素敵なWEBページを見つけた時、「こんな風にデザインしてみたい」と、将来の職業として、WEBデザイナーを検討する人も多いでしょう。しかし、WEBデザイナーは専門性が高く、第一線で活躍していくためには、しっかり計画を立てて進路を選ぶ必要があります。ここでは、将来的に活躍できるWEBデザイナーになるには、どのような方法があり、どのようなスキルを習得していくべきかについて解説していきます。
目次
WEBデザイナーになるには条件がある?
WEBデザイナーになるために、特別な資格や条件は必要ありません。そうした意味合いにおいては、WEBデザイナーは、未経験からでも始められる職業です。ただし、それは「誰でもできる仕事」という意味ではありません。実践力のあるWEBデザイナーとみなされるには、以下のようなポイントを満たしておく必要があります。
- 最新のトレンドを把握できているか
- 継続したスキルアップを行っているか
- サイトのテーマ決めや企画立案ができるか
- コーディングなどが一通りできて、WEBサイトを実際に作れるか
- 実績や実務経験があるか
上記のように、ある程度の知識やスキル、実績を有していることが、仕事をする上で求められるのです。
先述したように、WEBデザイナーになる条件としての資格は存在しません。
しかし、特に未経験からWEBデザイナーを目指すような場合は、いくつか取得しておくと信頼を得やすいでしょう。
WEBデザイナーの資格について詳しいことを知りたい人は、以下の記事を参考にしてください。
WEBデザイナーになるには?4つの方法
WEBデザイナーになるには、どのような方法があるのでしょうか。ここでは、特に高校生がWEBデザイナーになるまでの道・工程を解説していきます。
大学・短大で学ぶ
大卒、短大卒を採用基準とする企業は多いです。新卒でWEB制作会社やIT企業、デザイン制作会社や広告代理店などの採用試験を受けたいなら、まずは大学・短大への進学を視野に入れると良いでしょう。
大学・短大では、WEBデザインの基本的な知識・スキルを比較的短時間で習得できるため、他の専門分野学習にも力を入れやすくなります。進学先を選ぶ際は、カリキュラムや就職実績をよく確認しましょう。
特に、WEBデザイナーとして必要なスキル(PhotoshopやHTML、CSSなど)や、今後さらに需要が見込まれるプログラミング言語、CG技術など学べるかは重要な要素です。
経験豊かな講師や、現役クリエーターの指導があるかも重要です。技術は日々更新されており、現場の最新知識を学ぶのは、非常に重要であると考えられています。
また、企業と繋がりがある学校を選ぶことで、インターンシップや就職のチャンスも得られるでしょう。
大学で学べる具体的なカリキュラムを知りたい方は、以下のページを参考にしてください。
専門学校で学ぶ
もう一つ挙げられるのが、WEBデザインが学べる専門学校で、知識やスキルを深めてから仕事を始めるという方法です。
専門的で幅広い知識を学ぶ場が大学とするなら、実際に仕事をしていく上で、必要な能力修得を目的とするのが専門学校です。
専門学校には大きく分けて、2つのタイプがあります。
- 通学制:実際に学校に通って学び、講師にいつでも相談できる
- 通信制:学費がリーズナブルで、時間と場所の融通がきく
最近では、通学とオンライン授業、組み合わせて学べる学校も増えてきました。
学校によっては、カリキュラムを受講しながら、企業から請け負った実務制作に取り組む場合もあり、より実務的な能力を身につけられるでしょう。
独学で学ぶ
WEBデザイナーは、特別な資格や条件がなくてもなれる職業です。そのため、努力次第では、完全な独学でWEBデザイナーを目指すことも可能です。
しかし、独学で学ぶか、学校で学ぶかには大きな違いがあります。それは、WEBデザイナーになるためにかかる費用の差です。
独学でWEBデザイナーの勉強を行う場合、学校に支払う「授業料」がゼロになるため、コストを最小限に抑えることができます。
ただし、用いる教材選定や学ぶ項目については、自分で考えて選ぶ必要が出てきます。取得したいスキル、技術については、大学・専門学校で学ぶ以上に、よく吟味して選ぶ必要があるでしょう。
また、企業との繋がりを自分で作り上げていかなければならないため、就職活動の負担が大きくなる恐れがあります。
実績・実務経験を積む
卒業後、現場にスムーズに対応していくためにも、在学中はアルバイトやインターンシップなどを積極的に行い、卒業するまでにある程度の実務経験を積んでおくのがおすすめです。なぜなら、WEBデザイナーの求人は、ほとんどが「経験者」を対象としているためです。
WEBデザインの現場は目まぐるしい変化を続けています。学校で最低限の知識を得たとしても、実務経験が皆無であれば、いざ働き始めたときに戸惑ってしまうでしょう。
WEBデザイナーになるために欠かせない基本スキル2つ
WEBデザイナーは技術職であり、ある程度の知識・スキルを前提に仕事を行っていく職業です。ここでは、WEBデザイナーを目指すに当たって、最低限身につけておきたいスキルをご紹介します。
デザイン力
WEBデザイナーとして活動していく以上、デザイン力は必須です。レイアウトや色の選定、フォントの選び方などといったデザインの基本的な知識は元より、トレンドのWEBデザインの知識についても、常に更新し続けていく必要があります。
特に、WEBデザイン業界は流行り廃りの大きな業界です。一線で活躍し続けるためには停滞を良しとするのではなく、
- 貪欲に知識を吸収する
- 技術を磨く
という姿勢が何より重要となります。
デザインツールの知識
WEBデザインの仕事はその性質上、PCツールを用いた作業がその大半を占めます。紙や鉛筆といったアナログな手法が用いられることは稀であり、PC操作、引いてはデザインツールの使用に習熟しておく必要があります。
