CGエンジニア検定の資格を取得してCG分野のシステム開発プロフェッショナルを目指そう

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CGエンジニア検定は、CG分野のソフトウェアやハードウェア、システム開発に関わるエンジニアの知識・技術の認定資格です。

CGの需要が高まる中、CGエンジニアはCGのスペシャリストとして、CGを扱う現場をアプリやシステムで支えています。この記事では、CGエンジニア検定資格について詳しく解説します。進路選びやスキルアップの参考にしてください。

CGエンジニアとはどのような仕事?

そもそもCGとは「Computer Graphics(コンピュータ・グラフィックス)」の略で、コンピュータで描かれた図形・画像を指します。

CGエンジニアとは、CGを作成・処理するシステムを開発するエンジニアのことで、CGクリエイター向けの2D・3Dソフトウェア、ハードウェアの開発のほか、新しいCG技術の研究開発などの業務を行います。

そのため、CGエンジニアにはCGの技術や画像処理に関する深い知識に加え、ソフトウェア・ハードウェアのシステム開発に関する知識も求められます。

CGの普及に伴い、テレビやゲーム、ITなど幅広い業界からのニーズがあります。

CGエンジニア検定とはどんな資格?

CGエンジニアとしてのスキルを証明する際に役立つ資格が、画像情報教育振興協会(CG-ARTS)が認定する「CGエンジニア検定」です。以下、CGエンジニア検定について詳しく紹介します。

CGエンジニア検定の概要

CG-ARTSでは、画像情報分野のクリエイターやエンジニアを目指す人に向け、5つのCG-ARTS検定を主催しています。CGエンジニア検定はその中の一区分です。

CGエンジニア検定では、CG分野の開発や設計を行うエンジニアの知識・能力が問われ、
「ベーシック」と「エキスパート」の2段階のレベルで実施されています。

ベーシックの試験範囲は、CGの技術に関する基本的な知識や、プログラミングなどへの知識の適用などです。エキスパートでは、CGに関するより高度な知識や、ソフトウェアやハードウェア、システム開発における知識などが問われます。

認定団体

公益法人画像情報教育振興協会(CG-ARTS)は1991年に設立され、公益財団法人に認定される以前は文部科学省の所管でした。CG分野のクリエイターやエンジニアの育成のため、教育事業や検定試験、イベントの企画・運営などを行っています。

CG-ARTS検定の他の区分

CG-ARTS検定の他の試験区分の概要は次のとおりです。

・CGクリエイター検定
CGによる表現を行うクリエイターのための検定です。2DCG、3DCGを使った映像制作の知識や、ソフトウェアを扱う技術を認定します。

・画像処理エンジニア検定
画像処理分野のエンジニアのための検定です。工業分野や医療分野などで利用されるシステムにおけるCG利用の知識や技術を認定します。

・マルチメディア検定
学生・ビジネスパーソンを問わず、マルチメディアの活用に関わる人のための検定です。デジタルコンテンツや情報技術に関する知識を認定します。

・Webデザイナー検定
Web制作・運用に携わるデザイナーやディレクターなどのための検定です。Webにおける表現や制作技法、関連技術などの知識を認定します。

CGエンジニアに向いている人

今やCGは、テレビやインターネット上のデジタルコンテンツにとどまらず、医療現場や建設現場など様々な業界・業種で活用されており、社会を支える基盤技術といえます。

CGに興味があり、知識や技術を通じて社会に貢献したい人は、CGエンジニアを目指すと良いでしょう。

また、CGや画像処理のエンジニアやプログラマーとして、ツールやシステムの開発を行う人や、これらの職業に就きたいと考えている人にもおすすめです。

CGエンジニア検定を受験するメリット

CGエンジニア資格取得のための学習は簡単ではありませんが、その分メリットも多いです。以下、CGエンジニア検定を受験することで得られるメリットについて紹介します。

CG技術の知識の証明になる

CGエンジニア検定は専門的な知見のある組織が認証する資格です。取得すれば、CG技術に関する知識を有していることを客観的に証明できます。

CGエンジニア検定試験では出題範囲が定められているため、出題範囲から資格保有者の持つ知識を予想するのは難しくありません。そのため企業の人事担当者なども知識やスキルのイメージを持ちやすいです。

