情報ネットワーク工学科 AI・ウェルビーイングコース

久留米工業大学 工学部

情報ネットワーク工学科

コース特色

私たちの社会は、今、大きな変革期を迎えています。AIやビッグデータといったテクノロジーが急速に発展し、私たちの生活や行動は情報技術と組み合わさることで、様々な膨大なデータに変身します。そんな時代だからこそ、求められているのが、データから新たな価値を生み出す力、そして、その力を使って社会をより良くしていく力です。私たちの身の回りのあらゆる場所に存在しているデータの中から、データの中に隠された意味を見つけ出し、AIを使って社会の課題解決に繋げる。それが、このコースの学びです。

  1. 最先端のAI技術に触れる

    ディープラーニング、自然言語処理など、最先端のAI技術を学び、実践的なスキルを習得します。

  2. データ分析の基礎を固める

    統計学、プログラミングなど、データ分析に必要な基礎知識を演習を通して実践的に学びます。

  3. 実践的な課題解決力を養う

    企業との共同研究やインターンシップを通じて、実際のデータに触れながら、問題解決能力を養います。

  4. ビジネスの教養やデザイン思考を身に付ける

    実社会で必要になる企業経営やアイデアを発想し形にする力、ウェルビーイングの考え方・・・理系を超えた学びを用意しています。

先生紹介

  • 江藤 信一

    教授/博士(工学)

    主な担当科目

    デザイン思考

    デザイン思考や人間中心設計(HCD)プロセスについての講義と演習を行います。実際にグループワークやディスカッションを通して、問題発見・課題解決を考え、プレゼンテーションによって成果を発表するアクティブラーニング型の講義です。

  • 小田 まり子

    教授/博士(工学)

    主な担当科目

    AI・ウェルビーイング工学概論

    AIとウェルビーイングの融合に必要な考え方を身に付けます。実際の事例を題材に、AIとウェルビーイングの関係性を深く掘り下げ、AI技術を理解し応用できる能力、ウェルビーイングの概念を理解し多角的な視点から考える力を身に付ける基礎作りを行います。

  • 馬場 隆寛

    准教授/博士(理学)

    主な担当科目

    データサイエンス基礎

    データサイエンスとは何かを理解し、様々なデータに対してデータサイエンスを用いることができる視点を養います。 また、機械学習の基礎や分析結果の評価について学びます。

カリキュラム

  • ウェルビーイングの考え方から企業経営・マーケティングまで

    本コースの特徴として、先端的な情報技術による課題発見・解決型教育だけでなく、企業の経営やマーケティング、デザイン思考まで幅広く学ぶことが挙げられます。情報技術を単に学ぶのではなく、自分のため、誰かのため、課題解決の先にある人々を見据えて、次のステップへ学びを進めます。

学びの成果事例

学生の研究紹介

  • AIで八女茶の味を予測!地域の気候から未来のお茶をデザインする

    八女茶, 味覚センサ, 気象データ, 機械学習

    研究概要

    福岡県の特産品である「八女茶」は、天候によって味わいが大きく変化します。私たちは、過去の八女茶の味データと気象庁の気象データを組み合わせ、機械学習(ニューラルネットワーク)を用いて「その年のお茶の味」を予測する研究に取り組みました。
    具体的には、酸味や渋味、旨味などの「味数値データ」と、日照時間や降水量などの気象データを入力してAIに学習させます。その結果、酸味や旨味のコクは特に予測に適していることが分かりました。
    まだ改善の余地はありますが、この研究を通して「気候と味の関係性」を科学的に明らかにすることで、より高品質なお茶づくりや地域産業の発展に貢献できる可能性が見えてきました

  • AIがあなたの心に寄り添う ― 健康と福祉を支えるカウンセリングbot

    生成AI, RAG技術, カウンセリング, メンタルヘルス, SDGs目標3

    研究概要

    ストレスや不安を抱える人が増える一方で、心理カウンセラーの数は不足しており、誰もが気軽に相談できる環境はまだ十分に整っていません。そこで本研究では、「生成AIを活用したカウンセリングbot」の開発に挑戦しました。
    実際のカウンセラーの回答データをもとに、必要な情報を検索し自然な文章を生成する「RAG技術」を活用。相談者に寄り添う自然で共感的な応答ができるAIを構築しました。
    この取り組みは、SDGs目標3「すべての人に健康と福祉を」に貢献することを目的としており、将来的には一人ひとりが安心して心のケアを受けられる社会の実現につながります。

  • AIの目でぶどうを育てる!AIとARで摘粒作業をサポートする研究

    摘粒, 画像認識, YOLO11, Depth-Anything V2

    研究概要

    本研究は、ぶどう栽培において重要な作業である「摘粒(てきりゅう)」を、専門技術を持たない新規就農者でも行えるよう支援するシステムを開発することを目的としています。システムでは、AIによる画像認識技術を用いて、除去すべき果粒を特定し、AR(拡張現実)技術で間引くべき果粒を提示することを目指しています。特に、摘粒すべき果粒を選ぶ際に重要となる果粒の向きや、重なった果粒同士の前後関係を把握するため、AI技術であるYOLO11-OBBを用いて果粒の向きを予測し、Depth-Anything V2を用いて深度推定を試みました。その結果、ぶどうの房と果粒を認識し、奥行きを推定できることを確認しましたが、果粒の向きを正確に捉えることには課題が残されました。