未経験者や文系もIT人材として活躍できる?イマドキの転職事情

「給与が高い。」「オフィスが綺麗で先進的。」「一人前になればフリーランスになって自由に働ける。」なんて魅力的な話がネット記事やニュースを通じてIT業界からもれ聞こえてきます。

そんなIT業界に興味はあるけど、「文系の自分にはプログラミングなんて……。」「働き出してから理系との差に絶望しそう。」「文系が就職できるITの職場なんてブラックなんじゃないの?」と尻込みしてしまっている文系学生や文系出身の社会人も多いのではないでしょうか?

今回の記事では、文系や未経験者が本当に就職できるのか?また、就職した後に活躍できるのか?について、IT業界の現状や取り組みを中心に解説したいと思います。

IT人材は年々不足。未経験者や文系でもIT業界に転身できる

IT業界は今、深刻な人手不足に直面しています。

経済産業省の調査結果でも、ビッグデータ、IoT等の新しい技術やサービスの登場により、今後も長期的にIT人材の需要が高まるのに対して、2020年以降はIT業務に従事する人口は減少し、2030年には約59万人ものIT人材が不足するだろうと予測しています。

そのため、多くの企業が「文系」「未経験」「女性」「シニア」「外国籍」といった、これまであまり目を向けてこなかった人材も積極的に採用する動きが強まっています。

なかでも「文系」「未経験」「女性」については、企業側の教育体制や産休・育休などの働き方制度の充実によって高い戦力になる可能性が高いため、特に需要が高まりつつあります。

そんな中、いち早く教育体制や働き方制度を充実させたホワイトな企業ほど受け入れる人材の幅を広くでき、受け入れた社員にも長く活躍してもらえるため、人手不足の解消に成功しつつあるのが現状です。

未経験や文系を雇うからと言って、人材を使い捨てるつもりのブラック企業ばかりといったわけではないので安心してください。

未経験者や文系がIT業界へ転身するには

企業側が未経験者や文系を受け入れる態勢を整えようと努力している一方、志望する求職者側も自分から学んでいく姿勢がいち早く戦力になるためには重要です。

企業の教育プログラムに参加

最近では採用選考中にITに関する基礎からの講座を受講してもらい、講座を修了し、成績などの一定の条件をクリアした志願者をそのまま技術派遣社員として採用する。といった採用方法があります。

この方式ならITについてまったく知識のない人でも、企業が実際に職場で必要になる知識を初歩から教えてもらえるので、未経験者や文系でも気にすることなくIT業界に転身するスタートを切ることができます。

また、技術派遣として派遣された企業で本人と派遣先企業が希望すれば、そのまま派遣先企業の正社員として転籍することができるようになっている場合も多いので、後のキャリアアップにもつながりやすいオススメの方法です。

求職者向けサービスの利用

数学や統計学の知識が必要なAIやビッグデータの解析システムの開発に比べて、ネットワークエンジニアやWEBデザイナーに必要なITスキルは比較的短期間に習得できる上、文系や未経験者でも理解しやすい要素が多くあります。

そのため、転職サイトや就活サイトなどの求職者向けサービスでは、ネットワークエンジニアやWEBデザイナーの募集に対しては未経験者にも積極的に紹介している求人が多くあります。

また、求職者向けサービスでは専用のキャリアカウンセラーなどが、「本当にまったくの未経験だが問題ない求人はないか?」「入社後に研修を十分に行ってもらえるか?」といった疑問や不安にも個別に対応しているので、まずはこれらのサービスを利用することにより、スタート時点から収入を確保しながらIT業界への転身を図ることができます。

自ら学習の機会や手段を探し活用する

一昔前はプログラミングの勉強と言えば、孤独にプログラミングを繰り返し、わからないことが出てくるとネットの掲示板やサロンで誰かが答えてくれるのを待ったり、ネット情報や書籍を読み漁ったりというのが普通でした。

初心者が特につまづきやすく、勉強をあきらめる原因になるのは、環境構築(バージョンの違いによってうまく動作しない・過去のマニュアルが通用しない)や、疑問点の解消方法がない(書籍の言う通りにやっているのに、うまくプログラムが動作しない理由がわからない)ことです。

幸いなことに、今ではプロの講師がサポートしてくれるオンライントレーニングや、環境構築などの面倒な要素を排除してプログラミングの学習だけに集中できるよう設計されたアプリなどが多くあります。

これらのサービスを利用する方が1人で悩むよりも何倍も速くスキルを身につけることができるので、積極的に活用するようにしてください。

文系でも大学からITを学ぶという選択

文系の学生の方でも、大学から理工系学部や情報系の学科に入学することでIT技術を学ぶのもよい手段です。

特に情報系の学科が設置されている大学では、受験科目は文系主体でありながら情報工学系のゼミを選択することで、ITの専門家である講師や教授から初歩から高度なレベルまで学ぶことができます。

「今から理系に転向して、受験までに数学ⅢCまで勉強するのはちょっと……。」という人でも、大学で数年間かけてIT業界で活躍できるように準備ができるのでオススメです。

最終的に必要な要素は「やる気」

IT業界が深刻な人手不足なのは確かですが、優良な企業が「誰でもいいから入社してほしい!」と考えているわけではありません。

企業側がハードルを下げているのはあくまでも入社前のITスキルの部分であり、将来的には優秀なエンジニアとして活躍してくれる人を欲していることに変わりはありません。

ただ、「IT企業は人手不足で景気がよさそうだから……。」ではなく、「文系や未経験だが、これから本気で学んでいくやる気がある!」という人でなければいい採用を勝ち取ることは難しいでしょう。

また、文系出身者ならではのコミュニケーション能力や論理的説明能力、交渉能力といった強みをしっかりともっている人なら、企業側も理系出身者以上に評価することも多くあります。

文系ならではの強みに加えて、本気で学んでいち早く即戦力になるというやる気を持ってIT業界へチャレンジすれば、きっと素晴らしいキャリアが待っているはずです。

これから伸びるIT業界で活躍できる人材を早くから目指そう

ブラック企業や激務など、マイナスのイメージも強いIT業界ですが、人手不足の深刻化や働き方改革の推進などで、業界全体が幅広い人材に長く活躍してもらう方向に向かっています。

また、AIやIoTなど、IT技術はこれからますます発展しより高度な人材が求められるからこそ、IT業界にチャレンジするならできるだけ早い段階で準備することが大切です。

社会人になってからIT業界へ転身するのも悪くない選択ですが、大学の時点から学ぶことができれば、より高度な作業のできる上級エンジニアへのキャリアが開きやすくなります。

ITが学べるのは必ずしも数学や物理、化学といった受験科目が必要な学部・学科だけではありません。もし今IT業界に興味があるなら、入学後にITスキルを伸ばせる大学や学部・学科について調べてみることをオススメします。

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