現在の実力を把握できる

受験により自分の現在の実力を把握できるのもメリットの一つです。

CGエンジニア検定は学習者向けのレベルと実務担当者向けのレベルがあるため、受験勉強や本試験を通して自分の実力や苦手分野を知ることができます。

正確に実力を把握することで、学習へのモチベーションを高めたり、適切なレベルの仕事を探したりすることもできるでしょう。

CG業界就職への糸口となる

まったくの未経験者からCG業界で働くのは簡単なことではありません。CGの知識や技術は客観的に評価するのが難しいですが、認定機関によるお墨付きがあることで就職活動の際の評価が高まります。

CGエンジニア検定は、CG業界で働くために必要な知識を体系的に学習できるため、CG業界への就職や実務の助けになるでしょう。

CGエンジニアとCGクリエイターの違い

CGエンジニアと似た職業に「CGクリエイター」があり、CG-ARTS検定を受験する人の中には両者の違いについて悩む人も多いです。しかし、両者は仕事内容も必要な知識も異なります。

CGエンジニアはシステム開発を行うIT寄りの職種で、CGクリエイターはCGの制作を行うデザイン寄りの職種です。CGエンジニアが開発したツールでCGクリエイターがCGを作成すると考えるとわかりやすいでしょう。

自分がどちらに向いているか、上記を参考にしてもらえればと思います。

CGエンジニア検定資格の詳細

CGエンジニア検定資格取得を目指す人にとって、問題のレベルや合格率などは気になるところです。ここからは、資格に関するデータや内容について具体的に見ていきましょう。

CGエンジニア検定の種類

CGエンジニア検定には、「ベーシック」と「エキスパート」の2種類があります。それぞれの出題範囲や違いについて解説していきます。

ベーシック

ベーシックは主として、CGに関する基礎力を問う試験です。出題範囲と問われる内容については以下にまとめました。

・デジタルカメラモデル
デジタルカメラモデルとビジュアル情報処理の原理やその応用的な理解

・画像の濃淡変換とフィルタリング処理
画像の濃淡変換に関するさまざまな処理技術

・モデリング
コンピュータを使って、形を数値的に記述するモデリングの知識

・レンダリング
デジタルカメラモデルにおける基本的な表示手法や写実的な表現を行うための表示手法の知識

・アニメーション
多数の静止画を連続で表示して動かすアニメーションの知識

・システムと規格
一般的なコンピュータシステムや、ビジュアル情報処理、CG専用システム、周辺機器など

・関連知識
情報セキュリティや知的財産権、CGに関連した情報処理の歴史などの知識

エキスパート

エキスパートは主にCG分野のエンジニアの実務担当者や開発に携わる人に向けた試験で、ベーシックと同じ項目でも問題のレベルが高くなります。出題範囲と問われる内容は次のとおりです。

