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■平成20年8月14日 孤風院でOB会
 熊本大学教授で建築家であった木島安史先生が亡くなられて16年が経ちました。先生を偲んで阿蘇の孤風院で木島研究室のOB会が地元OBのお世話で開催されました。孤風院は、明治41年に建てられた旧熊本高等工業学校(熊本大学工学部の前身)の講堂で、木島先生が阿蘇に移築して住宅として使われていた建物です。久ぶりに訪れた孤風院は庭の樹木が大きく育ちすっかりまわりの風景になじんでいました。当日は木島先生の奥様やご子息も参加していただき、各自先生との思い出や現在の活動について語り合いました。学生時代は月見や庭でのバーべキューを楽しんでいましたし、卒業してからもコンペの手伝いなどで訪れて宿泊していました。孤風院は卒業生にとっては木島先生の思い出が詰まった建物です。
大森も現在の研究活動について報告
木島先生設計の教会を題材にした設計
演習について両角先生からの報告
孤風院ホールでの記念撮影
庭でのバーベキュー
孤風院の玄関
樹木に囲まれた孤風院
■平成20年7月23日 伝統的建造物群保護行政研修会で講義
 京都府与謝野町加悦で行われました文化庁文化財部主催の平成20年度伝統的建造物群保護行政研修会で「町並み保存論」のタイトルで講義を行いました。全国から伝統的建造物群保存地区の担当になったばかりの方やこれから伝統的建造物群保存地区を考えている行政の担当者が集まられておりました。伝統的建造物群保存地区制度は単なる文化財保存でも上辺だけの景観保存でもなく、地域の歴史と文化を次世代に継承し、住民の生活や地域経済の活性化も視野に入れたまちづくりだと考えています。重要伝統的建造物群保存地区は日本の大切な文化遺産であり、世界にも誇れる貴重な町並みだと思います。
 研修会が行われたちりめん街道の加悦の町並みも見学することができました。ちりめんで活況を呈していた往時の姿が偲ばれますし、現在でもちりめんが織られています。伝統工芸が維持されている貴重な町並みです。
 研修会をお世話いただいた文化庁文化財部建造物担当の皆様や与謝野町の担当の方々にお礼申し上げます。

旧尾藤家の洋館
天満宮を望む町並み
京都府指定文化財旧尾藤家の中庭
道路を挟んで山側が母屋、海側が舟屋となる。
伊根湾の入り口に天然の防波堤として浮かぶ青島
■平成20年6月28日 久留米市公開講座 (環境大学)
 美しい景観保全の重要性についてオーストリア、フランス、日本では八女福島などを事例にお話しました。大学の学生より熱心な聴講と
質問に授業が盛り上がり楽しいひと時でした。このような催しを開催して頂有難うございました。
今回の洞爺湖サミットでも解決の難しい地球環境と景観は非常に密接な連関をもっています。
今後も地球環境をふまえた景観問題に微力ながら貢献していく所存です。行政を始め市民の皆様のいっそうのご支援を賜れれば幸甚の至りです。
海ぎわに並んだ舟屋
舟屋の柱は内側に傾き、軸組みは駒型になっている

久留米工業大学 建築・設備学科
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■平成20年3月22日 日田市小鹿田焼の里が重要文化的景観に選定
 調査に参加した日田市小鹿田焼の里が重要文化的景観に選定されました。九州では初めての選定です。それを記念してこれまでの調査成果を地元の方に説明する会が、地元皿山の小鹿田焼資料館で文化庁の鈴木調査官や市長を迎えて開催されました。この調査には地質や水環境、植生などの自然系の研究者をはじめ、郷土史や民俗学、景観に関わるる様々な研究者が参加していますが、今回は地質の木戸先生と景観及び生活に関して大森が発表を行いました。地元住民の方からは今後の保存計画の実施について質問があがっていました。
■平成20年3月2日 建築学会九州支部研究報告会で発表
 九州支部研究報告会にて、この一年間調査してきた日田市小鹿田焼の里について3篇投稿(共同研究を含む)し、発表を行いました。
タイトルは「日田市小鹿田焼の里文化的景観の保存に関する研究 その1 ー文化的景観の保存のための調査及び計画手法ー」、
「日田市小鹿田焼の里文化的景観の保存に関する研究 その5ー皿山の文化的景観の特性ー」、
.「日田市小鹿田焼の里文化的景観の保存に関する研究 その7ー文化的景観を資源とした観光活動ー」

調査報告会での市長挨拶

日当たりの良い庭を囲むL字型の典型的な窯元の家屋配置
■平成20年3月16日  文化財サポーターフォーラムで発表
 文化庁主催の文化財サポーターフォーラムが東京国際交流館プラザ平成で開催されました。文化財の保存・活用の支援に社会全体が参加する仕組づくりについて、現状の課題や活動内容について発表が行われました。大森は、建造物の保存・活用に関わっている大学研究室を対象にした調査を担当しておりましたので、その結果の概要を発表しました。指定文化財にはなっていない、地域にとって貴重な文化遺産の位置づけと保存・活用が今後重要と考えています。
■平成20年6月 季刊まちづくりに寄稿
 学芸出版社 季刊まちづくり(19号)に八女福島の町づくり団体の活動について寄稿しました。
八女市は全国町並みゼミを2006年11月に開催し活発な保存運動で日本中に知られています新旧いろいろな団体が歴史的街並みを維持し活用しつづける様子をしたためました。九州縦貫道八女インターの高速を下りたらすぐです。
八女茶が一番美味しい季節、黒木や星野にも足を伸ばし、べんがら村でお風呂を楽しむこともできます。皆様の見学を歓迎します。
西山工場の母屋
丸中
現役のちりめん織の西山工場
■平成20年7月24日 伊根浦の町並み
 伝統的建造物群保護行政研修会で講義をした翌日に伊根町伊根浦伝統的建造物群保存地区を訪れました。伊根湾に面して舟屋がずらりと並んでいる様は壮観です。これだけ水面近くに舟屋が並んでいるのは、干満の差が約50cmで波が静かな伊根湾に面しているからで、日本でもここだけでしか見ることのできない景観ではないでしょうか。実は大学生であった1981年にここを訪れていますが、その当時の印象と殆ど変わることのない風景です。当時は船から集落を見ることはできませんでしたが、今回は船に乗り海から伊根浦を見ることができました。急峻な山の海際に家屋が一列に並んでいるすばらしい景観でした。海の色が緑色だったのも印象的です。波も静かでまるで湖みたいですので、昨年訪れたオーストリアのザンクト・ヴォルフガング湖を思い出しました。あの湖と同じ緑色です.。猛暑の中を案内してくださった伊根町の伝統的建造物群保存地区担当の梅崎氏に感謝申し上げます。