今年の男子中学生と男子高校生の将来なりたい職業ランキング第一位はどちらも「ITエンジニア・プログラマー」だったのはご存知ですか?IT業界は、今後も発展が見込める上に、需要も高い分野と言えます。
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システムエンジニアの資格について詳しく知っておき、システムエンジニアの仕事について理解したり、学生のうちに資格をとっておけば、ライバルに一歩差をつけることができるかもしれません。
システムエンジニアになるには資格は必要?
システムエンジニアになるために資格は必要ありません。実際、資格なしで30年以上働いているベテランのシステムエンジニアは世の中に沢山います。
しかしながら、資格は自分の実力の証明になります。転職や出世、独立といった場面で強い味方になってくれます。
また、資格を取得することで、会社から報奨金や資格取得手当等を貰える場合もあるので、取っておいて損はないと言えます。
国家資格とベンダー資格って?
資格には大きく分けて2種類あります。国家資格とベンダー資格です。
- 国家資格・・・国(日本)が認める資格
- ベンダー資格・・・特定の企業や団体が認める資格
例えば、システムエンジニアの登竜門といわれる基本情報技術者試験は経済産業省が認定する国家資格です。
ベンダー資格には、Microsoft、Linux、Oracle、CiscoといったIT業界では有名な会社が認定する資格があります。
資格の種類は大きく分けて4つ
一口にシステムエンジニアといっても、いろんな分野のシステムエンジニアがいます。
みなさんが普段使っているスマホを例に挙げてみましょう。本体のプログラムを考える人もいれば、スマホにインストールされているアプリを作成している人、通信に関するプログラムを作成している人、その通信先のサーバーのシステムを作成している人etc…スマホ1つをとっても様々なシステムエンジニアが関わっています。
自分がどんなシステムを担当するかによって、取得すべき資格が変わってくるので、資格の内容をよく把握することが重要です。
システムエンジニアの資格は大きくわけて4つあります。
- 全分野共通で基本となる資格(基本情報技術者試験、応用情報技術者試験の2つが代表的です。)
- サーバー系資格
- ネットワーク系資格
- クラウド系資格
まずは、どの分野でも共通で基礎として必要になる①を取り、携わる仕事によって②~④の資格を取得していくという道が一般的です。
おすすめのSE資格
基本情報技術者試験
システムエンジニアの登竜門とも言える国家資格です。ITの基本的知識・技術を問われる試験で、システムエンジニア向けの資格の中で、最も基礎的な資格と言えます。
まずこの資格取得から始める人が多いのではないでしょうか。会社からも「基本情報くらいはとっておいてほしい」と言われる場合が多々あります。
また、この資格は就職活動に有利なため、学生がまず目指す資格として有名です。
年2回実施され、平成28年度では約14万人弱が受験し、合格率は約26%です。難易度はそこまで高くはありませんが、試験は午前・午後と2部に分かれていて、それぞれ150分の試験で量も多めです。
そのため、暗記力も必要であるため実務経験者であってもきちんと勉強しておかないと合格はできません。
応用情報技術者試験
こちらも国家資格ですが、先程の基本情報技術者試験の1つ上に位置づけされている資格です。
基本情報技術者試験を取った人が次に目指す資格と言えます。会社で実務に慣れ始めた頃にこの資格を意識し始める人が多いと思います。
年2回実施され、平成28年度では約10万人が受験し、合格率は21%です。ベテランのエンジニアでも勉強しないと合格できない資格で、難易度は高いと言えます。
その為、転職や昇進にとても有利な資格と言えます。
システムエンジニアが資格を取得するメリット
システムエンジニアには、「資格なんてとらなくても、実力があれば大丈夫」と考える風潮があります。
一方、会社には資格を取得することを奨められたり、場合によっては必須になることもあります。また、積極的に必要な資格を取得する人も沢山います。
どういったメリットを感じて取得しているのでしょうか?
転職・出世・独立に有効
資格は、自分の実力が一定以上であるということ示してくれる証明書です。
初めて仕事を頼む時、あなたは資格がある人とない人どちらを選びますか?もちろん、実力や人柄等がとても重要ですが、それは時間をかけないとすぐに判断できるものではありません。大抵の人が、資格がある人を選ぶと思います。
そういう点で、ライバルに差をつける大きな要因となるので、資格を取得する人が多いといえます。
会社からの報奨金・手当
会社によっては、資格を取得すると報奨金がもらえたり、資格手当がもらえたりします。また、昇進のために一定以上の資格が必要な場合もあります。
会社として一定の資格をとっている社員がどれだけいるか?というのが、会社の売りになることがあるからです。
資格取得によって知識が増える
やはり資格取得のためには基礎からみっちり勉強が必要です。
実力のあるシステムエンジニアとはいえ、勉強をすることで、「え!?これってそういうことなの!?」という事実を知るということも往々にあります。また、業務に利用しないことも学ぶことになるので、自分が持っている知識を体系立ててみれるようになったりします。
最初は資格なんて…と言っていた人が、「勉強して良かった。自分のためになった。」と感じることは多くあるようです。
転職やキャリアアップに有利な資格は?
資格があると転職には有利?
有利といえます。先程も述べたように、資格は自分の実力の証明書です。
採用側から見れば、資格を持っている人は安心して採用できる対象として見られます。また、人事側からみれば、知識もあってやる気もある人と評価できます。
転職やキャリアアップに有利な資格
先程も述べた通り、システムエンジニアには沢山の分野があります。利用するコンピューター言語やソフトも様々です。ですから、どんなシステムに携わるかによって、必要な資格は変わってきます。
まずは、全分野に共通の国家資格である基本情報技術者試験と応用情報技術者試験を取得することをオススメします。その後、自分の携わる内容によって、以下のような代表的な資格を取得するのが主流となっています。
- Microsoft認定試験
- Linux認定資格(LPIC)
- オラクルマスター
- シスコ技術者認定(CCNA, CCNP)
- AWS認定プログラム
資格取得が目的ではなく、システムエンジニアとしての成長を目指そう
「資格があっても仕事ができる力がないと意味がない。」システムエンジニアがよく聞くセリフです。
これは資格をとっても意味がないということではありません。
実務経験を積まないで、資格をとることだけに力を注いでいては意味がないということを表しています。
より優秀なエンジニアを目指して
システムエンジニアの良し悪しは何で決まるかというと、その構築したシステムの内容です。
わかりやすく家で例えてみましょう。
住める家なら、ある程度経験を積んだ大工さんでも造ることはできます。でも、住みやすい家、耐久性のある家、安全な家かどうかは、その大工さんの力量によって大きく変わります。
その為、良い大工さんになるためには、実務経験を積むこと、そしていろんな家に関することを勉強していくことの両方が必要になってきます。
システムエンジニアも同じことが言えます。
新人でも動くシステムを構築することはできます。しかし、汎用性があったり、セキュリティー面に強かったり、負担が少なかったりと、優秀なシステムエンジニアがつくると良いシステムができます。それには経験と知識が必要になってきます。
資格の勉強で、自信のスキルアップを目指す
資格取得のために勉強をしていると、普段実務に直接関係のない内容も勉強することになるでしょう。
しかし、その勉強で得た知識が実務をする上で役に立つようになったり、自分が携わっている仕事についてより深く理解することに役立つようになります。
資格を取得すること、そして、その時に得た知識はあなたのシステムエンジニアとしてのキャリアアップに必ずつながると言えます。
仕事をしながら勉強するというのはとても大変なことですが、より良いエンジニアを目指して、是非、資格取得のチャレンジをして下さい。