・CGとデジタルカメラモデル
デジタルカメラモデルを用いたCGの原理

・座標変換とパイプライン
座標と座標変換、パイプラインについての知識に加えて数学的な知識

・モデリング
ベーシックと同様ですが、より高度なモデリングの知識

・レンダリング
レンダリングもベーシックと比べて高度な知識

・アニメーション
コンピュータを利用したさまざまな種類のアニメーションの知識

・画像処理
CGを利用するための2次元デジタル画像の表現、描画処理、画像変換などの画像処理の基礎的な知識

・視覚に訴えるグラフィックス
コンピュテーショナルフォトグラフィや、ノンフォトリアリスティックレンダリングなどの新しいCG表現や可視化方法

・CGシステム
CGシステムの概要、ハードウェアやソフトウェアCGの制作や表示を行うために利用する周辺機器

・知的財産権
知的財産権に関する基礎的な知識

・関連知識
人間の知覚やCG関連の歴史などの知識

ベーシックとエキスパートの主な違い

ベーシックとエキスパートでは、想定する受験対象者の違いから出題範囲や問題のレベルに差があります。

科目数もベーシックが7科目であるのに対し、エキスパートでは10科目と広くなっているため、学習には相応の時間が必要となるでしょう。

同じ出題範囲でも、エキスパートは内容が深く、知識だけでなく応用力を要する問題が多くなっています。

CGエンジニア検定の合格率と難易度

CG-ARTSでは、過去の検定試験の過去問やデータを公開しています。そのデータから、CGエンジニア検定の合格率や難易度を考えてみましょう。

過去3年間のデータでは、ベーシックの平均合格率は62.76%、エキスパートの合格率は33.3%となっています。合格基準は100点満点の70点以上です。

ベーシックはエキスパートと比較して問題の難易度が低いことから受験者数も多くなっていますが、それでも6割以上が合格しているため、比較的難易度は低めと考えられます。

一方でエキスパートの合格率はベーシックの半分程度で、相応の難易度といえるでしょう。

参考:CG-ARTS公式サイト「過去の応募者/合格率」

CGエンジニア検定の申し込み方法

CGエンジニア検定は、毎年2回開催されており、前期が7月、後期が11月です。出願期間は試験の約3カ月前から、インターネットまたは郵便局から受験申し込みができます。

受験資格は不問ですが、受験料(ベーシック:5,600円、エキスパート:6,700円)を申し込みから3日以内に払い込むことが必要です。また、写真付きの身分証明証または証明写真を貼付した受験票が受験当日は必要です。

年度により多少の変更があるため、詳細は必ず協会の公式サイトで確認してください。

参考:CG-ARTS公式サイト「受験するには」

CGエンジニア検定を取得する方法

CGエンジニア検定試験は出題範囲も広く、専門的な内容を多く含むため、対策なしに受験しても合格は難しいでしょう。CGエンジニア検定を取得するための方法は主に2つあります。

大学・短大・専門学校で学ぶ

もっとも一般的かつ有効なのは大学や短大、専門学校でしっかりとCGについて学ぶことです。CGに関する専攻がある学校では、CGの基礎的な知識や基本的なソフトの操作スキルなどを学ぶことができます。

大学や短大では、専門知識だけではなく、幅広い教養を学ぶことができるため思考の幅も広がりますし、専門学校なら実務に近い経験ができたりノウハウが身についたりするのもメリットです。

また、学校によってはCGエンジニア検定に向けた試験対策まで行ってくれます。

学校選びに迷った場合は、CG-ARTS協会から認定教育校として選定されている学校を選ぶのもよいでしょう。

就職して経験を積んだ上で取得する

もうひとつは、就職後にCGエンジニアとして実務経験を積みながら、参考書や過去問などを用いて独学する方法です。学習で得た知識が仕事でも役立つため、知識の定着がよくモチベーションも高まります。

しかし、仕事が忙しく学習ができなかったり、知識が偏ってしまったりするケースが多いため独学はあまりおすすめできません。

独学する場合は、CG-ARTSの公式テキストや、公式サイトで公開されている過去問を利用するとよいでしょう。

CGエンジニア検定の将来性と活躍できる就職先

CGを使ったデジタルコンテンツの増加が増える中で、CGエンジニアの需要は旺盛で、その能力を評価するCGエンジニア資格の評価も高まっています。

特に比較的難易度の高い、エキスパートの資格取得によって就職先の選択肢が広がったり、厚待遇を得られたりといった恩恵も期待できるでしょう。

資格取得後の就職先の一例として、

  • CGを使ったシステム開発会社や機械メーカー
  • 映像制作会社やゲーム制作会社
  • 研究機関
などでの活躍が期待できます。いずれも成長している業界で将来性も十分です。

また、知識とスキルに加えて実務経験を積めば、将来的に起業やフリーランスとしての道も期待できるでしょう。

CGエンジニアを目指す学生は資格取得にチャレンジしてみよう

CG分野のシステム開発の現場で欠かせない存在であるCGエンジニア。その能力を評価・証明する手段として評価されているのがCGエンジニア検定です。

大学などの教育機関では体系的な学習ができるため、試験対策にとどまらない多くの知識や技術を身に着けることができるでしょう。

CGエンジニア検定の資格取得は、CG関連企業への就職への一歩です。CG業界に興味があるなら、ぜひ資格取得にチャレンジしてみてはいかがでしょうか。

 

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