電気自動車の今後や将来、自動車メーカーの動きを知って工学部での学びを深めよう!

今では当たり前に道路を走っている車ですが、その車の中でも電気自動車が注目されています。名前の通り電気を充電して走る車です。

高速道路や近くのパーキングなどで充電しているところを見かけることも増えてきた電気自動車ですが、実際はどのような特徴を持った車なのでしょうか?電気自動車の今後や各自動車メーカーの動きと合わせてご紹介させていただきます。

電気自動車の現在

いま、電気自動車が注目されている理由

現在国内ではインフラ整備が整いはじめ電気自動車が急速に普及してきています。なぜガソリンを使う車ではなく電気自動車なのか、その理由は環境問題にあります。

地球温暖化の大きな原因の一つとして、C02の排出があります。従来のガソリン車はガソリンを燃焼させて走るため、どうしてもC02の排出からは逃れられません。

しかし電気自動車は電気で走るため、C02は一切排出されないのです。ハイブリッドカーもエコカーとして車業界を牽引していますが、ガソリンを使うため多少なりともCO2の排出があることを考えると、電気自動車こそ究極のエコカーといえます。

電気自動車の特徴やメリット

エンジンがないため通常のガソリン車に比べ部品点数が100~300分の1になることで、故障が極端に少なくランニングコストが安く済むというメリットがあり、さらには車内にエンジン音が入らないため、ガソリン車に比べ車内の静粛性も高まっています。

また、モーターの力で加速するため、ガソリン車とは比べ物にならない加速性能で、ストレスなく車を走らせることができます。

世界の動き

日本ではまだ国内の販売台数のうち電気自動車の占める割合はたった1パーセント程度ですが、世界は「EVシフト」に向けて既に動き出しています。

ノルウェーでは2025年までにすべての車を電気自動車に切り替えると宣言、中国でも大気汚染対策の切り札として電気自動車の普及を進めています。

日本は遅れている?

このような動きの中で日本は電気自動車の販売割合をみるとかなり遅れているように感じます。しかし世界で一番売れている電気自動車は日産リーフという車です。日本も大きくEVシフトに貢献しているといえるでしょう。

電気自動車の今後と将来

現在少しずつ浸透し始めている電気自動車ですが、将来性はどうなのでしょうか。ガソリン車が広く浸透したように、電気自動車が特別ではない車として広まることはあるのでしょうか。

電気自動車の現在

電気自動車は排気ガスを一切出さないゼロ・エミッション車として世界中から注目されていますが、普及率としてはまだまだ低いのが現実です。
しかし、ここ数年でインフラ整備が急速に進み、減少傾向にあるガソリンスタンドとは反対に充電施設は増え続けています。緩やかではありますが、電気自動車の販売台数は年々増加の傾向にあるのです。

今後の普及率

電気自動車が普及することで、エンジンの部品を作っている会社は大打撃を受けます。整備をする工場は故障の少ない電気自動車が普及することによって利益が減ります。このように電気自動車が普及することによって利益の確保が難しくなる企業もあるため、急速にガソリン車から電気自動車への切り替えが進むことは難しいかもしれません。

しかし、EVシフトの加速を見据えて蓄電池の開発を行っている会社もあります。国だけでなく、企業も電気自動車の普及に向けて既に動き出しているのです。EVシフトという考えが急速に加速している今、100年に一度の大変革とも言われているのです。

電気自動車を取り巻く規制や環境は今後どうなる?

電気自動車の普及に欠かせないインフラ整備、世界各国の排ガス規制など、ガソリン車から電気自動車にシフトするための準備は整いつつあるのです。

スマートフォンが急速に普及し今では当たり前になったように、数十年後には電気自動車が当たり前に世界中を走っているかもしれません。

自動車メーカーの電気自動車に関する動き

では、肝心の各自動車メーカーでは電気自動車に対してどんな動きがあるのでしょうか。メーカー別にまとめてみました。

【トヨタ】

現在トヨタでは純粋に電気のみで走る車はラインナップにありません。エンジンとモーターを搭載しているハイブリッドカーが主力となっています。

電気自動車の産業に参入する動きは今のところ見えませんが、トヨタではFCV(燃料電池車)のミライという車が発売されています。CO2排出ゼロという点では電気自動車と同じような位置づけができます。しばらくは電気自動車の販売はせず、このFCVに力を注ぐようです。

【日産】

世界販売台数1位、リーフを取り扱っている会社です。また、バンタイプのe-NV200という車も販売しています。家庭用蓄電設備や充電料金月額2000円など、電気自動車の普及に力を入れています。

ガソリン車が普及する以前から電気自動車の将来性を見据えていた会社でもあり、2017年9月には航続距離400㎞の新型リーフを発売し、日本のEVシフトに大きく貢献しているといえます。これからも国内の電気自動車を牽引していく存在になりそうです。

【国内その他メーカー】

ホンダ、マツダでは現在電気自動車の取り扱いはありません。ハイブリッドカーやクリーンディーゼル車に力を注いでいる会社です。ホンダでは過去にリース専用としてフィットのEVを発売していましたが、現在は販売終了となり、再発売の話は出てきていません。

三菱はミーブシリーズを販売し、日産自動車と並び電気自動車に力を入れている会社です。普通車サイズの電気自動車を販売している日産自動車に対し、三菱は軽クラスの電気自動車を販売しています。電気自動車のラインナップとしてはアイミーブ、ミニキャブミーブ、ミーブバンの3車種と国産メーカーでは最も多い取り扱いです。

【外国車メーカー】

外国車メーカーで電気自動車として日本で最も有名なのはテスラです。日本にも導入され販売台数を伸ばしているため、EVシフトには欠かせない存在となりそうです。フォルクスワーゲンでも現在e-ゴルフというものが販売されています。ドイツとしては、過去問題になった排ガス規制問題のイメージ払拭の足掛かりとして電気自動車にシフトしている傾向があります。

電気自動車が普及する将来のために学んでおきたいこと

世界各国で見ても、PHEV(外部充電可能なハイブリッドカー)はかなりの車種が発売され、人々にも広く浸透していますが純粋な100パーセント電気自動車はまだまだ数が少ないです。しかし、電気自動車の時代は必ずやってきます。

普及のためには何が必要なのか?どうすれば人々にもっと深く電気自動車を知ってもらえるのか?理系大学、工学部で学べば疑問も解けるかもしれません。あるいは、電気自動車が普及していく中でもっと大切な何かを発見できるかもしれません。

疑問を持つことは簡単に感じるかもしれませんが、そのことに興味がないと浮かばない、実は一番難しいことです。疑問が持てればあとは解決するだけです。理系大学、工学部で学ぶことが皆さんの疑問を解くことへの第一歩になればと思います。

電気自動車について深く学ぼう!

平成30年4月、交通機械工学科に「先端交通・航空宇宙コース」が開設されます。

このコースでは、航空宇宙工学の他、電気自動車をはじめ自動運転システムなどの次世代モビリティの最新技術が学べます。