DX化が進んでいる分野と将来性は?DXで必須になるIT知識の習得方法をご紹介

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DX化が進んでいる分野と将来性は?DXで必須になるIT知識の習得方法をご紹介

ITが普及した現代では、日常生活や仕事で当たり前のように使っている多くのものに、IT技術が使用されています。

昨今では、このようなIT技術の導入を経済産業省が推進していることもあり、「DX」という言葉を耳にする機会も増えてきました。しかし、なかには「DXってどんなものなの?」「将来性はどうなっているの?」と疑問に感じている人もいることでしょう。

この記事では、DXの概要から社会に及ぼす影響、その将来性について解説をしていきます。これから社会人になる人には事前準備にも役立ちますので、ぜひチェックしてください。

そもそもDX化とは?

そもそもDX化とは?

まずはDXの概要について確認をしていきましょう。「DX(デジタルトランスフォーメーション)」とは、IT技術の導入により、業務や人々の生活に変革をもたらす概念のことです。

システムやツールの導入と聞くと、企業の業務における効率性や生産性の向上をイメージされがちですが、これらは消費者にも大きな影響を与えています。

身近なDX化とは

身近な消費者へ与える影響の例として、フードデリバリーサービスを見てみましょう。従来、フードデリバリーサービスでは電話で店舗へ連絡をして注文をしていましたが、スマートフォンが普及した現代では、オンラインで決済まで完結することができます。

この例でいえば、お店側は電話で注文を受ける手間が省けるほか、聞き間違いをはじめとする人為的なミスを防ぐことが可能です。消費者側も、電話をしなくて良いので気軽に注文できるほか、現金がなくてもサービスを利用できます。また、アプリやWebサイトでは到着までの時刻を表示してくれるものもあるので、その間に家事や用事を済ませるなど効率よく過ごすことができます。

このように、DX化が進むことは企業だけに留まらず、社会全体に影響を与えるのです。以降では、DX化の例について紹介していきます。

様々な業界で進むDX化の事例

様々な業界で進むDX化の事例

前段で挙げたフードデリバリーサービスの例以外にも、様々な業界でDX化が進んでいます。ここではDX化の具体例について紹介をしていきます。

医療現場

医療現場でも多くのシステムやツールの導入が進んでおり、医者や看護師をサポートしています。たとえば、医療AIの導入では診断や治療法などの判断精度が高まるほか、人員不足による負担の軽減にも役立っています。

AIのような先端技術だけではなく「Web予約システム」や「オンライン診断」などのサービスもDX化のひとつです。

農業

農業にIT技術のイメージを持っていない人も大勢いますが、実は多くのDX化が進んでいることをご存知でしょうか。

たとえば、農業の現場では深刻な人手不足が問題となっていますが、それを解消すべくロボットの導入が進んでいることが挙げられます。ほかにも、システムを利用して収穫予測を行ったり、組合によっては収穫物をオンラインで販売したりする取り組みもされています。

このように農業では生産者だけではなく、それに関わる組合でもDX化が進んでいるのです。

サービス業

先に紹介したWeb予約システムやオンラインショップなど、多くのシステムやツールが導入されているサービス業務。そのほかにも、AI技術を利用して売上予測や在庫管理ができるようになってきていることから、予測の精度や管理の効率性が向上しています。抱えている課題の数だけDX化できる見込みがあるので、今後さらに発展していくことが見込まれます。

一般的なオフィス業務

これまでExcelや紙媒体で管理していた社員の情報を、人事システムや給与システム、勤怠システムや申請システムなど、システムで管理する企業が増えてきています。これらのシステムは連携することも可能で、組み合わせることでより効果が高まります。

たとえば、勤怠システムと申請システムの組み合わせを見てみましょう。有給休暇を取得する際、従来は紙媒体で担当部署へ申請書を提出しなければならず「提出しに行くのが手間」「承認まで時間がかかる」といった無駄が存在しました。しかし、申請システムを利用すると、これらの無駄を削減でき、かつ承認後は勤怠システムに反映されるので非常に効率が良いです。加えて給与システムとも連携していれば、勤怠データをそのまま給与データに変換することもできるので、効率性の向上はもちろん、ヒューマンエラーの防止にも役立っています。

