久留米大学は小さいけどスゴイ! 久留米大学は小さいけどスゴイ!

久留米工業大学のテクノロジーで
惑星クルメに起きている地域の課題を解決せよ!

久留米工業大学の
テクノロジーで
惑星クルメに起きている
地域の課題を解決せよ!

mission 11

ものづくりをとおして、
人をつくる。挑んだのは、
学生とベスト
ティーチャーだった。

ものづくりを
とおして、
人をつくる。
挑んだのは、学生と
ベストティーチャー
だった。

その日、5名の教員に学長から表彰状が手
渡された。令和元年度「学生が選ぶベスト
ティーチャー賞」が発表されたのである。久留
米工業大学では、学生を対象に授業評価アンケー
トを実施している。その結果、評価の高かった5
名が選ばれ、表彰された。2020年10月27日のこ
とである。
交通機械工学科から1名が選ばれた。情報ネットワーク工学科から2名、うち1名は本特設サイト「VR草刈の刃」
でおなじみの工藤達郎准教授である。残る2名は共通教育科の教壇に立っている。ひとりは巽靖昭准教授、そして
リー・リチャード准教授である。
工学を学ぶ若者は、めざす専門分野の深遠をその澄んだ眼で見つめていく。同時に、同じ視線で自らを導く教員
たちを見ている。学生たちの厳しくも瑞々しい探究心を満足させた巽准教授とリー准教授。ふたりが協力して進め
ているユニークな活動がある。それが、「床下浸水対応講習会模型」製作プロジェクトである。

被災者の心に寄り添える
ボランティアのスペシャリストを育てよ。

家屋を知り、被災の現場を学ぶ。
講習会をとおして
ボランティア人材を育てる。

 久留米工業大学がある久留米市は近年、毎年の様に豪雨被害に見舞われ、2018年から3年連続で計4度の床上・床下浸水が発生している。迅速かつ的確な災害支援活動と、それができる人材育成が急務なのだ。
 そこではじまったのが「床下浸水対応講習会模型」製作プロジェクトである。ボランティアをめざす有志や、久留米市内の住民を対象に、各地で浸水家屋に関する講習会を開催。その際に、実際の建物を詳細に再現した模型を使おうというのである。
 災害復旧や防災啓発を行う団体、「くるめ災害支援ネット・ハッシュ」の要請を受けて立ち上がったのは、本学の建築・設備工学科の学生たち。彼らを率いたのが、巽靖昭准教授とリー・リチャード准教授であった。
 ふたりが共通教育科の教員であることは、すでに述べた。巽准教授の専門はミクロ経済学。リー准教授はアメリカ出身で、応用言語学と外国語教育を専門としている。このふたりが建築・設備工学科と組んで模型づくりに挑戦する。なるほど、いかにも本学らしいプロジェクトではないか。
 本学の建築・設備工学科は、建築と設備の両方を本格的に学べる全国唯一の学科である。この強力なアドバンテージに“ベストティーチャー”の指導力が加わり、さらに災害支援団体、地元の建設会社などの協力もあって、プロジェクトは順調に進んだ。そして、2021年3月、床下浸水対応講習模型(1基)は完成したのである。
 講習会に臨んで、巽准教授は語った。「大切なのは、普段からの準備と連携です。これからは、社会福祉協議会や各種団体さんと、もっと日常的な交流を深めていきたい。そして、本学自身が災害復旧ボランティアの重要性を発信し、そのスペシャリストを輩出する拠点になりたいと願っています」

被災者の心に寄り添える
ボランティアのスペシャリストを育てよ。