工学部では英語力が求められる?必要な英語力や英語を学ぶメリットについて

みなさんは、中学、高校、場合によっては小学校でも英語を学んできたと思います。そんな中、誰でも一回は「こんなに英語を学んで何に使うの?」と考えたことがあるのではないでしょうか。

今回は、工学部の進学を考えている人を対象に、英語にまつわる情報をお届けしたいと思います。

工学部では英語力を求められる?

入試の際

基本的に英語は必須です。一般的に、理系・文系、学部等関係なく、英語は入試科目として入っている場合がほとんどです。ですから、工学部も例外ではありません。

どれくらいのレベルの英語が必要になるかというと、「大学による」としか言いようがありません。難しいランクの大学でしたら、外国語大学並みの英語が必要になったりします。かと思うと、難関レベルの大学なのに、英語だけは中堅レベルの問題だったりすることもあります。

ですから、行きたい大学のランクと過去問をよく確認してみることが入試においては重要なポイントと言えます。

「あ~あ、英語やっぱり必要なのか…」とがっかりしたあなたに朗報です!実は一部の私立大学では英語が不要な場合があるのです。

例えば、久留米工業大学の一般入試では、英語は必須ではありません。

久留米工業大学の場合、機械システム工学科・交通機械工学科・教育創造工学科は【数学】が必須、【英語or物理or化学or生物から1教科】の合計2教科の試験となっています(平成30年度一般入試)。

「工学部に入りたいけど、英語は苦手だからなぁ~」という人は、いろんな工学部の入試情報をよく調べてみるのがオススメです。

工学部に進学してから

大学に進学した後も、英語は必要です。大抵の大学では、一般教養として英語が必須になっています。また、研究室に入ると論文や資料を読むことが増えるのですが、それが英語で書かれていたりします。例えば、工作機械の説明書が英語で、日本語訳がなく、どうしても読む必要が出てくるということがあります。

工学部での英語

大学での英語

大学にもよりますが、一般的には一般教養として英語の単位取得が必須となっています。大学に入っても英語は重要なのですね。

「じゃあ、大学に入ったのだから、もっと英語が難しくなるのでは?」と想像しちゃいますよね?実は違うのです。

大抵は高校レベルの英語を学ぶ場合がほとんどです。私自身は「むしろ、入試の英語の方が難しかったのでは・・・?」と感じたくらいです。

しかし、専門的な内容を学ぶにつれ、英語で書かれた資料や論文を読む機会が増えてきます。特に4回生になると実感するのではないでしょうか。

そして、その資料に書かれている英語を初めて読んだ時、英語が得意な人でさえ「あれ!?」と驚く場合がほとんどではないでしょうか。それは、その資料が技術英語と呼ばれる英語で書かれているからです。

技術英語とは?

技術英語とは、世界のどの技術者でも理解できるように使われる英語のことです。技術英語は、仕様書、指示書、解説書といった、技術的な文書に使われます。

グローバル社会の現代では、海外のいろんな製品を手に取る機会が多くなりました。また、日本の製品を世界中に販売することも多くなってきました。

例えば、ドイツ製の工作機械で、フランス製のソフトウェアを利用して実験を行うなんてことは多々あります。その際、工作機械の説明書がドイツ語、フランス製のソフトウェアはフランス語だと、翻訳が大変ですよね?そして、メーカーとしても、輸出先の国々の言語に合わせて各々説明書を作成するのもとても手間がかかります。

そこで、どの国の人でも理解できるように、技術英語を国際言語として利用するようになりました。普通の英語と違うポイントは、技術的な情報が正確に、わかりやすく伝わるように特化しているという点です。

具体的にピンとこない人が多いと思いますので、簡単な例文を挙げてみたいと思います。

Approximately 1 man-hour is required to complete PART I and approximately 4 man hours are required to complete PART II of this bulletin.

おおよそではありますが、この技術告示でのパートⅠを終わらせるためには1人時(一人が1時間に成し遂げる仕事量)が、パートⅡを終わらせるためには4人時が必要となります。

これは、あるメーカーのヘリコプターの技術告示(エンジニアはTBと呼びます)の一文です。日本語だけでも専門的な用語が出てきて難しそうな感じがしますよね?

私も初めて技術英語に出会ったとき、そう思いました。

でも、大丈夫です。あくまで私一個人の感想ですが、技術英語はすぐに慣れます。英語が苦手な人でも克服できます。最初は知らない言い回しや単語がたくさん出てきて大変ですが、ある程度決まったものしか出てこないので、慣れてくればスラスラ読めるようになってきます。

※中~高校で学んだ基本的な英語の能力が備わっていることが前提となります。

工学部でも英語を学ぶ必要がある理由

世界で通用するエンジニアになるため

実際、日本のエンジニアが全員、技術英語を使いこなしているわけではありません。「ほとんど英語なんて触れることないよ」というエンジニアも沢山います。

しかし、「第一線で活躍したい」という志があるエンジニアには英語が必須になってきます。

もちろん、グローバルな環境では、同僚や世界中の取引先相手とコミュニケーションをとる必要があります。しかし、それ以上に、世界の最新の情報は全て英語で書かれているという点が大きいと言えます。

最新情報は英語で発表されることが多いため

さきほどもお伝えしましたが、最新情報は国際用語である英語で発表されます。もちろん、重要な情報は後で日本語に翻訳されることもあるので決して手に入らないわけではありません。

しかし、翻訳作業には手間と時間がかかる、必ずしも自分に必要な情報が翻訳されるわけではないといった点から、やはり英語が必要になってくると言えます。

ブリッジSEなど英語ができたほうがいい職種も

皆さんはブリッジシステムエンジニアという職種はご存知でしょうか?現在注目を集めている職種の一つです。

現在、日本ではエンジニア不足やコスト削減が原因で、海外に開発を委託することが増えてきています。しかし、海外に開発を委託する際、言語・文化・時差・慣習等の違いで開発がうまくいかないケースが多々あります。

そこで、海外と日本の架け橋としてお互いの間に立ち、円滑にミスがないよう仕事を調整していく人が必要になります。それがブリッジシステムエンジニアです。

もちろん、海外とのやり取りを円滑にする必要があるわけですから、ブリッジシステムエンジニアは英語が必須となる職業です。

まとめ:工学部と英語

今回は、入試科目としての英語、大学での英語、技術英語を紹介してきました。

「工学部の学生にとって、英語は絶対必要!」とは言い切れませんが、多少なりとも必要になることがお分かりになったのではないでしょうか?

「自分は英語は得意!」「英語ならなんとかなりそうだな。」という人は、まずは入試に向けて英語の勉強を頑張ってください!

そして、「自分はどうしても英語がダメだ!!」という人は、英語不要の入試制度を設けている大学もありますので、大学進学を諦めないで、いろんな大学の入試科目を調べてみてください。

もちろん、余裕があったり興味があったりするのであれば、どんどん英語に触れていってください。英語は学んで損はありません!むしろ、あなたの将来の選択肢を大きく広げてくれる要素の一つと言っても過言ではないのです。