久留米大学は小さいけどスゴイ! 久留米大学は小さいけどスゴイ!

久留米工業大学のテクノロジーで
惑星クルメに起きている地域の課題を解決せよ!

mission 02

いにしえのパイオニアを
リスペクトし、伝統産業を
バックアップせよ。

先進の
メカトロニクスが、
100年前の
最先端を甦らせる。

久留米絣は、久留米を中心とした
周辺地域で作られている伝統的な織物。
備後絣、伊予絣と並ぶ日本三大絣のひとつで、
国の重要無形文化財にも指定されている。
伝統産業は、「時間の産物」である。数十年、
数百年を経て改良が重ねられ、磨かれ、
価値を高めていく。が、一方で、
その設備にも歳月は
容赦なく蓄積し、
傷み、不具合を露わにしていく。
久留米絣も、製造機器の老朽化は深刻で、
補修部品の確保もままならないという状態が続いていた。
この窮状を知って、
機械システム工学科が動いた。

いにしえのパイオニア
をリスペクトし、
伝統産業を
バックアップせよ。

過去へ。そして、未来へ。
先端技術は、時代を超えて
地域を輝かせる。

久留米絣の発祥は、江戸時代後期にまで遡る。創始したのは、地元の米穀商の娘だった井上伝である。絣の技法はそれまでにもあったが、井上は独自のアイデアを加え、これが久留米絣の原型となった。いまからおよそ200年前のことだ。のちに、その独特の風合いが評判となり、久留米藩も地域の産業として生産を奨励。「久留米絣」として全国に広がることになる。
 一方、国産初の動力織機が生まれるのは1896年。発明したのはトヨタの創業者・豊田佐吉である。「Y式織機」と呼ばれるその機械は久留米絣にも導入され、なんと、いまも工場で稼働している。とはいえ、「100年もの」のビンテージ・マシン。老朽化は否めない。メンテナンスを重ねて、なんとか“現役”を続けてきたが、いまでは補修部品の確保さえ容易ではない。
 そこで、本学の機械システム工学科が中心となって立ち上げたのが「久留米絣プロジェクト」だった。教員と学生が工場に足を運び、課題の解決に取り組んだ。試行錯誤のすえ、昔ながらの鋳造技術に最新の3次元CADと3Dプリンタを組み合わせて、補修部品の製造をサポート。安定生産に貢献している。
井上伝も豊田佐吉も、時代の最先端を走るパイオニアだった。ものづくりにかける彼らの情熱は、いま、私たちのハートと確かに響き合っている。
先進技術は時代を超える。しかし、そのベクトルは、未来だけに向いているわけではない。ときに、過去へ遡り、地域に根づいた固有の文化や産業にも積極的にアプローチする。伝統を継承し、それを新たな時代に向けて再生する。そうした活動もまた、久留米工業大学に託された重要なミッションなのである。

いにしえのパイオニアをリスペクトし、
伝統産業をバックアップせよ。