは「基本」や「基礎」といった意味の英単語です。その名の通り、ITに関する基本的な知識を習得できる資格なので、IT関連の学習を基礎から学んでいきたい人に向いている資格といえます。

また、CompTIA IT Fundamentalsの上位資格のなかには難易度が高いものもあり、取得すると就職や転職の場ではもちろん、実務でもその知識やスキルを活かすことが可能です。

将来的に役立つ資格を取得したいと考えている人は、CompTIA IT Fundamentalsをその足掛かりにするのもおすすめです。

将来的にプログラマーを目指している人は、CompTIA IT Fundamentalsのほかにも以下の記事でおすすめの資格をまとめていますので、興味のある人はぜひチェックしてみてください。

CompTIA認定資格の種類

CompTIA認定資格には、種別が4つ、13の資格があります。

ここではCompTIA IT Fundamentals資格以外のCompTIA認定資格について簡単にご紹介してきます。

CORE

COREは「芯」「中核」という和訳の通り、CompTIA認定資格のなかでも最も基本的な内容の認定資格で、CompTIA IT Fundamentalsもこちらに属します。

CompTIA IT Fundamentals 以外のCOREには次の認定資格があります。

CompTIA A+

CompTIA A+はOS(WindowsやAndroid)やハードウェア(パソコンやスマートフォン)に関連する知識を習得することができる資格です。IT運用管理者だけではなく、自宅環境のトラブルシューティングにも活用することができます。難易度も低いので初めてのIT系資格取得にもおすすめです。

CompTIA Network+

「Network」という名前の通り、ITのネットワークに関する知識やスキルを習得することができる資格です。将来的にネットワークエンジニアを目指したい人はもちろん、「ネットが繋がらない」といった日常のトラブルシューティングにも役立ちます。難易度はIT Fundamentals同等程度なので取得もしやすいです。

CompTIA Security+

セキュリティに特化した資格で、脆弱性の分析や脅威への対策についての知識やスキルを習得することができます。セキュリティエンジニアやセキュリティコンサルタントといった職種を目指す人におすすめです。IT Fundamentalsよりも少々難易度は上がりますが、比較的取得しやすい資格です。

INFRASTRUCTURE

INFRASTRUCTUREは「クラウド」「Linux(リナックス)」「サーバー」といった、インフラ系の知識やスキルを習得することができる種別です。

INFRASTRUCTUREの認定資格は次の通りです。

CompTIA Cloud+

クラウド環境に関する知識やスキルを習得することができる資格です。クラウドやインフラエンジニア向けではありますが、昨今においてさまざまなサービスがクラウド環境で動作していることから、習得することで幅広く役立てることができます。難易度もIT Fundamentalsと同等程度なので、クラウドについて基礎から勉強したい人におすすめです。

CompTIA Linux+

Linux(リナックス)とは、WindowsやMacと同じくOSの種類のひとつで、主にサーバーとして使われています。Linuxの資格ではLPICが有名ですが、CompTIA Linux+に合格するとパートナーシップの関係からLPIC-1も取得できるのです。

難易度も易しく未経験からでも取得しやすい資格なので、インフラエンジニアを目指している人は取得してみましょう。

CompTIA Server+

サーバー構築や運用といった実務上の知識やスキルを身に付けることができる資格です。セキュリティ知識も要することから、サーバーサイドやクラウド、セキュリティエンジニアといった幅広い選択肢が見えてきます。取得難易度はIT Fundamentalsよりも高くなりますが、決して難しい資格ではないので挑戦してみましょう。

CYBERSECURITY

CYBERSECURITYは名称に「SECURITY」とあるように、セキュリティ関連のスキルや知識を身に付けることができる種別です。

CYBERSECURITYの認定資格は次の通りです。

CASP

CASPとは「CompTIA Advanced Security Practitioner」の略称で、網羅的にセキュリティの知識やスキルを身に付けることができる資格です。先に紹介したCompTIA Security+の上位のような位置付けなので難易度は上がりますが、昨今の社会において情報セキュリティは非常に需要が高いので、取得すると将来的にも役立てることができます。

CompTIA CySA+

情報セキュリティに関する分析や、ツールを使用してセキュリティを維持するといった知識やスキルを身に付けることができる資格です。こちらもCompTIA Security+の上位のような位置付けですので難易度は高くなりますが、人気のPythonと合わせて勉強することでセキュリティエンジニアの道も見えてきます。

CompTIA PenTest+

セキュリティの脆弱性を確認するためのペネトレーションテスト(通称「ペンテスト」。「新入テスト」とも呼ばれます)の手法や、脆弱性の特定や管理に関する知識やスキルを身に付けることができる資格です。こちらもCompTIA Security+の上位であり難易度が高くなりますが、実践的なスキルを身に付けられるので、セキュリティエンジニアを目指す人は挑戦してみると良いでしょう。

