色のスペシャリスト「カラーコーディネーター」になるには資格は必要?カラーコーディネーター検定の概要と取得するメリット

建築・まちづくり・エネルギー

カラーコーディネーターは、色が持つ効果を踏まえて配色を考えるプロです。ファッションや空間、デザインなどの各方面で活躍しています。

「カラーコーディネーターとして色に関する仕事に就きたい」、「仕事に生かせる色の専門資格を取りたい」と考えている人に人気が高いのが、“カラーコーディネーター検定”です。

この記事では、カラーコーディネーター検定の内容や受験するメリット、資格を生かせる仕事などについて詳しく解説します。

カラーコーディネーター検定とはどんな資格?

カラーコーディネーター検定とはどんな資格?

カラーコーディネーター検定とは、東京商工会議所が主宰する民間の検定試験です。色に関する知識や、技能の習得レベルを問う試験を指します。

学術的に配色テクニックについて学び、効果的に色をコーディネートするスキルを身に付けることができます。

主な受験者は以下の通りです。

  • ファッションやインテリアのデザイン会社、映像グラフィック関連会社、広告会社などでデザインや販売の仕事をしている人
  • 企画やデザインの仕事に、キャリアシフトしようとしている人
  • 自分に合った色の服やメイクを、より深く楽しみたい人

毎年、およそ5,000〜6,000人が受験しています。

カラーコーディネーターになるには資格が必要?

色の知識や経験があれば、カラーコディネーターを名乗ることは可能です。つまり、仕事をする上で、色に関する資格を持っているかどうかは必ずしも問われません。

カラーコーディネーター検定は民間資格に該当するため、資格で仕事をするのではなく、あくまでもキャリアを積むための手段になるでしょう。

カラーコーディネーター検定を受ける2つのメリット

カラーコーディネーターになるためには、カラーコーディネーター検定資格は必須ではないことがわかりました。そうすると、資格取得にメリットはあるのでしょうか。
ここからは、カラーコーディネーター検定を受けるメリットを2つ紹介します。

色に関する専門知識習得の証明ができる

カラーコーディネーター検定では、

  • 色そのものの知識
  • 光の加減による見え方の違いや、配色に関する知識
  • ファッションやインテリアやメイクといった、各カテゴリー別の色彩計画に関する知識

など、色における幅広い知識を問われます。

これらの専門的な知識を有する証明に加え、資格を取得するために、知識習得の努力を行ったこともアピールできます。

専門知識があることを客観的に証明できるため、就職が有利になる可能性もあるでしょう。

仕事上の強みを得られる

仕事上の強みを得られる

カラーコーディネーター検定に合格すると、「カラーコーディネーター」という肩書で、堂々と仕事を進められます。

確かな知識を持つカラーコーディネーターから、色彩に関する理論的な説明や、的確なコーディネートを求める顧客からのニーズは高いでしょう。

カラーコーディネーター検定を生かせる仕事や就職先とは?

カラーコーディネーター検定に合格すると、色の持つ性質や効果を踏まえ、色の選定や配色を提案できるようになります。そのため、ビジネスやプライベートのさまざまなシーンで生かせます。

活用できる具体的な仕事や、就職先について紹介していきましょう。

インテリア関係

インテリア関係の仕事では、多くの空間を扱うため、色の知識が最大限に生かせます。

ハウスメーカーや工務店、インテリアショップ、設計事務所、ゼネコン、建設コンサルタントといった企業に就職するには有利でしょう。

また、インテリア関係の他の資格と併用すれば、さらに活躍の場が広がります。

例えば、インテリアデザイナーやインテリアコーディネーター、建築デザイナーといった住宅やオフィスなどの建築物を対象とした仕事や、都市開発関係など街全体をプロデュースする仕事でも活用できます。

インテリア関係の仕事については、以下の記事にもまとまっておりますので、参考情報としてお役立てくださいませ。

美容・ファッション関係

美容・ファッション関係

美に関するサービスや技術を提供する、美容・ファッション関係の仕事も色の知識が求められます。ブティックなどの販売員やファッションスタイリスト、メイクアップアーティスト、美容師、ネイリストなどがあるでしょう。

また、アパレル系企業や、化粧品メーカーへの就職をめざす場合には、強みとしてアピールすることができます。

メーカー・広告関係

メーカー・広告関係

商品やサービスをより魅力的に見せるために、色は重要な要素の一つと考えられています。そのため、自動車や日用品、玩具、IT機器など、あらゆる商品やサービスの開発・販促において、色の専門家抜きで進められません。

商品開発に携わる、プロダクトデザイナーやマーケティングディレクターとしてメーカーに就職するか、色の専門知識が活用して広告につなげる、ウェブデザイン会社、印刷会社などで働くチャンスもあるでしょう。

カラーコーディネーター検定と色彩検定との違いは?

色に関する資格としてよく知られているのは、カラーコーディネーター検定と色彩検定です。色彩について学び、仕事や日常生活の中で習得した知識を役立てるという目的はどちらも同じです。

活躍できる分野と検定試験の内容はそれぞれ異なりますので、その違いについて解説します。

カラーコーディネーター検定の特徴

色が持つ特性を理解した上で、その影響や働きについての知識を得られるのがカラーコーディネーター検定です。ファッションやインテリア、メイクなど幅広い範囲の問題が出されるため、どの業界でも通じる知識を得られます。

