情報ネットワーク工学科 ビジュアルコンテンツコース

久留米工業大学 工学部

情報ネットワーク工学科

IT×ビジュアル表現技術=もっとワクワク

情報技術とグラフィックスの掛け合わせ・・・CGやVRはゲームやアニメ等のエンターテインメントだけにとどまりません。情報技術と組み合わせることで、恐怖症克服システムやヒットするキャラクターデザイン、学習支援教材やAIメンター(勉強を応援してくれるバーチャルキャラクター)等の応用範囲が広がります。このコースでは、ビジュアル表現の核となる技術であるコンピュータグラフィックスの生成技法を学び、さらにプログラミングと組み合わせてゲーム的な要素を持ったシステム開発まで行うことができます。

  1. CGとプログラミングで未来を創る

    プロのクリエイターが利用するツール(Maya, Adobe Photoshop & Illustrator, Unity, Unreal Engine)の実践的なスキルを学んで、自分だけの作品を作ることができます。卒業研究ではVRやARも駆使して、メタバースやデジタルツインなどの仮想世界を構築できます。

  2. 3DCGで表現する、無限の可能性

    3Dモデルの作り込みや、3Dモデルに動きを与え、インタラクティブな作品を作れるようになります。ポートフォリオを作成して、VR/ARやゲーム・映像業界への進路を開拓するだけでなく、メタバース進出を目論む企業の事業DX化に貢献するなど、幅広い分野で活躍できるスキルを修得します。

  3. CG分野の資格取得も支援

    文部科学省後援のCGクリエイター検定。上位レベルのエキスパートを対象に、全国でもあまり例をみない資格取得支援対策講座を開講・取得支援しています。2021年度には、合格率部門(エキスパート)において、CG-ARTS賞を教育校として受賞しており、毎年全国平均(20%台前半)を大きく上回る合格率(60%以上)を保っています。

先生紹介

  • 河野 央

    教授/博士(芸術工学)

    主な担当科目

    コンピュータグラフィックスⅠ・Ⅱ/ Webデザイン

    TV CM用の3DCG映像制作の経験を活かして、モデリングからアニメーションまで実践的な制作技法を初心者でも体系的に学ぶべる授業を用意しています。この他、WebデザインやAIアプリまで担当しています。

  • 工藤 達郎

    准教授/博士(芸術工学)

    主な担当科目

    CGプログラミング演習Ⅰ

    先生自身がメディアクリエイターであり、多数の受賞作品を有しています。その経験を活かして、CGとプログラミングを掛け合わせてインタラクティブな作品・コンテンツを作成するための技法を体系的に教えます。

  • 池田 雄一郎

    特任助教/修士(工学)

    主な担当科目

    Picture塾

    先生が学生団体Pictureを統括しており、入学後にいち早くビジュアル表現技術の学びを体験できるように課外授業「Picture塾」を開講。さまざまな要素技術のうち、重要な技術をまずはざっくりマスターすることで、ビジュアルコンテンツクリエイターとしての一歩を踏み出すことができます。

カリキュラム例

  • コンテンツ制作入門からゲーミフィケーションまで

    本コースでは、はじめにビジュアルコンテンツ制作技術全般を俯瞰・体験し、制作者としての視点を養います。次に、Adobe社のツールを利用した2次元コンピュータグラフィックスの制作技法や、Autodesk社Mayaを利用した3DCGをモデリングからアニメーションまで学びます。更に、上位学年では、プログラミング技術を融合させ、ゲーミフィケーションやインタラクティブな作品作りを行います。同時に、CGクリエイター検定エキスパートレベルの知識修得も支援します。

成果事例

学生の研究紹介

  • VR空間の鏡は、なぜ人を惹きつけるのか?

    ソーシャルVR, メタバース, 鏡効, 行動分析, VRChat

    研究概要

    近年注目される「メタバース」や「ソーシャルVR」では、仮想空間で人々が集まり交流します。その中で特に目を引く存在が「鏡」です。多くのユーザーは鏡の前で自分のアバターを見たり、鏡越しに会話を楽しんでいます。
    本研究では、VRChat上に実験用のワールドを作成し、ユーザーの位置や視線を記録できるログアナライザを開発。被験者にHMDを装着してワールドに参加してもらい、鏡や他のオブジェクトをどれだけ注視したかを定量的に分析しました。その結果、鏡は他のコンテンツよりも長く注目を集める効果があることが明らかになりました。この成果は、VR空間でのコミュニケーション設計やメタバース体験の質を高める上で重要な示唆を与えます。今後は、複数人同時の実験を通じて、鏡が交流に与える影響をさらに解明していく予定です。

  • VRで不思議な感覚を体験! 脳をだます錯覚の謎に迫る研究

    VR-HMD, ファントムタッチ錯覚, ハンドトラッキング

    研究概要

    この研究の目的は、VRでファントムタッチ錯覚を起こすために、どのような条件が必要かを明らかにすることです。将来的に、この研究で得られた知見が、脳卒中で麻痺した患者さんのリハビリテーションに応用される可能性があります。
    実験では、被験者に「初回だけセルフタッチをする」パターンと、「毎回セルフタッチをする」パターンの2つを試してもらい、その結果を比較しました。分析の結果、セルフタッチが、錯覚を「起こす」こと自体に、統計的に大きな影響はないようです。しかし、毎回セルフタッチをすることで、錯覚がより長く「続く」可能性が示唆されました。このことから、ファントムタッチ錯覚を起こすためには別の要因が影響している可能性があり、一方でセルフタッチは、錯覚の持続性に関係していることが示唆されました。

  • VRゲームで迷子にならないための秘密兵器! 視線誘導エフェクトの効果を大検証

    HMD-VR, 視線誘導

    研究概要

    この研究の目的は、VRコンテンツに視線誘導エフェクトを取り入れることで、ユーザー体験がどのように変わるかを評価し、より効果的なデザイン方法を見つけることです。実験では、VRコンテンツを体験するグループを「視線誘導エフェクトがある」グループと「エフェクトがない」グループに分けて、比較実験しました。
    その結果、VR酔いの軽減、タスク達成度の向上、VR体験の「面白さ」や「タスクへの集中」が高くなり「ストレス」をあまり感じないことがわかりました。ただし、エフェクトのデザインが不適切だと、うまく効果が出ない場合もあるようです。このことから、視線誘導エフェクトはVR体験を大きく向上させる力があるものの、その設計が非常に重要であることが示されました 。