ADDITIONAL PROFESSIONAL

ADDITIONAL PROFESSIONALは、ここまでに紹介をした「CORE」「INFRASTRUCTURE」「CYBERSECURITY」よりも専門家要素の強い認定資格です。

ADDITIONAL PROFESSIONALには次の資格があります。

CompTIA Project+

こちらはプロジェクトマネジメントに関する資格で、将来的にプロジェクトマネージャーのような管理職に就きたい人におすすめの資格です。難易度は高いですが、IT系の資格のなかでは初級~中級の位置付けとされています。実務ベースでの考え方を身に付ける必要があるので苦戦するかもしれませんが、取得しておくと将来役立つのでおすすめです。

CompTIA CTT+

CompTIA CTT+はこれまで紹介してきた資格とは毛並みが異なり、インストラクターや講師が効果的な講習を行うためのスキルを身に付けることができる資格です。試験実施方法も他とは異なり、難易度の情報は公開されていませんが、人に教える仕事をしたい人は挑戦してみてはいかがでしょうか。

CompTIA Cloud Essentials

クラウドに関する知識やスキルを身に付けることができる資格です。対象は学生やクラウド関連の業務に携わる人としており、先に紹介をしたCompTIA Cloud+の下位に位置付けられています。Cloud+の受験を考えている人は、こちらで肩慣らしするのもおすすめです。

CompTIA IT Fundamentalsの勉強方法

ここからはCompTIA IT Fundamentalsの勉強方法について紹介をしていきます。自身の状況や環境、目標に合わせた方法を選択していきましょう。

学校で学ぶ

単に資格取得をするだけなら独学や後述する通信講座でも問題ありません。

では、なぜ学校に通って資格取得をするのでしょうか。大学・短大・専門学校などに通うメリットは次の通りです。

  • 体系的に知識を身に付けられる
  • 他の資格と合わせて資格取得を目標にできる
  • 資格取得のための支援をしてくれる
  • プロの教授や講師が揃っている同じ目標を持った仲間を作りやすい
  • 就職相談ができる

資格取得はあくまで目標に向かうためのツールであって、ゴールではありません。取得した後の選択肢を広げるためには、資格取得のための勉強だけではなく体系的にさまざまな知識やスキルを身に付ける必要があります。大学や専門学校で講義を受けることで、網羅的に学ぶことができることも魅力的です。

また、大学にはプロの講師や教授がいるので、学ぶ意欲さえあればいくらでも質問することができるので非常にお得。学校には資格支援の制度だけではなく、卒業後の就職相談もあるので、資格取得と絡めて相談することで目標に近付きやすくなるでしょう。

通信講座やテキストで学ぶ

CompTIA IT Fundamentalsの資格取得は、通信講座やテキスト(独学)でも可能です。

通信講座やテキストで勉強するメリットは次の通りです。

  • 費用を安く抑えることができる
  • 自分のペースで勉強することができる
  • 時間や場所を選ばずに勉強することができる

通信講座は、大学受験のために予備校に通うことをイメージすると分かりやすいでしょう。こちらも学校に通うのと同様、講師に質問できる環境ではありますが、学校と比べると時間や内容が限定的であるといえます。

テキストでの学習は最も費用を抑えられる勉強方法ではありますが、用語や疑問点など分からないところは自分自身で調べなければなりません。昨今、Web検索をすればいくらでも情報を引き出すことができますが、Webサイトによって書かれていることが違ったり、信憑性の有無について確認したりと時間と労力を要します。

就職先の企業でチャレンジする

「就職先の企業でチャレンジ」と聞いてもあまりイメージが湧かない人もいることでしょう。就職先で資格取得を目指すメリットには次のようなものがあります。

  • 資格取得の支援をしてくれる(テキスト代や受験費用を負担してくれるなど)
  • 勉強会が開かれ無料で勉強することができる
  • 昇進する際、資格取得が条件になっていることがある
  • 取得することで資格手当がもらえることがある

就職先の企業にもよりますが、IT系の企業では人材育成のため資格取得に力を入れている企業が多いものです。新人研修で資格取得を目指せることもあれば、就業後に勉強会が開催され、現役のエンジニアから学ぶこともできる企業もあります。

また、資格取得をすることで手当が支給されることもあるので収入アップを目指すことも可能です。「合格すれば年収が上がる」という環境は、モチベーションが上がる人も多いのではないでしょうか。

