「理系に進学したけど留学はした方がいい?」
「理系留学に興味はあるけれども、自分には無理なんじゃないか…」
とお考えの方も多いでしょう。しかし、理系留学はとても多くのメリットがあり、理系の方こそ留学をおすすめします。
今回は、理系留学をおすすめする理由やメリット、そしてベストな留学時期についてご紹介いたします。
理系に留学は必要?理系留学の3つのメリット
留学というと文系学生の方が多いイメージがありますが、理系にも留学は必要なのでしょうか?結論は、理系でも留学した方がプラスになるのでおすすめです。
では、どのような点で理系学生が留学をするメリットがあるのでしょうか。3つご紹介いたします。
就活やキャリアアップで大きなアドバンテージになる
理系学生にとって英語ができるということは、就活をする際に大きな武器となります。国内の製品を海外市場に広めていくためには英語力は必須です。専門知識と英語を掛け合わせることで、他のライバルとかなり大きな差をつけられます。
海外の最先端の技術や研究に触れられる
日本ではあまり発展していない研究分野も、海外であれば最先端の技術を学び、知識を深められます。ご自身の極めたい分野の研究が進んでいる国へ留学することで、日本ではまだ研究が進んでいない分野の知識やノウハウを学べるのでとてもおすすめです。
コミュニケーション能力がアップする
留学を通して語学力を身につけることで異文化コミュニケーションスキルを高めていけます。誰とでも臆することなく会話ができるようになると、海外の研究者たちとも交流を深められ、将来海外のフィールドで活躍できる可能性が格段にアップするでしょう。
理系留学は難しい?理系の方が留学にポジティブでない理由
文系の学生と比較して、理系の方の留学意思を持つ方が少ないという調査結果があります。理系で留学するのは難しいというイメージから、留学に対してポジティブでない理由を持っているようです。
なぜ理系の学生が留学にあまり前向きになれないのか、理由を4つほど挙げてみましょう。
- 英語力の問題と英語への苦手意識
- 留学によるキャリア遅延
- 経済的な負担
- 理系学生向けのプログラムがあまり豊富でない
英語力の問題と英語への苦手意識
英語力に自信がないと考える理系学生は非常に多いです。英語に対する苦手意識から留学に対してあまり前向きに考えられない方が多いのでしょう。本記事では、英語力を伸ばすためのおすすめの勉強法についても触れていますので、ぜひ最後までチェックしてくださいね。
留学によるキャリア遅延
キャリア遅延とは、浪人や留学、出産などでキャリアを一時中断してしまうことを指します。そもそも、理系の大学生・大学院生は研究などの活動で多忙を極めるため、留学に向けての準備がなかなかできないないという方が非常に多くいるようです。また、留学の種類によっては休学をした上で留学するケースもあるため、キャリア遅延してしまうことも懸念材料のようです。
経済的な負担
学費や渡航費、現地での生活費などの経済的な負担がかかってしまうことも留学に対してポジティブになれない理由のひとつです。一般的に文系よりも理系留学のコストの方が高くつくため、経済的な負担を考えて留学を諦めてしまう方も少なくないようです。
理系学生向けの留学プログラムがあまり豊富でない
文系の留学と比較して理系学生向けのプログラムがあまり充実していないことも留学にポジティブになれない要因のひとつです。
語学の習得や異文化コミュニケーションを目的にした交換留学のプログラムは数多く用意されているのに対し、理系学生向けのより専門性の高いプログラムはあまり多くないため、留学にいく目的やメリットを見出せない方が非常に多くいます。
理系留学をする人はどんな人?
理系留学は以下の方におすすめです。
- 大学生・大学院生
- 研究者
- 社会人
大学生・大学院生
理系留学をされる方の中で一番多いのが大学生や大学院に在籍されている方です。将来の就職活動のために留学を決意される方や現在学んでいる理系分野をより掘り下げて学ぶために留学を決意される方が多いようです。
研究者
理系学生の中には、大学に残り研修者としての道を選ぶ方も多くいます。その中には留学先の大学でさらなる研究に励む方もいます。学生時代の留学は学びにいくことが目的ですが、研究者の立場での留学は現地で即戦力となって働くことが求められます。
そのため、専門分野に関する深い知識はもちろんのこと、現地でコミュニケーションが取れる程度の語学力が求められます。
社会人
社会人経験を積んだ後に留学を決意される方もいます。大学を卒業してすぐに就職をしたものの仕事の幅を広げるため博士号の取得を希望する方やそれまでの専門分野とは異なる新たな分野を学びたいと感じる方など、留学を決意する理由は様々です。
社会人の方が留学される場合は、一旦退職をした後に大学院に再入学をした上で留学することをおすすめします。
このように学生から社会人まで幅広い世代の方たちが留学を経験しているため、いきたいと思ったタイミングでぜひ理系留学の検討をしてみましょう。
理系で留学した方がいい学部とは?
