政府も後押し!これからの理系女性(リケジョ)の働き方とは

工学教育

「リケジョ」という言葉が使われ始めて何年経つでしょうか?いわゆる理系の女性は、理系離れが言われるようになった中でさらに男性に比べて少ない存在です。職種も、技術職や研究職など専門的なもののため、独り立ちするのにある程度の期間を必要とします。将来出産をしたい女性にとっては、出産適齢期と仕事に慣れる時期が重なることも不安でしょう。しかし一昔前に比べて、リケジョの活躍の場は広がってきています。リケジョが働きやすい環境を目指す企業や政府の取り組みにも注目しながら、リケジョの働き方について考えます。

「専門性」が武器の理系女子は就活に強い。しかし企業とのギャップも

女性の活躍を推進しようという政府の方針も手伝ってか、リケジョがブームになってからの数年、企業も女子学生、なかでも専門知識を持つリケジョを採用するところが増えています。そもそも少子化で人材不足の各企業は、今まで敬遠しがちだった女性の採用を推し進めていかなければならない状況です。男社会であった理系分野に女性ならではの新しい視点が入ることで企業の活性化も見込まれます。大学全体でも文系学生と理系学生は7対3の割合で理系は少なく、その中でも工学分野では女性が占める割合はさらに少なくなります。工学系のリケジョは企業にとってねらい目なのです。

ただ、理系と言っても分野・専攻は様々です。同じリケジョでも採用枠の少ない専門職だと学生と企業のマッチングがうまくいかない場合もあります。また、理系職種以外でのリケジョ採用を考えている企業もあり、大学で専攻した分野での採用が厳しくなることもあります。

働く理系女子の割合は他国より少ないが変わりつつある

日本の女性研究者の割合を他国と比較したデータが政府より公表されています。それによると、産業・政府機関・大学のすべてで日本は最下位、全体でも最下位でした。そして大学などで理工系を専攻している学生の中での女性の割合もとても低いのです。

それは日本女性の理工系のレベルが低いのかと言うと決してそうではなく、中学3年生の日本女子生徒の成績はかえって国際的にも良いのです。ですから、日本においてリケジョの割合が低いのは学力のせいではなく、その環境や理工系に対する関心がかかわっているのではないかと政府は分析、理工系を目指す女子を応援する「理工チャレンジ(リコチャレ)」という取り組みをしています。応援イベントを開催したり、先輩リケジョの声を紹介するなど、リケジョを目指す女子が将来を夢見る参考になり、不安を解消する手助けとなっています。理工系への進学を悩んでいたけど、夢に向かって踏み出せたという女子学生もいます。

先輩理系女子が働き方で重視するポイントをチェック

では、先輩リケジョが働き方で大切にしているのはどんな点でしょうか?自分を大事にしながら仕事を長く続けるために重視していることを紹介します。

就職先企業の研究内容

自分が専攻した研究内容が生かせるかどうか、学んできたものが役に立つかどうか、希望する仕事ができるかどうかを大事にしたい先輩は、その企業の研究内容を重視します。また、その企業の研究職で実際に女性が活躍しているのがわかれば、就職後の自分の姿を描きやすくなります。

産休や育休の制度の充実

母親になることを夢見る女性にとっては、産休や育休の制度がしっかりしているかどうかは重要なポイントです。出産後落ち着いたらまた職場に復帰し、長く仕事を続けるためにも女性にとってははずせない制度です。ただ制度があるだけではなく、実際に産休育休を取得して現場復帰している女性社員がいるかどうかもわかると安心ですね。働くママを応援してくれる社風の企業が理想です。

企業の安定性

やりたい仕事を長く続けるためにも、その企業が安定していることも重視したいところでしょう。その企業が倒産したりしないことはもちろんですが、理工系の研究や専門分野の職種は何かと費用がかかるものでもあります。大学などでも研究費が年々削られて、やりたい研究ができなくなってしまうケースもあります。すぐに成果や効果が得られない研究内容の場合は特に、実際の利益を得られるようになるまでが長期にわたることもありますから、ある程度の企業の体力が必要になります。

ワークライフバランスのとりやすさ

リケジョの場合、仕事内容が専門的になることが多いため、やっと一人前になったころに出産適齢期が重なってしまうことも多くなります。そこで女性は仕事を続けるか出産するかで(もしくは結婚するかで)悩むわけですが、出産したい時に出産でき、結婚したい時に結婚できる働き方をしたいですね。または結婚しない・出産しない女性も、自分らしさを大切にできる働き方をするためにも、ワークライフバランスのとりやすい働き方のできる企業であることが重視されます。

理工系の経験を活かしキャリアチェンジも可能

大学などで学んだ内容や専攻した研究内容とは違った分野で活躍しているリケジョも多くいることも挙げておきましょう。

実は文系だと思われる分野の職種においても、理工系の経験を活かせるものもあるのです。実際、企業側も営業や企画など文系職種においてリケジョの採用に積極的なところもあります。コツコツと細かい作業に取り組み、物事を総合的客観的に見て分析し、論理的にまとめあげられる理系女性の強みが活かせる場は、一般的に理系とされる業界だけではないのです。自分の思っていた業界とは全く違う業界で、理工系の経験が役立てられる場合もあるということを忘れないでください。これから先、政府の後押しも受けてリケジョの活躍の場はどんどん広がっていくでしょう。

研究を続けるなら大学院へ進学する道も

大学で研究した内容をさらに深めたいのであれば、大学院に行くことも考えられます。大学院は、研究を続けるという目的だけではなく、実務的な能力を身につけるためだったり、資格を取得する、学位を取得するなどスキルアップや仕事につながるものともなるので、社会人が進学することもあります。

大学からの進学なのか、社会人からの進学なのかで入試の科目や内容が違うこともあります。様々な特色のある大学院があるので、研究内容や環境、教授陣や取得可能な資格、学費についてなどよく調べて検討しましょう。

専門性にこだわらず視野を広げ、理想的な働き方を探そう

ここまで、理系女性の働き方について紹介しました。政府も理工系女性の活躍を後押しし、理工系女性を積極的に採用しようとしている企業が増えています。にもかかわらず、理系女性の半分以上が希望する就職が難しいと感じているというデータがあります。それは、企業側が理工系学生に求めるスキルと、実際に学生たちが学んでいるスキルがうまくマッチングしないことが原因のひとつに挙げられています。

もちろん、一生懸命学んできた専門分野を活かせる道に進むのが、リケジョの最大の強みを発揮できる方法ですが、専門性にこだわり過ぎずもっと文系分野まで視野を広げてみると、実は他にもリケジョの力を発揮できる働き方が見つかることがあります。リケジョひとりひとりに合った、理想的な働き方を探していきましょう。

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