DX化には、どのようなメリットがあるのか

DX化には、どのようなメリットがあるのか

このようにさまざまな業界でDX化が進んでいますが、具体的にどのようなメリットがあるのでしょうか。ここでは、DX化を進めることで得られるメリットについて解説をしていきます。

業務の生産性や効率性が向上する

DX化を進めることで、パソコンでの単純作業が一部の業務を自動化できます。これにより、従来では何時間もかかっていた作業が自動かつ大幅に時間が短縮されるほか、人の手による作業がなくなりミスや手戻りがなくなるので、生産性や効率性が大幅に向上することが見込めるのです。

コストの削減ができる

時間が短縮されるということは、当然そこにかかっていた人件費がかからなくなるのでコストの削減を見込めます。また、DXを導入する際には、これまでの業務フローの見直しが行われるため、今まで無駄にかかっていた業務や経費を削減することにも役立つといえるでしょう。

従業員の働き方が変わる

DXの導入により、業務の自動化や作業時間が短縮することから、従業員の働き方にも変化が起きます。就職活動をする際に多くの人が気にする残業時間も、これにより短縮されるのでワークバランスが取りやすくなるといえるでしょう。また、リモートツールが導入されればテレワークも普及していくので、オフィスに出社せずにインターネット環境があれば場所を選ばず仕事をすることができるようになります。

人材不足を補うことができる

少子高齢化問題により、日本は就業人口が年々減少しています。そのため、どの企業でも人材を確保することが課題となっていますが、少子高齢化問題の解決の糸口が見えなければ、人材確保も難しいのが道理というものです。

前述したように、DXで業務をデジタル化・自動化することにより、こうした人材不足を補うことが可能となるのです。

事業の拡大につながる

時間の短縮やコストの削減は、「他の仕事をする時間が確保できた」「経費が残った」と言い換えることもできます。つまり、時間や人手、経費を確保することができるようになることを指し、別事業の展開や既存事業の拡充が可能となるのです。

DXが推進される理由と将来性について

すでにDX化には多くのメリットがあり、それだけでも推進される理由になると感じている人もいることでしょう。しかし、それ以外にも理由があることをご存知でしょうか。ここでは、DXの導入によるメリット以外にどのような背景があるのか。また、その将来性について解説をしていきます。

DXが推進される背景には「2025年の崖」問題がある

DXは経済産業省が推奨していますが、同省が発表している「DXレポート ~ITシステム「2025年の崖」克服とDXの本格的な展開~」というレポートタイトルにもあるように「2025年の崖」と呼ばれる社会問題に対しても効果が見込まれています。

「2025年の崖」問題の概要は次の通りです。

  • 既存基幹システムが老朽化する一方で処理するデータが増加
  • システムの保守監視運用をする担当者が高齢化
  • IT技術の急成長に対しIT人材の供給が不足

簡単にいえば「現在の基幹システムは老朽化しているにもかかわらず、デジタル化によって処理しなければならないデータが増えている。加えて、この基幹システムが減少傾向にある大型のコンピューターで作られていて、扱えるエンジニアの多くが2025年に定年を迎えてしまう。」ということです。

「エンジニアを増やせば解決できる」と考えられますが、現代において主流ではない技術が使用されており、最新技術を学べる若い世代があえて衰退する技術の習得に意欲的にさせることは現実的ではありません。また、基幹システムは各企業に合わせたスクラッチ開発されているものが多く、汎用性が低いこともあり簡単に最新システムに移行できないという課題も抱えています。また「2025年の崖」の与える影響は非常に大きく、最新システムに切り替えなければ国際競争率も低下してしまうので、経済損失は12兆円にのぼるともいわれています。

このように、扱えるエンジニアがいなくなってしまうと、システムの保守監視運用や再構築が難しくなり、DXの促進が進まないと国際競争率も低下してしまいます。単にメリットがあるだけではなく、こうした背景もDXが促進されている理由であることを覚えておきましょう。

