人工知能ができること・できないことは何か?これからの世の中はどう変わる?

情報技術・AI

今最も注目されている技術の1つ、人工知能。最近は本屋でも人工知能関連の特設コーナーが設けられたり、テレビやネットニュースでも頻繁に取り上げられたりと誰にとっても目が離せないテーマです。まるでSFに登場するような技術であることから、「おもしろそう」「将来自分も携わってみたい」と考える学生も多いでしょう。

そこで今回は、人工知能にできること・できないことは何なのかについてご紹介します。

人工知能が注目されている理由

機械に人間のような知能を持たせる、という発想自体は昔からありました。ではなぜ今になって人工知能が注目を集めているのでしょうか?その理由の1つが「ニューラルネットワーク」という分野の進歩です。

ニューラルネットワークは直訳すると神経回路。神経回路というのは脳内にある神経細胞のつながりを意味する言葉であり、「ニューラルネットワークが進歩した」ということは「脳の働きを再現する技術が進歩した」と言い換えることができます。

人工知能がなぜ優れているのか?

機械が脳を再現できるようになるとどんなことができるのか、1つ例を挙げて説明します。

あなたの目の前に犬の写真があったとしましょう。この写真に写っている犬がよほど珍しい犬種でもない限り、あなたの知らない犬種であったとしても犬だと判断できるはずです。もちろん犬が正面を向いていても横を向いていても、被写体が犬であることを見分けるためには何の障害にもなりません。従来のコンピュータではこれができませんでした。なぜならコンピュータはカメラから取り入れた画像を小さな点の集まりとしか捉えられないから。人間のように「足が4本ある」「尻尾がある」といった抽象的な特徴を捉えることができないため、あらかじめ記録されている画像と少しでも違うと被写体が犬であるかどうかさえ判断できないのです。しかし人工知能技術の発展により、コンピュータがあたかも人間の脳内で行っているのと同じように抽象的なパターンを読み取ることができるようになりました。iPhoneXに実装された顔認証システム「FaceID」、車の運転時に歩行者や障害物を検知する機能など私たちの身近でもすでにこの技術が導入され始めています。

もちろん人工知能ができるのは画像認識だけではありません。患者の症状から病気を診断したり、まるで人間と話しているかのように言葉でコミュニケーションをとったりなど、これまで人間でなければできないと思われてきたことが人工知能によって機械でも可能になり始めています。機械が人間の代わりになるかもしれないとなれば注目されないわけがありません。

人工知能ができること・得意なこと

先ほどもいくつか人工知能ができることを紹介しましたが、ここではもう少し人工知能ができること・得意なことについて掘り下げてみます。

膨大なデータに基づく判断

大量のデータを高速で処理できるのはコンピュータの強みです。人間が数年、数十年かけてようやく身につけるような知識をコンピュータは一瞬で学ぶことができます。もはや人間がどれだけ頑張ったとしても知識量で勝つことはできないでしょう。

人工知能としての例を挙げるならネット検索。あなたも何か知りたいことがあったとき、関連するキーワードを入力して検索するかと思いますが、知りたい情報は1ページ目で見つかることがほとんどではないでしょうか?これは人工知能が世界中のユーザーのデータを蓄積し、これを処理することでよりユーザーが望んでいると思われる情報を選んでいるからです。これだけ膨大なデータを処理するなんてとても人間にはできませんよね。

また、今は人間が行っている税理士や行政書士のような多くの専門知識を武器としている職業も、将来的には人工知能によって代替されていくだろうと予想されています。

単純な仕事・作業

決まったルーティーンを繰り返すこともコンピュータが得意とするところ。表計算ソフトのエクセルは誰もが使ったことのあるソフトかと思いますが、関数を使えば人間が手で行うよりも早く、正確な答えを導き出せますよね。さらには電気さえあれば半永久的に動き続けられます。

今でこそ「それはコンピュータの中だけの話では?」と思うかもしれません。しかしロボットとしてコンピュータの外側に現れたらどうなるでしょうか。コンビニやスーパーのレジのような決まりきった行動をする仕事はロボットに取って代わられるでしょう。

実はこれはすでに実験的に取り入れられていることでもあります。株式会社HISが手掛ける「変なホテル」ではロボットが人間の代わりに接客をしていますし、大手通販サイトAmazonの物流倉庫でもロボットが導入されています。外食した際にロボットに接客される未来もそう遠くはないかもしれません。

人工知能ができないこと・苦手なこと

ここまで人工知能ができること・得意なことを紹介しましたが、反対にできないこと・苦手なことはあるのでしょうか?

クリエイティブな作業

実は絵を描く、作曲するなどのクリエイティブな作業も人工知能はすでに成功しています。とはいえこれは大量のデータを学習させているからで、まったく何もない状態から新しいものを創造するのは人工知能では難しいのではないか、という意見があります。

人の気持ちを汲み取ること

人間関係を円滑に進めるうえで、相手の気持ちを察して空気を読むことがその場の損得以上に重視されるのはよくあることです。人間の気持ちは複雑なもので、最善解があると分かっていながらも気持ちがそれを許さない、ということもあるでしょう。人工知能が最善と判断したことは正しいかもしれませんが、人間の気持ちも踏まえた判断にすることは難しいのではないかと言われています。

シンギュラリティの到来

人工知能を語る上で欠かせないのがシンギュラリティ。簡単に説明すると、人工知能の能力が人間を上回り、私たちの生活に大きな変化が起きることを意味します。シンギュラリティの到来が2045年頃と予想されていることから、2045年問題と言われることもあります。先ほどは人工知能ができないこと・苦手なことを紹介しましたが、究極的には人工知能は人間の脳とまったく同じように動くことが可能となるでしょう。そうなれば人間にできて人工知能にできないことはなくなるかもしれません。人工知能がより優秀な人工知能を生み出し、今以上に急激なスピードで技術進歩が進んでいくことも十分考えられます。

シンギュラリティを迎えた後、世の中はいったいどのように変わるのか。専門家の間ではさまざまな予想がされていますが、正確な予想は現時点で誰にもすることはできません。

これから人工知能に携わろうとしている方へ

人工知能の技術に携わるためにはどうすればいいのか?何をすればいいのか?今すぐにでもできることを始めたいと思う方もいるでしょう。最後にいくつかアドバイスを示します。

何はともあれ基礎が重要

間違いなく言えることは、今学校で学んでいる内容は確実に身につける必要があるということです。今後技術が進歩しても基礎が不要になることはありません。特に理数系の科目は積み重ねが重要です。掛け算を解けない人が一次関数、二次関数の問題を解けるわけがありませんよね。これと同じように、やっと人工知能についての講義が受けられるようになっても、肝心の基礎が抜けていては十分に理解を深めることはできません。

進路はどう選ぶべきか

人工知能に携わりたいと考えるのであれば工業大学やや工学部に進むことになるでしょう。工業大学も工学部も日本中、世界中にたくさんありますが、最先端の技術を学ぶとなれば学校によって研究できる内容はさまざま。高校生のうちは受験難易度だけで進学先を選びがちですが、やりたいことが定まっているのであれば講義内容や行っている研究を調べて進路を選びましょう。

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