また、ディスプレイや広告による売上への影響、周辺環境への影響など、実用的な色彩知識を学べるのも魅力です。

印刷や広告関連、都市開発など、街全体を対象としたプロジェクトの仕事に携わる人には、カラーコーディネーター検定の資格取得がおすすめです。

色彩検定の特徴

色彩検定は、「公益社団法人色彩検定協会」が主宰しており、色の基本知識や色彩学についての知識を得られる検定です。

色に関する知識や技能のレベルを問うのは、カラーコーディネーター検定と同じですが、主にファッションやインテリアに応用できる検定として人気があります。

アパレル関係やディスプレイデザイン、広告、ウェブデザインといった仕事に携わる人には、色彩検定の資格取得がおすすめです。

検定試験の内容の違い

検定試験の内容の違い

ファッションやインテリア、メイク関係の問題は、どちらの検定でも出題されます。

カラーコーディネーター検定では、環境や工業デザインに関する問題が出題されることがあります。

対して色彩検定は、配色やビジュアルに関する問題が比較的多く、ポスターやロゴといった、広告の実務的な問題が出されることもあります。

2019年度の合格率を比較すると、カラーコーディネーター検定のスタンダードクラスが72.3%、アドバンスクラスが50.3%、色彩検定の3級が74.4%、2級が67.4%、1級が44.7%でした。

受験するクラスにもよりますが、色彩検定の方がやや難易度が高いと言えます。

出典:色彩検定公式サイト・カラーコディネーター公式サイト

カラーコーディネーター検定の概要

カラーコーディネーターとして働きたいなら、ぜひ取得しておきたいカラーコーディネーター検定。

ここからは、受験を検討している人のために、カラーコーディネーター検定の概要について紹介します。

受験資格や開催日程

受験資格や開催日程

カラーコーディネーター検定を受験する際、年齢や学歴、性別、国籍の制限はありません。試験は年2回、毎年6月と12月に行われます。

試験は、スタンダードクラスとアドバンスクラスの2段階があり、併願も可能です。試験は2階級とも所要時間2時間です。

公式テキストに準じた問題が出題され、マークシート式で回答します。2階級とも100点満点中70点以上で合格となります。

階級の違い

階級の違い

カラーコーディネーター検定は、2019年までは1級・2級・3級の3段階のレベルに分かれて開催されていました。2020年に検定内容がリニューアルされ、スタンダードクラスとアドバンスクラスの2段階に変更されました。

・スタンダードクラス

スタンダードクラスでは、公式テキストと同等の知識と、基礎を理解した上での応用力が問われます。色彩に関する基礎的な知識を有しているかが合格基準ラインです。

色の効用を知って上手に活用する方法や美しい配色の手法、色の見え方の工夫や売上アップといった実務的な内容の問題が出題されることもあります。

・アドバンスクラス

アドバンスクラスでは、スタンダードクラスと同じく、公式テキストと同等の知識と、より深い応用力が問われます。

基礎知識が身についていることを踏まえて、ビジネスにおける色彩の活用に関する幅広い知識を有しているかが合格基準ラインです。

  • カラーコーディネーターの実務
  • 色の見え方の多様性や配色
  • 照明計画
  • 色彩設計と管理
  • ファッションやインテリア
  • メイク
  • 環境

上記のように、カテゴリー別のカラーコーディネーション技術など、幅広い内容の問題が出題されます。

カラーコーディネーターの資格の取り方

カラーコーディネーター検定の資格を取得するには、自分に合った学習方法を選択し、効率的に学習することが大切です。
カラーコーディネーターの資格取得のための学習方法について紹介します。

学校で学ぶ

学校で学ぶ

試験の出題傾向を把握し、出題が予想される問題を重点的に学ぶには、該当コースがある学校への通学がおすすめです。

検定の詳細を熟知した専任講師の指導を受けられますし、ファッションやインテリアなどに関する実習が受けられ、理解度が深まります。

大学の工学部(建築科)や専門学校のインテリア・メイク・グラフィック等のクラスに設けてある通年コースであれば、資格を取得するまで、1~2年かかります。

カラーコーディネーター検定対策のためというよりも、インテリアやメイク、グラフィックといった、分野全体の知識を身につけながら資格取得をめざす形です。

検定合格に特化した専門学校の短期集中講座であれば、1~3ヶ月の学習期間で取得できる可能性もあるでしょう。

通信講座で学ぶ

通信講座で学ぶ

カラーコーディネーターの勉強ができる学校が近くにない場合や、仕事が不規則で通学が難しい場合は、通信講座の利用がおすすめです。

通信講座は6ヶ月前後の学習期間が一般的です。学校に通うより費用も抑えられますし、通学にかかる移動時間も必要ありません。

疑問点や理解が難しい問題については、講師に質問することもできるため、独学で学習するよりもしっかりと基礎が固められ合格率をアップできます。

カラーコーディネーター検定を生かしてキャリアアップするには

カラーコーディネーター検定を生かしてキャリアアップするには

多くの商品やサービスがあふれている現代では、売上アップやブランディング力強化のために、色の専門家として、カラーコーディネーターが求められる場は多くなっています。

商品やサービスの提供・開発にあたって、色が人に与える影響を考慮する必要性が高まっているためです。

特に、美容・ファッションやインテリア、広告、環境など色の持つ効果を生かして商品やサービスを提供する業界では、今後もカラーコーディネーターがキャリアアップできるチャンスがあります。
キャリアアップのためには、単に資格取得だけを目的とせず、どのような業界で働きたいかを考えてから、資格を生かす計画を立てましょう。

まとめ

まとめ

色は奥深い世界です。見た目の印象や心理的な影響を左右する要素だけに、色に関する専門知識を身に付けたカラーコーディネーターは、ますます活躍が期待されています。

多くの業界で求められているだけに、就職先が見つけやすく、クリエイティブな仕事に携われる機会も多いですから、やりがいも大きい仕事です。色彩の専門家として活躍したい人は、ぜひめざしてみてはいかがでしょうか。

 

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