DXの将来性は高い

「この問題を乗り越えたらDX化は落ち着くのでは?」と疑問に感じる人もいることでしょう。便宜上「2025年」とされていますが、IT技術は常に進化しており、最新のシステムが求められます。そのため、DX化は今後も永続的に続くといえるでしょう。

つまり、今よりもさらにIT技術は身近になり、接する機会が増えるということです。これまでIT知識は、将来的にIT業界やエンジニア目指していない人にとっては必要のないものと考えられがちでしたが、こうした機会が増えることにより、今後の社会人に求められるITの基礎的な知識は今よりも高いレベルとなることが予想できるでしょう。実際に、現代ではパソコンやシステム、ツールが導入されていない業界は無いと言っても過言ではありません。具体的にどのような業務が発生するのか、次の例を見てみましょう。

  • パソコンのセットアップ
  • 社内ネットワークの設定やトラブル時の対処
  • ExcelやPowerPointを用いた資料作成
  • システムやツールに使用するデータの加工や編集

上記のような業務は、現在でもIT業界やエンジニアではない営業職や事務職も任されることがあります。厳しいと感じる人もいるかもしれませんが、ITスキルを習得していれば将来性が高く、評価されやすいとも言い換えることができるので、苦手な人は今のうちに克服しておくと良いでしょう。

DX対応に必須となるIT知識の習得方法

DX対応に必須となるIT知識の習得方法

DX化が進むことで、あらゆる職業で基本的なIT知識が必要となります。しかし、これまでIT系の勉強をしたことがない人は、その習得方法に悩んでしまうこともあるでしょう。ここでは、IT知識の習得方法について代表的なものを3つ紹介していきます。

資格取得

いきなり資格を取得するのかと疑問に感じるかもしれまんが、IT系の資格の中には基礎知識を網羅的に学ぶことができる「ITパスポート」や「基本情報技術者試験」という国家資格があります。

資格取得は客観的に知識や技術力を評価することができるので、就職活動の場でも役立てることが可能です。特に、IT系の企業では基本情報技術者試験の取得を推奨していることも多いので、取得しておいて損はない資格であるといえるでしょう。

ITパスポートや基本情報技術者試験の詳細については、次の記事で紹介しているので興味がある人は、ぜひチェックしてみてください。

参考者やWebサイトを利用して独学する

ITが身近な存在となっている現代では、IT関連の参考書が数多く出版されています。また、Webサイトも充実しているので独学でも学習できる環境が整っています。

こちらの方法の一番のメリットは、費用を抑えることができる点です。先に紹介した資格試験の参考書を購入し、分からないところはWebサイトで調べるといった学習の進め方であれば、書籍の購入費だけで済ますことができます。

ただし、Webサイトで調べる際には信憑性の有無について確認することも必要です。公式サイトであれば問題ありませんが、ブログ記事のような個人が作成したものの場合、誤った情報が掲載されている可能性があるからです。また、IT技術は日々進化しているので、必ず最新情報を確認しましょう。

大学や専門学校に通う

最も確実な習得方法は、大学や専門学校に通うことです。その最大のメリットは、プロの講師に教わることができ、疑問や分からないところも直接質問することができる点にあります。加えて、資格支援や就職支援の制度もあるので、社会人になるための準備を万全に整えることが可能です。

また、学校では体系的に学ぶことができるので、知識に偏りができないほか、より専門的な知識を身に付けることもできます。基礎的なIT知識の習得に留まらず、専門性を高めて学習していきたい人はぜひ検討してみましょう。

まとめ

DX化が進んでいる分野と将来性は?DXで必須になるIT知識の習得方法をご紹介

IT技術の導入により、仕事や日常生活に変革をもたらすDX。導入することで多くのメリットが得られる一方、さまざまな業務がDX化することにより社会人に求められるIT知識のレベルは高くなることが予想されます。

「社会人になってから身に付ければ良い」と考える人も少なくありませんが、勉強に時間を割ける学生のうちからIT知識や資格の取得をしておくと、就職活動の場でも評価されやすいのでおすすめです。進学先に悩んでいる人は、社会人になってからも役立つIT知識を学べる大学を選択肢に入れてみてはいかがでしょうか。

 

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