

社会は、常に新しい発想を求めている。
若くみずみずしいアイデアを待っている。
そうした社会の潜在的なニーズに応えるためのイ
ベントがある。毎回、時代に即したさまざまな
テーマを設定し、そのテーマにまつわる課題をク
リアするためのアイデアを創出する。その試みを
イベントにしたのが「アイデアソン」である。
果たして、若者たちは社会の期待に応えられるの
か。その発想は、本当に時代を変えられるのか。
本学の学生たちが、九州初となる「大学生アイデ
アソン」の開催に挑んだ。
アイデアソンとは、アイデアとマラソンを組み合わせた造語である。1990年頃にアメリカではじまったとされるイベントで、ITに関連する分野を中心に開催されている。毎回テーマを設定し、参加チームがテーマに関する課題やソリューションを検討。プレゼンテーションやディスカッションをとおして新しいアイデアを創出していく。
本学も、これまでにも何回かアイデアソンに参加してきた。2015年には「Code for Kurume」主催のアイデアソンが本学100号館で開かれた。また、2019年3月に北九州で開かれた「ロボットアイデアソン〜ぼくらの未来創世物語」には、本学から3チームが参加、2チームが入賞を果たしている。
アイデアソンの多くは、企業や自治体に関連する組織が主催している。これを学生主体で開こうというのが「大学生アイデアソン」である。その九州初となる試みは、2019年6月1日と2日で開かれた。タイトルは「大学生アイデアソン〜Xperia Hello!で創る未来の大学2020」。「Xperia Hello!」(ソニーモバイルコミュニケーションズが開発したコミュニケーションロボット)を活用して、豊かな未来づくりのためのコンセプトやプランづくりに挑んだのである。
本学のFCS(Future Creative Station)が中心となって企画・運営を進め、近隣の大学や高専に参加を要請。本学のほかに九州大学、長崎県立大学、福岡工業大学、福岡大学、北九州高専、久留米高専などが参加した。さらに、ソニーモバイルコミュニケーションズをはじめとする企業数社の支援も実現。「発想と発想の競演」の準備は整った。各大学が本気度をかけて臨んだプレゼンテーションはどれも説得力にあふれ、ディスカッションも白熱。ハイテンションと和やかさが融合したイベントは、大成功のうちに終了した。
まさに、夢のような2日間だった。が、ここで見出されたアイデアをただの夢に終わらせるか、リアルな未来に生かすことができるか。それもまた若者たちの本気度にかかっている。