

地域における見逃せない問題のひとつに、
「空き家の増加」がある。人が住んでいない
というだけで、特に大きな問題がないよう
に思える空き家だが、時間の経過とともに
大きなトラブルを引き起こしてしまう。
景観を損ない、防災上のリスクを高め、
衛生面でも近隣地域に悪い影響を及ぼすの
である。
この文字どおり「放っておけない
地域の課題」に、
建築・設備工学科が挑んだ。
人の管理がなされず、放置されたままになった住宅は、さまざまな問題を引き起こす。まず、老朽化による倒壊の危険性があげられる。樹木や雑草が野放図に伸び、近隣の住宅や土地に悪影響を及ぼすことも多い。
さらに、ゴミが不法に投棄される、悪臭や害虫が発生する、不審者が住み着いてしまう......など、深刻な事態に進展してしまうのである。
このように、ともすれば「負の遺産」となる空き家を、逆に「地域の資源」として活用できないものか。このテーマに取り組んでいるのが「うきはリライトプロジェクト」である。福岡県うきは市を舞台に、住民のほか行政や大学、金融機関などが連携して空き家の再生に着手。将来を見据えた持続可能な地域生活のための施策を立案・推進している。
久留米工業大学では、建築・設備工学科の教員と学生で構成される「ASURA(アシュラ)」が中心となって、この「うきはリライトプロジェクト」に参画している。実際に空き家となった古民家に出向き、周囲の綿密なリサーチを展開。古さを生かし、新築にはない風格や情緒を盛り込んだ斬新なリノベーションプランを提案している。
————Time is on our side.
建物に蓄積された 時間 は、再生の光に照らされて“”、いま、確かに地域の財産となっている。