特に、
- Illustrator(イラストレーター)
- Photoshop(フォトショップ)
- Dreamweaver(ドリームウィーバー)
といったソフトウエアは、業界で広く用いられるデザインツールです。
これらを自由自在に使える知識・スキルは、WEBデザイナーとして活動する上で欠かせません。
WEBデザイナーとして活躍するために身につけたいスキル4つ
活躍できるWEBデザイナーになるには、身につけておくと役立つスキルがあります。ここで紹介するスキルを習得しておけば、キャリアアップに繋がる可能性も高まるでしょう。
コーディングスキル
コーディングとは「PC言語を使って、コードを記述すること」を指し、PC言語を用いて、制作したWEBデザインを実際にパソコン画面で見られる形にします。
コーディングの技術を身につけておけば、仕事の幅を増やしたり、異業種からWEBデザイナーを目指したりすることも可能でしょう。
WEBデザイナーとしては、特にWEBページに関わるPC言語(HTMLやCSS、JavaScript、jQuery、PHP、WordPressなど)に習熟しておくと良いでしょう。
コミュニケーションスキル
あらゆる仕事で重要とされるコミュニケーションスキルですが、WEBデザイナーにとっては、クライアントやプロジェクトメンバーとの話し合いにおいて、力を発揮します。
独りよがりな仕事をしないためにも、コミュニケーションスキルの向上を図ることは非常に重要です。
特に、以下の2つは必ず抑えておきましょう。
- クライアントの意見要望を確実に拾い上げる「ヒアリング能力」
- プロジェクトメンバーと協力して作業に当たる際の「伝達能力」
これらは、円滑に仕事を進めていく上で欠かせないものです。
ディレクションスキル
プロジェクトマネージャーやプロジェクトリーダーなど、チームやプロジェクトをまとめる立場となった時、重要となるスキルです。
例としては、
- 状況に応じた適切な指示ができる「リーダーシップ力」
- 何か問題が発生した時でも柔軟な対応ができる「マネジメント力」
などが挙げられます。
企画力・マーケティングスキル
マーケティングにおけるWEBデザインは、見た目の良さだけにとどまらず、集客効果が高くなければ意味がありません。集客効果の高いWEBデザインを完成させるためには、WEBサイトのターゲットユーザーや目的を十分理解した上で、必要な中身を見極める企画力、マーケティング力が必要となってきます。
これらの能力を高めることで、「WEBマーケター」など、WEBデザイナーを発展させた別の職業へのステップアップも期待できます。
WEBデザイナーの就職先
WEBデザイナーといっても、その就職先は様々で、行う仕事の内容も違いがあります。ここでは、WEBデザイナーが働ける場所、働き方などについて、簡単にご紹介していきます。
WEB制作会社
WEB制作会社は、WEBデザイナーの就職先として最もポピュラーです。主な仕事内容は、他企業の依頼に応じたWEBサイト制作になります。
しかし近年では、サイト上で表示されるアプリの開発やIoT(モノのインターネット)事業、サイレージ(デジタル看板)やデジタルインスタレーション(芸術作品)の制作など、デジタルに関わった、様々な仕事に参入する企業が増えています。
広告代理店
広告代理店も、WEBデザイナーの求人を頻繁に行っている業態です。広告代理店におけるWEBデザイナーの役割は会社ごとに違うため、仕事内容は一概に言い切れません。
よくある仕事としては、自社WEBサイトの制作や更新作業、顧客WEBサイトの制作、操作性の向上などが挙げられます。
広告代理店はその性質上、企業マーケティングに特化した仕事を行います。他部署と連携する機会も多く、デザイン力だけでない、多角的な能力が求められる職場です。
印刷やデザイン会社のWEB部門
印刷やデザイン会社のWEB部門でも、WEBデザイナーの求人を行っていることがあります。これらの企業の場合、WEBデザイナーは、主として販促業務に携わることとなります。実際の仕事内容としては、WEBデザインのみに限らず幅広い仕事を任される傾向があり、販促関連サイトのWEBデザインをはじめとして、フライヤーやチラシ、看板などといった印刷媒体のデザイン、印刷業務のアシスタントなども行うことがあります。様々なことに挑戦してみたい人におすすめの職場です。
事業会社のWEB部門
事業会社のWEB部門とは、いわゆる「インハウス」のことを指し、通常外部発注するような仕事を、社内の人間が行います。インハウスは、外部発注していては仕事が間に合わないような企業でよく行われます。雇われたWEBデザイナーは、「社内におけるWEB制作会社」のような役割を果たすことになります。
仕事内容はWEB制作会社とほぼ同じで、他部署の依頼に応じてWEBサイトを制作したり、サイト上アプリの開発を行ったりします。
フリーランス
特定の企業に所属せず、フリーランスのWEBデザイナーとして活動する人もいます。メリットとしては、案件当たりの仕事単価が比較的高めであること、自分のペースで仕事ができることなどが挙げられます。
一方で、安定して仕事を見つけるのが難しい、納税などの各種手続きを自分で行う必要があるといったデメリットも存在するため、学校を卒業してすぐフリーランスとして活躍するのは難しいでしょう。
フリーランスのWEBデザイナーになるには、営業から制作まで様々なことを一人で行える「総合力」が必要となるでしょう。
おわりに
WEBデザイナーは、なるための資格や条件が存在しないため、名乗るだけなら簡単な職業と言えます。しかし、本当の第一線で活躍するためには、しっかりとした知識やスキル、最先端の技術に向かっていく向上心必要不可欠です。WEBデザイナーを目指すなら、今の自分に何が足りないのかきちんと分析した上で、進路を吟味することが大切です。