情報ネットワーク工学科 AI・ウェルビーイングコース

久留米工業大学 工学部

情報ネットワーク工学科

データから答えを導き、AIで役立つ仕組みをつくれる。

画像認識などのAI技術と、データ分析の基礎(プログラミング・統計学)を学び、企業や自治体の課題に取り組むPBLで、使う人の幸せ(ウェルビーイング)を考えた仕組みを形にします。

学生が開発したAIが、キュウリの形・長さを画像から判定している画面
STUDENT WORK収穫したキュウリの品質を、AIが画像で判定株式会社久留米原種育成会の課題をテーマに、スマホで撮影したキュウリの形・長さをAIが判定して自動で仕分けし、収穫データもグラフで見える化するアプリを開発。農家の方から「作業が楽になった」と喜ばれました。
学べる
AI・ウェルビーイング工学概論/データサイエンス基礎・データサイエンス/デザイン思考/AI・ウェルビーイング工学Ⅰ・Ⅱ(PBL)/ビジネスデータ分析/技術経営概論
できる
  • データを分析し、未来を予測するAIモデルをつくれる
  • 自分だけの画像認識AIを開発し、現場で使える形にできる
  • 課題を見つけ、AIを使った解決策を提案・実装できる
仕事
AIエンジニア/データサイエンティスト/データアナリスト/企業のDX推進担当/AIコンサルタント
  • 医療の現場でも:ストーマ装具選びをAIで支援

    ストーマ(人工肛門・人工膀胱)の装具は種類が多く、患者に合うものが決まるまで時間がかかります。この課題に本学科の2年生3名が挑戦。九州大学病院から提供されたカルテとCT画像で学習データをつくり、39種類の装具を6種類に整理し、適した装具を自動で選ぶAIモデルを構築(正解率80%)。病院でタブレットやスマホから使えるWebアプリにしました。

  • 心・技・医 三位一体教育プログラム

    久留米工業大学(工学=技)、純真学園大学(医療=医)、九州大谷短期大学(人間学=心)の3大学が連携し、「工学×医療×人間学」を融合して学ぶプログラムです。本学科では1・2年次の集中講義「心・技・医融合Ⅰ・Ⅱ」で、3大学の学生と一緒に学べます。2026年度の「心・技・医融合概論」では、受講生18名全員が「受講してよかった」に最高評価。「1つの専門分野だけでは解決できない課題がある」「人間の幸せを中心に技術や医療を考える視点が身についた」にも、受講生の100%が肯定的に回答しました。

  • PBLのテーマはこれまでに35以上

    八女茶の味をAIで予測する研究や、ChatGPTで営業を支援するチャットボットなど。地域課題解決型AI教育は2024年度に日本工学教育協会の「工学教育賞」を受賞しました。また、文部科学省「数理・データサイエンス・AI教育プログラム認定制度」で、リテラシー・応用基礎の両レベルでプラス認定を受けた私立大学は全国で本学のみです(2025年度までの実績)。

取得をめざせる資格

  • G検定:授業と部活動の勉強会で支援(2023年度 学部生6名・大学院生2名合格)
  • E資格:AIエンジニア向けの難関資格。受験費用を補助(2022年度以降 学部生2名・大学院生2名合格)
  • 高等学校教諭一種免許状(情報)

学生活動:データサイエンス部

データサイエンス、機械学習、プログラミングを学び、データ分析コンペに参加しています。2023年度・2024年度には、テキスト分析・画像分析をテーマにした学内コンペを部員が企画・運営。G検定など関連資格の勉強会も開いています。

3つのコースは学びの分野を示すもので、特定のコースに縛られません。1年次に全コースの入門科目を体験し、2年次に「自分は何を学ぶのか」を明確にするためにコースを選びます。選んだ後も、ほかのコースの科目を組み合わせて学べます。3コースを比べる

コース特色

身の回りのあらゆる場所にあるデータから隠された意味を見つけ出し、AIを使って社会の課題解決につなげる。それが、このコースの学びです。

  1. 最先端のAI技術に触れる

    ディープラーニング、自然言語処理など、最先端のAI技術を学び、実践的なスキルを習得します。

  2. データ分析の基礎を固める

    統計学、プログラミングなど、データ分析に必要な基礎知識を演習を通して実践的に学びます。

  3. 実践的な課題解決力を養う

    企業や自治体の課題に取り組むPBLや共同研究を通じて、実際のデータに触れながら、問題解決能力を養います。

  4. ビジネスの教養やデザイン思考を身に付ける

    企業経営、アイデアを発想し形にする力、ウェルビーイングの考え方など、理系の枠を超えた学びを用意しています。

先生紹介

  • 江藤 信一

    教授/博士(工学)

    主な担当科目

    デザイン思考

    デザイン思考や人間中心設計(HCD)プロセスについての講義と演習を行います。実際にグループワークやディスカッションを通して、問題発見・課題解決を考え、プレゼンテーションによって成果を発表するアクティブラーニング型の講義です。

