インテリアデザイナーとは、インテリアを用いて建築物の室内空間をデザインする仕事です。感性が重要と思われがちですが、プロとして仕事をするためには資格が必要です。
今回は、インテリアデザイナーとして活躍するために必要な資格を紹介します。
インテリアデザイナーとは
インテリアデザイナーは、インテリアを用いて建築物の室内空間をデザインする仕事です。例えば、椅子や机、家具などを、住まう人の家族構成やライフスタイル、趣味、予算などを踏まえ最適なインテリアを提案します。
重要なのは住まい手が「どんな空間に住みたいか」というイメージを共有することです。家族が落ち着いて生活したい場合、温かみのある木のインテリアが良いかもしれません。逆に、芸術的な仕事を行う事務所の空間では、温かみのあるインテリアよりも、透明感や緊張感のあるデザインが当てはまります。このように、インテリアデザイナーはインテリアによって空間を創り上げる仕事です。
インテリアデザイナーになるための資格
まずは、インテリアデザイナー必要な資格についてご説明します。
資格はなくてもインテリアデザイナーになれる
実は資格がなくてもインテリアデザイナーになることは可能です。なぜなら「建築士」のように、業務自体に資格制限がないためです。しかし現実的には、資格が無ければプロとして認めてもらうことは難しいでしょう。
インテリアデザイナーの資格種類や試験概要
1.インテリアデザイナー
インテリアデザイナーに必要な資格はいくつかあります。1つは、その名のとおり「インテリアデザイナー」資格です。これは、日本デザインプランナー協会が運営元の認定試験です。受験資格は特になく、在宅受験も可能です。
2.インテリアコーディネーター
2つめは、インテリアコーディネーターです。インテリアコーディネーターは、インテリア産業協会が運営する資格試験です。受験資格は特にありませんが、1次の学科試験と2次のプレゼンテーション・論文試験に合格する必要があります。
3.インテリアプランナー
3つめは、インテリアプランナーです。建築技術教育普及センターが運営する資格試験です。元は国土交通省が運営する国家資格でしたが、現在は民間資格となりました。1次の学科試験と2次の製図試験に合格する必要があります。
また、本資格は2段階の資格構造となっています。1次試験に合格すれば、アソシエイト・インテリアプランナーになれます。年齢制限や実務経験も必要ありません。そして2次試験に合格すれば、インテリアプランナーとなるのです。
いずれも、インテリアに関する商品知識や空間に対するスケール感など、インテリアデザイナーとしての理解力や表現力が問われます。
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インテリアデザイナーの各資格の難易度
1.インテリアデザイナーの合格率
「インテリアデザイナー」の合格基準は、70%以上の正答率で合格となります。過去の合格率は30%前後です。
2.インテリアコーディネーターの合格率
インテリアコーディネーターは1次試験の合格率が30%前後。2次試験の合格率が60%です。2次試験を通しての合格率は、20%前後です。
3.インテリアプランナーの合格率
インテリアプランナーは1次試験と2次試験を行うため、難易度が高くなります。但し1次試験の合格率は昨年が60%前後。2次試験を通しての合格率は20%前後です。
各資格試験ともに簡単ではありません。大学で勉強するインテリアの基礎知識が重要です。
インテリアデザイナー各資格取得のための費用
「インテリアデザイナー」の認定試験は、受験料が10,000円。
インテリアコーディネーターは、1次試験の費用が11,300円。2次試験の費用は14,400円です。
インテリアプランナーは、1次試験の費用が9,000円。2次試験の費用は15,000円です。
インテリアコーディネーターとインテリアプランナーは、2次試験まであるため費用が多めに必要です。
通信教育、通信講座での資格取得
インテリアデザインの資格取得を目指すとき、通信教育や通信講座を受ける方法もります。これらのメリットは、「自分のペースで試験勉強が進められること」「資格試験に関するノウハウが得られること」です。
特に、インテリアプランナーとインテリアコーディネーターは、2次試験が製図試験です。製図試験は学科試験と違い、丸暗記で合格できるものではありません。きれいな線の引き方から学び、お題に対して満足する図面を描く必要があります。これは市販の本や、大学の本より、ノウハウを詰め込んだ通信教育や通信講座が有利でしょう。
但し、単に資格を合格してもインテリアデザイナーとして活躍できません。まずは大学でインテリアや建築に関する基礎を学んだ上で、必要があれば通信教育を受ける方が無難ですね。
インテリアデザイナーとして他に持っているとプラスとなる資格
インテリアデザイナーとして活躍するためには、関連する資格を持っていると仕事の幅が広がります。ここでは、持っているとプラスになる資格を紹介します。
建築士
建築士は、建築の法規や計画、環境、施工、構造など、建築に関係する幅広い分野に精通します。建築士の資格には、一級建築士、二級建築士、木造建築士があり、いずれの資格もインテリアデザイナーとして活躍するときプラスです。
例えば、一級建築士の資格を取得すれば、建築物の設計を行った後に、インテリアデザイナーとして家具やインテリアのデザインを提案できるでしょう。
カラーコーディネーター
色は空間のイメージを決定づける、と言えます。例えば、温かみのある空間にしたいのなら暖色系が基本です。このように、カラーコーディネーター検定試験では、仕事に役立つ色彩の知識を学ぶことができる検定試験です。
カラーコーディネーターとなることで、住まい手が求めるより良い空間を提案できるでしょう。
大学でインテリアデザインを学ぶメリット
ここでは、大学の建築学科でインテリアデザインを学ぶメリットについて紹介します。
資格取得にプラス
大学の授業でインテリアデザインに関する基礎学習や演習を行います。これらの授業では、住宅や店舗などの室内空間のデザインを通して、家具や照明機器の基本的な選び方を学ぶものです。大学で習う基礎知識は、実務でも必要です。インテリアデザインの資格取得をスムーズに進めることができるでしょう。
実践的な内容が学べる
近年、新築建物の設計より既存建物の改修設計が多くなっています。インテリアデザイン演習の授業では、室内空間をリフォームする方法も学びます。元の室内空間を、住まい手の要望を踏まえて、どう変えるかという演習はとても実践的です。また、課題演習ではプレゼンテーションも行うので、仕事で発表するときの練習にもなります。
これからインテリアデザイナーを目指す方へ
インテリアデザイナーは空間を演出する素晴らしい仕事です。インテリアの配置1つで、ガラッと空間の雰囲気、住まい手の気持ちも変えることができます。
そんなインテリアデザイナーになるためには、建築の知識も不可欠です。インテリアは建築物無しでは活躍できないからです。そこで、建築とインテリアに関する知識両方を学ぶために、大学の建築学科入学を最もおすすめします。卒業後、建築士とインテリアに関する資格を両方取得すれば、1つの建築物を設計し、室内空間をインテリアで演出するトータルコーディネートできるでしょう。
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