コネクテッドカーとは?より便利で安全な車の未来へ向けて

未来の乗り物・ロケット

現代はもはやインターネットと無縁の人はいないと言っても言い過ぎではない時代です。学校では情報の授業でパソコンを扱い、スマートフォンが主な情報収集手段だという方もかなり増えてきました。最近ではパソコン・スマートフォンだけでなく、家電などモノをインターネットに接続するIoTという技術に注目が集まっています。単にモノといっても種類はたくさんありますが、今回はその中でも車、コネクテッドカーと呼ばれる技術について解説します。

コネクテッドカーとは

コネクテッドカーを一言で表すと、インターネットに接続できる車のことです。というと「車の中でもwi-fiを使えるようになるってこと?」と思うかもしれませんが、そんな単純なことではありません。車がどのくらいのスピードで走っているか、どんな場所を走っているか、また車の周囲の状況といった細かいデータをネット上でやり取りできるようになるのです。これにより車は従来よりも飛躍的に便利で安全なものとなることが期待されます。

コネクテッドカーでできること

コネクテッドカーが従来の車より安全で便利と説明しましたが、具体的にどのように役立つのかピンとこないという方も多いでしょう。そこでここでは具体的にコネクテッドカーによって実現されるであろう技術についてご紹介します。

緊急通報システム

今、日本では1年間に何十万件もの交通事故が発生しています。自分とは関係ないと思っていても、いつ自分の身に起こるか分からない重大な問題です。車に乗っているときに事故を起こしてしまったら当然警察に通報しなくてはいけないわけですが、単独の事故で運転手が大きなケガをしてしまい自分の力で通報できないという場合もあります。発見まで長い時間が経ってしまうと生存率も低くなってしまうため、いかに早く通報ができるかは非常に重要な問題です。

しかしコネクテッドカーなら車が事故にあったことを感知し、自動で通報することが可能。GPS等を利用し事故が起きた正確な位置も分かるため、警察や救急が駆けつけるまでの無駄がなくなります。

テレマティクス保険

テレマティクスという聞き馴染みのない言葉が出てきましたが、これはtelecommunication(通信)とnformatics(情報処理)を組み合わせた言葉。車や船など移動する乗り物に搭載されるシステムだと思ってください。

先ほども説明した通り、コネクテッドカーはインターネットを通じてどんな場所を走っているか、どのくらいのスピードで走っているかが分かるようになります。テレマティクス保険とはこのデータを利用して保険料を決める仕組みです。

今までも走った距離に応じて保険料が変わるという仕組みはありました。ですが、同じ距離を走っていても安全な運転をしている人もいれば危険な運転をしている人もいます。事故を起こすリスクは明らかに違うのに、同じ保険料を負担するのはなんだか不公平に思えますよね。コネクテッドカーなら車のスピードやアクセルのかけ方が分かるため安全運転をしている人とそうでない人の違いがすぐに分かります。さらに走っている時間帯によってもドライバーの属性を分類することが可能。やはり日中混雑した道路を走っている人よりも早朝早めに運転している人の方が事故のリスクは低くなります。また保険料を抑えるため安全運転を心がける人が増え、事故そのものが減るという二次的な効果にも期待ができます。

盗難車両追跡システム

車がインターネットに接続されていれば、自分の車がどこにあるかがすぐに分かります。そのため、たとえ車が盗まれたとしても取り返すことが簡単になるでしょう。もちろん盗難そのものを予防する効果もあります。例えば誰かが無理やりドアの鍵を壊そうとした場合には車が異常を感知し、自動的に警備会社へ非常通報を送信することが可能です。警報を鳴らすくらいであればこれまでの車でも可能ですが、通報するとなるとこれはコネクテッドカーでなければできないことです。

コネクテッドカーの普及状況

便利といっても現在はそこまで普及していないじゃないか?という意見もあるでしょう。それはたしかにその通りで、現在日本で販売されている新車のうちコネクテッドカーは10%程度。アメリカや欧州ではそれぞれ50%、30%程度となってはいるものの、広く普及しているとはまだまだ言えないレベルです。ただコネクテッドカーは今回説明してきたように安全・便利な車社会を実現する力を秘めています。国内・国外を問わず技術開発が進んでいることからも、コネクテッドカーが当たり前になるのも時間の問題だといえます。

トヨタのコネクテッドカーの車種

ここまでコネクテッドカーによって実現されるであろう技術についてご紹介してきましたが、具体的な事例が知りたいと思うかもいるはず。そこで今回はトヨタで販売されているコネクテッドカーの機能についてご紹介します。

カローラ

2018年に発表された新型のカローラはエンジンオイル料や警告灯の点灯状態をスマホから確認できる「eケアヘルスチェックレポート」、運転の状況をもとに安全運転の度合いを採点する「ドライブ診断」、万が一事故が起こったときオペレーターが警察や消防に連絡してくれる「ヘルプネット」といった機能を備えています。

クラウン

上記のカローラと同時に発表されたクラウンは、カローラの機能に加えスマホから遠隔操作でドアのロックができたりハザードランプの操作ができる「マイカーSecurity」、LINEのトークからガソリン残量や目的地の天気が分かる「LINEマイカーアカウント」という機能が使えます。

コネクテッドカーの今後の課題は?

メリットしかないように思えるコネクテッドカーですが、もちろん乗り越えなくてはいけない課題もあります。課題はいくつかあるのですが、現状頻繁に取り上げられているのがセキュリティの問題。コンピュータやスマートフォンでもウイルスによる被害がこれまで報告されていますが、コネクテッドカーが普及するとこれを対象とした悪意あるハッカーも現れるでしょう。特に車は人が乗っているわけですから、人の命に関わる大問題です。これからの自動車業界には自動運転やネットワークに携わる技術者が求められるのはもちろん、セキュリティについて詳しい人材も求められることになるでしょう。

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