  • 小田 まり子

    教授/博士(工学)

    主な担当科目

    AI・ウェルビーイング工学概論

    AIとウェルビーイングの融合に必要な考え方を身に付けます。実際の事例を題材に、AIとウェルビーイングの関係性を深く掘り下げ、AI技術を理解し応用できる能力、ウェルビーイングの概念を理解し多角的な視点から考える力を身に付ける基礎作りを行います。

  • 尾知 博

    特別教授(兼任)/工学博士

    主な担当科目

    デジタル・マーケティング

    Webやデータを活用したマーケティングの考え方と手法を学び、AI・データ分析の力を企業やサービスの価値づくりにつなげる視点を養います。

  • 橋爪 善光

    准教授(兼任)/博士(理学)

    主な担当科目

    AI・ウェルビーイング工学PBLⅠ・Ⅱ

    1・2年次に学んだAI・ウェルビーイング工学の知識と、PBL(課題解決型学習)での経験を活かし、チームで企業や社会が抱えるリアルな課題解決に挑戦します。実社会に根ざした課題を通じて、AI技術の実践力と社会実装能力を養います。

  • 馬場 隆寛

    准教授/博士(理学)

    主な担当科目

    データサイエンス基礎

    データサイエンスとは何かを理解し、様々なデータに対してデータサイエンスを用いることができる視点を養います。 また、機械学習の基礎や分析結果の評価について学びます。

カリキュラム

  • AI・ウェルビーイングコースの主なカリキュラム図。AI・ウェルビーイング工学概論、デザイン思考、データサイエンス基礎、データサイエンス、AI・ウェルビーイング工学PBLⅠ・Ⅱ、デジタル・マーケティング、ビジネスデータ分析などを1年から4年にかけて学ぶ。

    ウェルビーイングの考え方から企業経営・マーケティングまで

    本コースの特徴として、先端的な情報技術による課題発見・解決型教育だけでなく、企業の経営やマーケティング、デザイン思考まで幅広く学ぶことが挙げられます。情報技術を単に学ぶのではなく、自分のため、誰かのため、課題解決の先にある人々を見据えて、次のステップへ学びを進めます。

学びの成果事例

動画:AI・ウェルビーイングコースの学びの成果事例(YouTubeで再生)

学生の研究紹介

卒業研究などの成果です。分かったことと、今後の課題をあわせて紹介しています。

  • AIで八女茶の味を予測!地域の気候から未来のお茶をデザインする

    八女茶, 味覚センサ, 気象データ, 機械学習

    研究概要

    福岡県の特産品である「八女茶」は、天候によって味わいが大きく変化します。私たちは、過去の八女茶の味データと気象庁の気象データを組み合わせ、機械学習(ニューラルネットワーク)を用いて「その年のお茶の味」を予測する研究に取り組みました。
    具体的には、酸味や渋味、旨味などの「味数値データ」と、日照時間や降水量などの気象データを入力してAIに学習させます。その結果、酸味や旨味のコクは特に予測に適していることが分かりました。
    まだ改善の余地はありますが、この研究を通して「気候と味の関係性」を科学的に明らかにすることで、より高品質なお茶づくりや地域産業の発展に貢献できる可能性が見えてきました

  • AIがあなたの心に寄り添う ― 健康と福祉を支えるカウンセリングbot

    生成AI, RAG技術, カウンセリング, メンタルヘルス, SDGs目標3

    研究概要

    ストレスや不安を抱える人が増える一方で、心理カウンセラーの数は不足しており、誰もが気軽に相談できる環境はまだ十分に整っていません。そこで本研究では、「生成AIを活用したカウンセリングbot」の開発に挑戦しました。
    実際のカウンセラーの回答データをもとに、必要な情報を検索し自然な文章を生成する「RAG技術」を活用。相談者に寄り添う自然で共感的な応答ができるAIを構築しました。
    この取り組みは、SDGs目標3「すべての人に健康と福祉を」に貢献することを目的としており、将来的には一人ひとりが安心して心のケアを受けられる社会の実現につながります。

  • AIの目でぶどうを育てる!AIとARで摘粒作業をサポートする研究

    摘粒, 画像認識, YOLO11, Depth-Anything V2

    研究概要

    本研究は、ぶどう栽培において重要な作業である「摘粒(てきりゅう)」を、専門技術を持たない新規就農者でも行えるよう支援するシステムを開発することを目的としています。システムでは、AIによる画像認識技術を用いて、除去すべき果粒を特定し、AR(拡張現実)技術で間引くべき果粒を提示することを目指しています。特に、摘粒すべき果粒を選ぶ際に重要となる果粒の向きや、重なった果粒同士の前後関係を把握するため、AI技術であるYOLO11-OBBを用いて果粒の向きを予測し、Depth-Anything V2を用いて深度推定を試みました。その結果、ぶどうの房と果粒を認識し、奥行きを推定できることを確認しましたが、果粒の向きを正確に捉えることには課題が残されました。