こちらの方法は、就職先の企業に依存する部分が大きいので、興味のある人は人材育成に注力している企業を狙ってみると良いでしょう。

CompTIA IT Fundamentalsを取得するメリット

勉強をするにあたって、資格取得をすることで得られるメリットを考えることは学習のモチベーションを保つことにも役立ちます。

ここではCompTIA IT Fundamentalsを取得するメリットを3つ紹介していきます。

ITに関する知識を体系的に身につけられる

専門性の高い知識やスキルを身に付けることも重要ですが、それらを応用するためには基礎が必要です。

CompTIA IT Fundamentalsでは基本的なITリテラシーを学ぶことができるので、基礎を身に付けられるほか、IT未経験者でも取得しやすい難易度となっています。

このような理由から、これから初めてIT系資格取得に挑戦する人や、エンジニアを目指したい人におすすめの資格です。

国際認定資格に挑戦できる

CompTIA IT Fundamentalsは国際認定の資格です。

世界中で250万人以上に取得されている世界共通の資格なので、日本国内に限らず海外で仕事をしたいと考えている人にもおすすめです。また、世界基準の資格を保持していることは、その知識の信用性も高く、アピールもしやすいので就職活動の場でも役立てることができます。

海外で働くことも視野に入れると、将来の選択肢が大きく増えますのでIT系の資格取得に悩んだらCompTIA IT Fundamentalsを候補に入れてみましょう。余談ですが、英語ができるエンジニアは非常に重宝されるので、TOEICを利用して英語の勉強もしておきましょう。

上位の認定資格に挑戦してキャリアップする

CompTIA IT Fundamentals はCompTIA認定試験のなかでも下位の資格です。しかし、前述したように、応用力を身に付けるためには基礎が重要となります。

未経験者やIT知識に自信がない人は、まずCompTIA IT Fundamentalsから取得し、上位資格の取得を目指していくと良いでしょう。

CompTIA認定試験の上位資格は就職活動や転職活動でもアピールすることができるので、ほかの人と差別化を図ることができるため、キャリアアップを狙いたい人にもおすすめです。

CompTIA IT FundamentalsとITパスポートの違い

CompTIA IT Fundamentalsと同じく、ITの基礎知識を網羅的に学べる資格に「ITパスポート」があります。「どちらも基礎から学べるならどっちを取得したら良いの?」と疑問に感じる人も多いことでしょう。

CompTIA IT FundamentalsとITパスポートの一番の違いは国際認定資格か国家資格であるかにあります。具体例を挙げるならば、ITパスポートでは経営知識についても問われますが、これはあくまで「日本国内において」と限定的です。一方、CompTIA IT Fundamentalsは国際基準でITの基本的な知識やスキルを身に付けられるといえます。

ITパスポートがどのような資格なのか、その詳細については別の記事でまとめているので、興味がある人はそちらも合わせてご覧ください。

Comptia it fundamentalsの認定試験の概要

ここからは実際の試験の概要について詳しく解説していきます。

これから取得をしようとしている人は、ぜひ参考にしてみてください。

試験情報

CompTIA IT Fundamentalsの試験情報は以下の通りです。

受験資格誰でも受験可能
出題形式単一/複式選択
問題数75問
試験時間60分
合格点(合格ライン)900点中650点以上
申込方法オンラインもしくは電話にて試験予約をする
試験日全国100ヵ所以上のテストセンター/オンライン試験で毎日実施

問題の出題範囲

CompTIA IT Fundamentalsの出題範囲は以下の通りで、ITの基礎知識を中心に出題されます。

  • ITの概要と専門用語
  • インフラストラクチャ
  • アプリケーションとソフトウェア
  • ソフトウェア開発
  • データベースの基礎
  • セキュリティ(参考:https://www.comptia.jp/certif/core/comptia_itf/)

合格率

CompTIA IT Fundamentalsの合格率は非公開とされていますが、類似資格であるITパスポートの合格率は50%前後と公表されています。

「基礎の資格なのに受験者の半分が不合格なの?」「難しいの?」と心配されるかもしれませんが、こちらは未経験者の受験生が多いなかでの合格率です。

きちんと勉強をすれば決して難しい試験ではないので、基礎だからと侮らずしっかりと準備して挑みましょう。

おわりに

CompTIA IT Fundamentals は国際認定資格であるCompTIA認定試験のひとつで、基本的なITリテラシーを身に付けることができます。

未経験者でも取得しやすい内容となっているので、初めてのIT系資格取得を目指している人におすすめです。また、CompTIA IT Fundamentalsの難易度は低いですが、上位資格を取得することで就職活動を有利に進められるほか、キャリアアップにも役立てることが可能です。社会人になると勉強する時間を確保するのが難しくなるので、学生のうちから準備をしておくと、仕事に専念することができます。

勉強方法には、「学校に通う」「通信講座の利用」「独学で取得」などさまざまで、それぞれにメリットデメリットが存在します。学習の際には、自身の状況に合わせた勉強方法を選択して、資格取得を目指していきましょう。

久留米工業大学では、大学全体でCompTIA IT Fundamentals取得のための学習支援を行っています

 

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