ここからは、理系留学をおすすめしたい学部を3つご紹介します。
工学系学部・学科
ものを作る技術力を学ぶ工学系学部も留学するのにおすすめです。これからは、オリジナリティに富んだ製品や技術開発が求められています。そのため、アメリカやイギリスなどの最先端の技術やノウハウを学ぶことはとても意味のあることです。医療工学や航空宇宙工学など、日本でまだ馴染みのない分野にも果敢に挑戦していけます。
コンピュータ・IT系学部・学科
IT系エンジニアの需要が高まっている現代において、コンピュータ・IT系学部への留学を検討している方が非常に多くいます。英語とITスキルを兼ね備えた人材を多くの企業は求めているため、就活時などにかなり有利に働くでしょう。
アメリカやイギリスなどの大学では基礎から知識を学んでいくため、文系の方でも留学しやすいといえます。
生化学系学部・学科
生物学や動物学、化学や遺伝子学、免疫学など様々な分野が凝縮した生化学系学部はとてもおすすめです。なかでも、アメリカとイギリスへの留学をおすすめします。
アメリカは、複数の分野を複合的に学ぶのに対し、イギリスではひとつの分野についてとことん極めるスタイルの学校が多く存在しています。
理系留学をおすすめするタイミングとは?
先ほどご紹介した3つのカテゴリーのでも理系留学を一番おすすめするタイミングは「大学院在学中、または大学院に進学をする時期」です。
大学である程度専門的な知識を身につけてから留学をすることでより理解度が高まります。また英語に関する勉強も大学在学中にコツコツと進めていくことで無理なく英語力を高められるでしょう。
大学生の方が留学に行く場合は、短期留学は2年生の夏頃までに、そして長期留学をする場合は短期留学を経験してから行くことをおすすめします。
大学3年時に留学する方もいますが、企業でのインターンシップや就活などを考えるとあまりおすすめできないタイミングです。
留学の種類
ここからは留学の主な種類についてご紹介します。
短期留学・長期大学
短期留学とは、夏休みなどの休暇を利用して2週間〜1ヶ月ほど現地の語学学校や大学に通う留学方法です。短期留学のメリットはずばり気軽に留学ができるということです。
長期留学とは、一般的に4ヶ月以上海外で生活をしながら、語学学校のプログラムやインターンシップを経験しながら留学プログラムのことをいいます。長期間海外に滞在しながら英語を学べるため、短期留学と比較して語学力の向上が期待できます。
一方で短期留学は海外の雰囲気や文化に慣れることを目的としているため、語学を身につけることはかなり難しいとされています。そのため、語学力や専門性の高い知識を身につけたい方は、一度短期留学で海外での生活を経験したのちに長期の留学を検討してみましょう。
交換留学
交換留学とは、国内の大学や大学院に籍を残したまま、半年から1年間の一定期間留学をする方法のことです。留学先の単位を国内の大学の単位として認めてもらえ、学費を払う必要がないことが大きなメリットです。また奨学金も併用することで現地での生活費なども工面できるでしょう。
しかし、交換留学は学内選考があることや留学先が事前に決められているというデメリットもあります。
正規留学(大学・大学院入学)
正規留学とは、海外の大学や大学院を受験して留学をする方法のことです。海外の修士や博士号などの学位がもらえるため、就職などでかなり大きなアドバンテージになるでしょう。
しかし、かなり高い英語力が求められるため、それなりの語学力がないとあまり現実的な方法とはいえないでしょう。
認定留学
認定留学とは、交換留学と同様、国内の学校に籍を残したまま1年間留学する方法のことをいいます。
交換留学と同じように、留学先の単位を国内の大学の単位として認めてもらえます。また、留学先を自分で自由に選べることも大きなメリットでしょう。しかし、交換留学とは異なり学費がかかること、そして受講する講義位によっては単位が認められないこともあるため注意が必要です。
理系留学先を探す際のポイント
理系留学先を探す際に押さえてほしい4つのポイントについてご紹介します。
自分の目的や目標を明確にする
なんのために理系留学をするのかという目的や目標をまず明らかにしましょう。それらが明確になることで、自分にぴったりの留学先を選ぶことができます。留学中のプランはもちろんのこと、留学後のキャリアプランなどについてもきちんと考えておくことがとても重要です。
大学や大学院の教授に相談する
文系に比べると選択肢があまり多くないため、理系留学を検討される場合は大学や大学院の教授に一度相談をしてみましょう。相談することで留学する上でのヒントをたくさんもらえるかもしれません。
トータルコストをチェックする
気になる留学先を見つけたら、学費や現地の物価などを確認してみましょう。滞在中にかかる費用があまりにも高額で支払いが難しいと感じる方は、奨学金の活用も視野に入れてみましょう。日本の奨学金制度だけでなく留学先の奨学金制度もありますので、積極的に活用していきましょう。
学部内でよい成績をとっておく
正規留学をする際に入学試験を実施しない学校がとても多くあります。その場合は、高校や大学在学中の成績や推薦状、そしてTOFLEなどの英語試験のスコアで合否が決まります。そのため、なるべくよい成績をとるように努力することがとても大切なのです。
理系留学でおすすめの国は?
ここからは、理系留学でおすすめの3カ国をご紹介します。
ドイツ
英語を話すイメージがあまりないドイツですが、留学先としてとてもおすすめの国です。エリアによっては英語を母国語にされている方が多くいる場所もあるので、ドイツ語だけなく英語もブラッシュアップできます。ヨーロッパの中でも治安がいい国であることや他の国と比べて学費が安いというメリットがあります。ドイツには、医学やビジネスに特化した学校がとても多く存在します。
アメリカ
留学先として不動の人気を誇るアメリカは、様々な分野の学問を学べるためおすすめです。大学や大学院の数もかなり多いため、多くの選択肢の中から自分に合った学校を選べます。しかし、地域によっては治安が安定していないというデメリットがあります。
アメリカでは、ビジネス系やIT系などの分野が留学生たちから特に人気を集めています。
イギリス
ヨーロッパの中でも留学先として人気を集めるイギリスは、4年間で修士号まで取得できるという大きなメリットがあります。期間をぎゅっと凝縮しているためかなりタイトなスケジュールになってしまいますが、他の国にはあまり見られないうれしい制度です。
しかし、物価がとても高い地域のため、生活費がかさむといったデメリットもあります。イギリスでは、開発学やビジネス学などが人気を集めています。
イギリス英語とアメリカ英語はどっちがいい?英語の訛りからみるおすすめの留学先とは?
世界の共通語として多くの国で使われている英語は、それぞれの国で異なるイントネーション(訛り)があるのが特徴です。英語のイントネーションの代表格であるイギリス英語とアメリカ英語は、それぞれの表現方法や使用する単語に違いがあります。
留学をする際にこの訛りを気にされる方が非常に多くいます。結論から申し上げると、英語のイントネーションの違いは留学する際にあまり気にかける必要はありません。その理由は、どこの国の英語を学んだとしても日本人には日本人特有の訛りがあるからです。
英語を公用語にしない国の方たちともコミュニケーションをとるための共通語として使われる英語を「Globish」と呼びます。たとえ訛りがあっても、文章を正しく組み立てて語彙力をアップさせることで相手に伝えることはできます。そのため、英語の訛りに縛られることなく、あなたの条件に合った留学先はどこかを吟味していきましょう。
留学に備えて英語力を向上させるためのおすすめの勉強方法
ここからは、留学に備えてどのように英語力をアップさせていくかというおすすめの勉強方法についてご紹介します。
- TOEICやTOEFLやIELTSなど、英語力を図るテストを受験して、現状の語学力を可視化する
- 留学をする前に、語学学校や英会話スクールなどに通って英語力をブラッシュアップする
- 理系留学前に短期の語学留学に行く
はじめに行ってほしいのが「自分の今の英語力をチェックすること」です。自分の得意なところと苦手なところをきちんと把握することで、その後の学習に活かしていけます。
また、長期の留学に行かれる前には、語学学校や英会話スクールなどに通って英語に触れる時間を作っていきましょう。集団レッスンが合う方もいるかと思いますが、なるべく個人レッスンを受けて発話する機会を増やしていきましょう。
最後に、もし時間的な余裕がある場合は、本格的な留学に行かれる前に短期の語学留学に行くこともおすすめです。英語に関する基礎的な力を身につけることで、その後の留学生活にいい影響を与えるでしょう。
まとめ|理系進学を目指す高校生へ
英語が苦手だからといった理由で留学を諦めてしまうのは、文系だけでなく理系学生にとっても、もったいないことなのです。
これから理系進学を検討している高校生は、留学をするかしないかという選択がその後のキャリアに大きく影響を与えます。そのため、理系の進学先と合わせて、留学先や留学の時期などの大まかな計画を立てることをおすすめします。そうすることで、より充実した学生生活を送ることができるでしょう。